世界の人形館からの夢メッセージ

夢と寛ぎを紡ぐワールドスクエア
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資産家夫妻殺害事件簿:ファンドマネジャーとタックス・ヘイブン
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 私ことワールド・トラベラーがこのブログを始めて来月(3月)で満2年になるが、常に最多の検索キーワードが「タックス・ヘイブン」であることに驚きを禁じ得ない。
 どのような愛読者が、どのような目的で検索したのであろうか? また、検索後は筆者の拙いブログ、「世界の人形館からの夢メッセージ」にご満足頂けたであろうか?さらに、夢を持たれましたか? その結果に関心があり、少々気懸かりでもある。

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 アルジェリア人質事件が一段落したかと思ったら、次は資産家夫妻殺害事件が話題になった。在住するスイス・チューリッヒから一時帰国中に五十路前後のファンドマネージャー夫婦が、資産運用をめぐるトラブルで殺害された。
 容疑者として、水産物加工会社の経営者ら2人が逮捕された。コワモテで粗暴な言動の経営者が主犯格と見られ、もう1人はその忠実な部下であるそうだ。

 「凄腕ファンドマネジャー」だったとの被害者(夫)の生活ぶりが少しずつ明らかに なり、億単位で稼いでいたとか、年収5億円というのだから驚く。外出時、或いは飲みに行く時もパソコン1台に携帯3台を持つほど多忙で、猛烈な仕事ぶりの敏腕トレーダーとして評判であったらしい。
  被害者夫婦は3年ほど前に、「日本は税金が高いから」と言って、スイスのチューリッヒに住むようになったと言われる。世界的にグローバル化が進む中、世界を股にかけて旅したワールド・トラベラーから見れば、依然として保守的な日本人にも多少変化の芽が出てきたのではないかと思わせる事象だ。
 
 2人はその後も日本に頻繁に帰国していた由。最後に生存が確認された東京・銀座の自宅マンションのほか、六本木や赤坂、千葉市にも高級マンションを所有し、フェラーリとベンツの2台の高級外車も乗っていたとか。
 趣味は夫婦でヨットを楽しみ、子供がいないためか2匹の高級犬を溺愛したらしい。愛犬家を招いた犬の誕生会では、並みの人間様でも賞味できない青森県大間産の高級マグロを食べさせるなど、セレブな暮らしを満喫していたとは景気の良いお話だ。
 景気と言えば、人気だけが先行して実力が伴わなかった民主党政権に比べ、実行力があると期待する自民党政権が復活した。早速アベノミクスとやらで円安や株高で世間は浮かれているようだが、庶民レベルの筆者には斯様な実感は皆無である。実体経済の動向などを厳しく注視し、懇意にしている元気そうな自民党代議士に具申したい。

 殺害された夫は、リヒテンシュタインに本社がある投資ファンドのやり手マネジャーとして活躍していた由。熊本の大学を卒業後、東京が本社の証券会社
に入社。 営業部門を経て国際部門に異動し、海外の投資家らと人脈を作り約20年前に独立。
 証券会社の元同僚の話では、 人懐っこく明るい性格で顧客の信頼も厚かったとか。 一方、野心家で会社より自分のために人脈を広げ、ハイリスク・ハイリターンを狙っていくタイプであったようだ。時価総額で約300億円の資産を運用し、 ピーク時の6〜7年前の年収は5億円にもなったとか。
 一見華やかで幸福な生活をエンジョイしていたかのような資産家夫妻であったが、リーマンショックや欧州危機以降は多額の損失を抱えていたようだ。優雅な生活の裏で、「損失が多くて逃げていた」との裏情報も漏れ聞く。 
 
 故ファンドマネージャーゆかりの地、出身大学がある熊本、金融都市チューリッヒ、そして小さな山国リヒテンシュタインは、世界の旅人としてもちろん訪れている。

 先ず、熊本は今から約17年前の1996年5月、家内と一緒に九州旅行をした時に寄ったことがある。僅か半日の観光であったが、桃山式回遊庭園で名高い水前寺公園などを訪ねた。水前寺成趣園が正式名の公園は優美な桃山式の庭園である。出水神社の大きな鳥居をくぐると、正面に公園の入口がある。面積が7万屬塙い園内で、特に印象に残ったのが園内の中央に配された湧水池。緑豊かな公園は東海道五十三次を模しており、池のそばにはミニ富士山がそびえ、美しく大きな鯉が回遊する。
 この後、雲仙を訪れ、1991年6月3日雲仙普賢岳噴火で火砕流が起きた現場を視察した。約5年経過しても土石流に呑み込まれたままの無残な家屋を見て、自然災害の脅威と怖さを改めて思い知らされた。

   −−− 熊本市の水前寺成趣園 −−−   −− 雲仙普賢岳の麓 −−
   
湧水池に架かる橋の袂で  妻とのツーショット  土石流に埋まった家屋

 次に、被害者が住んでいたチューリッヒを紹介しよう。1974年〜1977年に商社マンとしてクウェート駐在時、会社(三井物産)の静養休暇制度を利用して度々家族(妻、小学生であった長男と次男)と共にヨーロッパを周遊したことがある。今から約37年前の1976年6月〜7月に旧西ドイツ、オーストリア、イタリア、フランス、モナコ、イギリス、
ポルトガル、スペイン、フィンランドを回った時にスイスにも寄った。 
 チューリッヒのほかに、首都ベルン、「魔の山」と呼ばれるアイガーの麓の山岳リゾート・グリンデルワルド、中世の面影を留める静かな町ルツェルンなどを訪れた。
 
 チューリッヒは人口約38万人のスイス最大の都市で、商工業・金融センターとして発展してきた。 低い法人税率が海外企業の本社を誘致する魅力となり、ヨーロッパではロンドンに次ぐ金融センターとして知られ、数多くの金融機関や投資ファンドなどが存在する。さらに、国際サッカー連盟(FIFA)など国際団体も多い。
 また、治安・教育水準・各種インフラなどがバランス良く整い、「世界で居住に最適の都市」或いは「ヨーロッパで最も裕福な都市」との評価を受けたことがある。殺害された資産家夫妻もこの魅力の虜になり、子供がいない身軽さもあり移住したのであろう。
 
 時代の最先端を行く国際金融都市だが、街の中心をリマト川が南北に流れ、美しいチューリッヒ湖に注ぐ落ち着いた街並みだ。ケー橋などが架かるリマト川の右岸(東側)には旧市街が広がり、中世の風情が残る。一方、左岸(西側)には、ステンドグラスが美しい聖母聖堂がある。この聖堂から西へ行くとすぐ、著名なクレディ・スイス銀行本店やUBS銀行本店など金融機関の大きな建物が並ぶ。被害者(霜見夫婦)はこの街のどこでどのようにして暮していたのであろうか。
 24年ぶりの2000年7月に妻と共にスイスを周遊し、チューリッヒを再訪したが、街並みやチューリッヒ湖畔の佇まいは昔と変わらず、ホッとするものがあった。

 このスイス旅行の途中、ヨーロッパ第4の小国で立憲君主国のリヒテンシュタインにも寄り、首都ファドゥーツに3時間ほど滞在した。人口は約5000人で、ライン川上流の右岸にある。同国は南北25km、東西10km、面積は小豆島とほぼ同じ160k屬いΧ垢気澄J振儚と瓦500mと山がちで、国全体の人口でも約3万5000人に過ぎない。
 元来はオーストリアのハプスブルク家の貴族で、1719年にファドゥーツとシェレンブルクの2領地が統一されてリヒテンシュタイン公国になった。億万長者の公爵が世襲統治する国は1866年に独立し、1967年には永世中立国となった。第一次大戦以降は実質的にスイスの保護下に入り、郵便や電話の制度はスイスと共通である。現侯爵は1989年より在位のハンス・アダム2世(1945〜)で、ヨーロッパ君主の中で最も豊かな資産家と言われる。一般国民に納税・兵役の義務はなく、侯爵一族以外はほとんど貧富の差がない平穏な国だ。
 
 金融機関の口は堅く、徹底した秘密主義が有名らしい。リヒテンシュタインでは法人税はあるが安く、会社設立も割合容易なため、ぺーパーカンパニーが多い。いわゆるタックス・ヘイブン(租税回避地)として知られ、人口より法人企業数が多いと言われ、この国に住所を置く私書箱は8万個以上あるとか。美しい絵柄の切手発行も有名で、政府公認の宝くじがインターネットを通して売られ、収益金が国際赤十字社などに寄付されている。

       −−− 妻とスイス、リヒテンシュタイン周遊 −−−
  
 スイス:チューリッヒ  スイス:チューリッヒ湖   リヒテンシュタイン:
   湖畔を妻と散策    とリマト川を俯瞰   ファドゥーツの中心で


 ここでタックスヘイブンに就いて触れたい。既に2012年3月4日付けの筆者ブログ「天国に近いケイマン諸島−タックス・ヘイブンの裏表」で詳しく紹介済みである。勿論ワールド・トラベラーとしてリヒテンシュタインやケイマン諸島のほかに、次の通り世界のタックス・ヘイブンを多数訪問済みだ。

 これらの中には、船の事実上の船主の所在国とは違う国に籍を置き税金を低く抑えることが出来る便宜置籍国があり、タックス・ヘイブンと看做される。一応タックス・ヘイブンの舞台になっている国・地域は、50を超えると言われる。
 
●カリブ海&大西洋:バミューダ諸島、英領ヴァージン諸島、アンギラ、ドミニカ、アンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、アルバ、アンティル、ドミニカ、グレナダ、バルバドス、バハマ(便宜置籍国)
●ヨーロッパ:アンドラ、モナコ、サンマリノ、ジブラルタル、マン島(イギリス)、ルクセンブルグ
●地中海:キプロス(便宜置籍国)、マルタ(便宜置籍国)
●オセアニア(太平洋):クック諸島、マーシャル諸島、ナウル、バヌアツ、サモア、トンガ
●アジア:シンガポール、香港、カンボジア(便宜置籍国)
●中米:ベリーズ、コスタリカ、パナマ(便宜置籍国)
●インド洋:モルディブ、セーシェル、モーリシャス
●中東:バーレーン
●アフリカ:リベリア(便宜置籍国)
 
 最近では昨年、2012年9月に大西洋に浮かぶバミューダ諸島、カリブ海のイギリス領ヴァージン諸島を訪れたが、素晴らしいビーチがあるリゾート・アイランドとしての別な顔も持っているのが印象的であった。
 また、若かりしクウェート駐在時代に繊維商売で、同じアラビア湾諸国の島国バーレーンへ頻繁に出張するなど、今まで16回も訪れた懐かしいタックス・ヘイブンである。40年近く前にお世話になった取引先の社長は今どうしておられるのであろうか?多分他界され、後継のご子息たちにバトンタッチされているだろう。

 上記にリストアップしたタックス・ヘイブンはいずれも小さな島国や内陸の小国である。そもそもタックス・ヘイブンの起源は、産業が発達しない国や地域が自活し、国際物流拠点として促進するために作った制度。貿易拠点となれば定期的に寄港する船員などが外貨を使うため、島国にとっては実利的な方法だと考えられてきた。従い、タックス・ヘイブンの優遇税制が適用される業種は、本来は物流関係であった。
 しかし、現在の国際金融取引では租税負担軽減を主目的として、多額の資金がタックス・ヘイヴンを経由して動いており、必要不可欠な存在になっている。一方、別名オフショアとも呼ばれるタックス・ヘイブンを利用した租税回避策に対して世界の各国は税制を整備してこれに対抗しようとしているが、根絶にはほど遠い実情のようである。
 
 皆さん!実質的な世界最大のタックス・ヘイブンは一体どこかご存知であろうか? その答えは、意外にもロンドンのシティ・オブ・ロンドン金融特区と言われる。
 また、世界の貿易の半分以上、世界の富の4分の1がタックス・ヘイブン絡みであると言われるが、我々には知らない事が多いようだ。

   −− ワールド・トラベラーが世界のタックス・ヘイブンを訪ねる −−  
  
 バーレーン:1976年 バハマ:2000年妻、  リベリア:2005年
マナーマ市内のスークで 孫達とバカンスを楽しむ     モンロビアの市場で


            
 タックス・ヘイブンやファンドと言えば、どうもキナ臭い話が多いようである。例えば、2011年11月頃から話題になったオリンパスの巨額損失隠し、その後はAIJ投資顧問会社の年金資産2000億円消失の問題などが、大いに世間の耳目を集めた。
 過日の資産家夫妻殺害事件も同根のようである。要するに、この世では上手い話はあり得ないということであろう。

 因みに、インターネットで調べて見ると、非情になるかも知れないが、死者に鞭打つような闇の部分が暴かれているようで恐ろしい気もする。
 例えば、証券会社時代の同僚の話では、「彼は最も近寄りたくない人間だ。彼の周りには胡散臭い人間がたくさんいた。ファンドマネジャーと自称するが、本当は風説流布まがいで株価を釣り上げる仕手株の解体屋だ。」「投資の失敗は出資者の自己責任と謝りもせず話していた。これが反感を買い、日本出国の際に空港で待ち伏せされてもみ合いになった。」etc、叩けばほこりがわっと出るような話がゴロゴロしているようだ。
 
 熊本の無名大学出身にも拘わらず、金融の本場のヨーロッパに住み、仕事をしたぐらいだから他人の何倍もの努力はしたのであろう。しかし、他人様に恨みを買うような生き様は避けたく、種々考えさせられる事件でもある。合掌。


  ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

        ―   ―   ―    ご案内   ―   ―   ―

筆者(ペンネーム:高やすはる)が著した本が文芸社より発売されています。
 書名は「私はワールド・トラベラー 世界257ヵ国・地域を旅した男」、 定価は本体1、500円+税。書店でお買い求め、又は注文できます。また、アマゾンや楽天ブックスなどのインターネット・ショッピングもできます。もし書店やネットショッピングで入手不可能の場合、常に在庫が十分あります世界の人形館TEL:04−7184−4745 ) で確実にお買い求めできます。
 尚、本書は単なるトラベルガイドブックではありません。日本の将来を憂い、特に三流とも揶揄される日本外交に対し、ズバリ直球でもの申す本物志向の提言書でもあります。是非ともご愛読のほど宜しくお願いします。  

   
  
            表紙カバーと帯               口絵


  
手作り万華鏡第3回ワークショップ(世界の人形館)
」を下記の通り開催
 しますのでご案内します。奮ってご参加下さい。

 ●
日時;2013年2月23日(土)13:00〜15:00
 ●
場所&お問い合わせ:世界の人形館
 千葉県我孫子市我孫子2−3−1026 JR・千代田線我孫子駅北口徒歩6分
   TEL&FAX: 04−7184−4745  Eメール ko-yasu@maple.ocn.ne.jp
講師:日本万華鏡大賞グランプリ作家の村越通浩氏

定員:10名 先着予約制 
参加費用:2,000円(材料費として村越氏にお支払い下さい) なお、第2回ワークショップは満員で締め切りました。有難うございました。

ワールド・トラベラーが館長を務める世界の人形館では、257カ国・地域の民俗人形、紙幣とコイン、仮面、壷、置物、絵画、木彫り、地球儀、照明ランプ、時計、絵皿、万華鏡などを多数展示しています。ご興味ある方はご遠慮なくお気軽にご来館下さい。慈善活動につき、入館料は無料です。但し、セキュリティなどのため、必ずj事前予約をお願いします。
  

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