世界の人形館からの夢メッセージ

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オバマ大統領、野田首相の共通点と功罪
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 共に齢(50代前半と半ば)の割には演説が上手いなと感心する日米の首脳、バラク・オバマ米大統領と野田佳彦首相につき、私見をお話してみたい。

 過日再選されたオバマ大統領ゆかりのいくつかの地を、私ことワールド・トラベラー
は訪れたり、商社の海外駐在員として住んだことがある。後期高齢者の筆者から見れば、大統領(51歳)は親子ほど年が違い、長男(47歳)とはわずか4つ違いだ。故に、ここではオバマ又は彼と呼ばせて頂くので、ご容赦願いたい。

 アフリカ系としては初めてアメリカの大統領になった彼の正式名はバラク・フセイン・オバマ・ジュニアといい、1961年8月4日にハワイ州ホノルルで生まれた。父はケニア西部にあるアフリカ最大の湖・ヴィクトリア湖に近いニャンゴマ・コゲロ出身のルオ族、母はアメリカ・カンザス州出身の白人女性。
 彼は自身の幼年期を、「僕の父は僕の周りの人たちとは全然違う人に見えた。父は真っ黒で、母はミルクのように白く、そのことが心の中ではわずかに抵抗があった。」と赤裸々に回想しているのが印象的である。
 
 プロテスタントのキリスト教徒である彼のミドルネームはフセインと言うモスレム(イスラム教徒)の名前だが、これは父親がモスレムであったからだ。
 因みに、モスレムは自分の名前、父の名前、祖父の名前、そして家族の名前と4つの名前を持つ。従い、父は誰か、祖父は誰かまで分かる。また、国によってはモスレムの男性は4人までの妻を持つことを許される。しかし、4人の奥さんを平等に愛さなければならないので、経済的にも肉体的にも傍が羨むほど楽ではないらしい。

 ニャンゴマ・コゲロはケニアの首都ナイロビの北西およそ400km、ウガンダとの国境近い農村である。筆者は1994年7月に初訪問以降、昨年11月までケニアは3回訪れているが、この村付近を旅したことは無い。
 しかし、ウガンダとの国境に近く、2000年8月に訪れたウガンダの首都カンパラからは約150kmしか離れていない。従い、白ナイル川の源流に近い大統領の父の出身地がどの程度貧しいか、おおよその見当は付く。


  
ケニア:近代的なナイロビ  ケニア:ルオ族の村  ウガンダ:白ナイル川
 市街地の中心を俯瞰               源流に立つ世界の旅人


 さて、オバマが2歳の時にケニア人の夫と離婚した母親は今度はインドネシア人と再婚したため、1967年に彼はインドネシアの首都ジャカルタに移住した。筆者が1979年から商社マンとしてジャカルタに駐在する12年前のことで、彼が通学したメンテンの第一小学校が勤務先(三井物産ジャカルタ事務所)の近くにあった。もちろんその学校は憶えているし、これも何かの縁かも知れない。
 1971年にまたホノルルに戻った彼は、その後白人の母親と母方の祖父母(共に白人)によって育てられた。再選後に表明したアジア・太平洋地域重視の背景は、上述のようにユニークな彼の育ち方に起因するのであろう。

 因みに、筆者は妻と一緒に1990年6月と1994年1月の2度ハワイ旅行しており、常夏のバカンスを楽しみ、若き新婚時代のハネームーンを懐かしく想い出した。ホノルルがある主島のオアフ島のほかに、カウアイ島、ハワイ島、マウイ島とアイランド・ホッピングしたが、ダイナミックな火山地形が広がるハワイ島とマウイ島が気に入った。

 本土のコロンビア大学やハーバード大学法科大学院を卒業した彼は、その後ニューヨークやシカゴで働いた。弁護士、イリノ
イ州議会議員、上院議員を経て2008年11月には第44代の米国大統領まで上り詰めた。さらに、2009年にはノーベル平和賞を受賞、彼ほどとんとん拍子の人生を歩んできた黒人系の指導者はいないであろう。
 ワールド・トラベラーは1983年5月の初訪米を皮切りに、14回もアメリカを訪れた。ニューヨークやシカゴを含む広大な全米をほぼ一周し、同国の底力と多様性を痛感。中でもミシガン湖畔のシカゴは大好きな街で、その昔ギャングの顔役アル・カポネが根城にした怖い暗黒街の雰囲気は消え失せて無い。


  
インドネシア:1970年代 ハワイ:1990年ホノルルの アメリカ:ミシガン
ジャカルタ右端がメンテン ワイキキビーチを妻と散策  湖畔のシカゴ俯瞰


 一方、我が野田佳彦総理(55歳)に就いては、2011年9月5日のブログ
駅頭王がドジョウ首相にで若かりし頃を紹介済みである。僭越ながら、ここでは総理をドジョウ首相又は野田青年と呼ばせて頂きたい。
 今から25年ほど前に大学を出て間もないと思われる若い青年が、船橋の駅前でぽつんと突っ立っていた。当時の彼は現在のように太っておらず、むしろ細身であった。足元には自分の名前を書いた小さな看板を置き、何もしゃべらず仏頂面の無口であるのが不気味であった。この青年は都内へ働きにも出かけず、一体何を考えているのであろうかと不審に思い、年齢的に我が息子に近い彼の将来を案じたことを後期高齢者になった現在も鮮明に憶えている。
 当時の無口な印象からすれば、今の能弁な野田首相があの時の野田青年とは想像し難い。様々な課題を残したまま過日衆議院を解散して再出発するが、無名で裕福でもなかった駅頭時代を知る筆者から見れば大変な大出世であり、見事な変身である。

 野田首相或いは民主党の功罪については種々見方がある。先ず、昨今の雨後のタケノコのような新党乱立のきっかけを作ったのは、紛れも無くドジョウ首相である。
 最近の政界はまさに異常事態だ。地方の首長が本業そっちのけで乱入し、与党も野党も結託して国民のためと言うよりも、選挙目当ての政治家としてのご利益を守りたい保身や生き残りゲームだ。また、甘い蜜のような政党交付金に群がろうとする蟻の如く、まるで陣取り合戦の様相を呈しているのでなかろうか? 斯様なことはかって無かったもので、神聖な国政の王道から逸脱した嘆かわしい国難としか言いようが無い。
 
 また、政権党の唯一の実績(?)と言っても良いマニフェスト反古に関し、思い当たるフシがある。個人的で些細な話で恐縮だが、昨春ドジョウ首相に招待された赤坂御苑の観桜会が、北朝鮮のミサイル発射を理由にドタキャンされた嫌な思い出がある。
 詳細は2012年4月15日のブログ「
4分の3世紀を生きて ― 幻の観桜会などもあった節目をご覧頂きたい。後刻得た情報では、ドタキャンした頃に輿石幹事長が中心にして身内では観桜会をちゃっかり楽しんだとか。また、観桜会の代わりに園遊会招待に振り替えるアイディアもあっただろうが、斯様なお話も無いまま解散したので遺憾と言う他ない。どうも木目の細かさと情緒、人間味に欠ける党のようである。
 
 外交面でも尖閣諸島、竹島、北方四島の領土問題で無知でど素人の対応をし、お粗末な三流外交を露呈した。この日本にも世界を駆け巡り、世界を知り尽くしている国際人が実在するにも拘わらず、なぜ彼らの貴重な英知や経験を有効活用しないのであろうか?国際通は外交官だけではないし、外務省や外交官以上に外国に精通している民間人はいくらでもいる筈である。もし、どうしても見付からない場合、老兵ながら気力と愛国心十分、世界
255ヵ国・地域を巡ったワールド・トラベラーを想起して頂きたい。
 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題でも反対する政治家が多いようだが、ノーと言う前に海外視察をするなど必須の予習をしたであろうか?江戸幕府による鎖国時代から綿々と受け継いだDNAは、時代が変っても容易に払拭出来ないようだ。

 筆者の限られた余生を思うと、真の国際化、グローバル化は遅々として進展しないのが、実のところ腹立たしくてならない。この後進性が日本の外交を弱体化し、結局は日本の国力や国際的地位を低下させていることをお互いに気付かないでいる。
 また、他国から馬鹿にされ尊敬されないコロコロと代わる首相と粗製乱造の大臣、新党が多数乱立するなど政局の不安定etc−−−。国民にとっては真に不幸な悪循環が今後も続きそうだが、なんとか早く断ち切りたいものだ。そろそろこの辺りで、斯様なことが断行できる真の救世主の出現を渇望したい。

 ただ、唯一高く評価したいのは、来るべき衆院選における世襲立候補禁止のために毅然として貫き通したドジョウ首相の姿勢である。この点に関しては、一般的に苦労知らずで甘い考えの世襲議員が多いと言われる自民党は謙虚に見習うべきであろう。
               
   
   
   4年前「変革」を訴えた頃の旬な  人並みに中年太りになったが  
   オバマ大統領も今はその面影薄い 駅頭青年時代の面影が少し残る
        (インターネットより転用・加工した画像)


 他方、3年前に早すぎると言われたノーベル平和賞を受賞したオバマは、自国の核軍縮をいっこうに実行しようとしない。その傍ら、北朝鮮やイランに対し核開発を牽制するのは、両国にとっては理不尽、不平等と受け取るのは当然かも知れない。
 また、被爆国の我が国もアメリカに対して安全保障のためにと核戦力の維持を求めて加担するのは、ナンセンスと言えよう。

 さらに、アメリカ国内では、「財政の崖」と言う経済危機を迎えようとしている。これは2013年から減税が切れ、「実質的増税」と「強制的な歳出削減」のダブルパンチにより崖から落下するような急激なショックが起こる可能性があることである。もしそうなれば、欧州の不景気、中国経済の減速などの上塗りになり、最悪の場合下手をすれば世界恐慌にもなりかねない。
               
 結論として、外見や雰囲気は似ていないが、オバマ大統領と野田首相のご両人は共に雄弁であり、また敢然とした実行力に乏しく優柔不断な共通項を持つ御仁のようだ。
  過日、中国では第五世代の習近平総書記の新しい指導体制がスタートした。習総書記は温厚そうな風貌に似ず、硬派な面もあると聞く。日中米の3首脳は今後どのようにしてアジア・太平洋地域で指導力を発揮するのであろうか、興味津々なものがある。

 最後に、オバマ大統領と野田首相の決定的な相違点を述べて締めくくりたい。前者はよほどのアクシデントが無い限り、8年という長期の任期を全うするであろう。然るに、後者はこのままでは1年余の短命政権に終わりそうである。我が国が世界有数の長命(長寿)国だけに残念でもある。

(後記)
 本日第46回衆院総選挙が告示され、驚いたことがある。千葉4区の野田佳彦首相が比例南関東ブロックに重複立候補したことで、現職首相としては異例である。「決断」の文字が躍る同首相のポスターが白々しく、見方によっては度胸の無い敵前逃亡にも受け取られかねない。大恥さらしにならないよう祈念する。(12月4日)


  ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

私のプライベート・ミュージアム界の人形館では、255ヵ国・地域の民俗人形、紙幣とコイン、万華鏡、仮面、壷、置物、絵画、巻物、木彫り、地球儀、時計、絵皿、照明ランプ、螺鈿、タペストリー、モデルシップ、ドールハウス、剥製など、世界の珍品や何でもを展示しています。ご興味ある方は、ご遠慮なくお気軽にご来館下さい。お待ちします。
 但し、セキュリティなどのため、下記要領で予約をお願いします。
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    オバマ大統領と野田首相の経歴、興味深く拝読しました。
    特に、オバマ大統領は複雑な生い立ちがあったこと、それにもかかわらず大統領まで上り詰めたこと、素晴らしいです。
    高さんも、その地その地で関わりがありますね。
    日本の首相は8年どころか、毎年ドタバタ交代していて、今回の選挙もどうなるか未来の日本が心配ですが、高さんのようなグローバルな視点でのご意見、また聞かせてください。
    | 藤田 美和子 | 2012/11/30 1:49 PM |
    美和子さん
    早速ご丁寧なコメントをいただき多謝します。
    最近の小生ブログや講演は単なる物見遊山に終わらず、
    外交や環境などにも触れるよう多様化を心掛けています。
    来る衆院選と同時に、脱原発を問う国民投票もやれば
    良いのですがーーー。
    | ワールドトラベラー(高)     | 2012/11/30 3:36 PM |
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