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一国二制度が骨抜きにされた香港の今昔(2)
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 コロナ禍で世界が混乱するどさくさに紛れ込むように、「香港は死んだ」とか、「次の標的は台湾か」と言うような事態になった。一昨日(7月1日)は、香港返還23周年を迎えた。1997年のこの日に、英国の植民地であった香港は中国に返還された。中国として香港を英国から取り戻すことを決めたのは、1984年の中英共同声明。その後、1990年に香港特別行政区基本法が公布され、1997年の香港返還及び基本法施行と続き、一国二制度が正式にスタートした。しかし、1997年の返還から50年は一国二制度は変えないと言う中国の約束は、23年しか経たないのに、ものの見事に破られた。

 6月30日に開かれた中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会で、香港での反体制的な言動を厳重に取り締まる「香港国家安全維持法」が成立し、即刻施行されたのである。この国家安全法により香港の治安維持のために中国政府が直接介入することなり、50年間は高度な自治を認めると言う一国二制度が完全に骨抜きにされたのだ。開放的な自由をベースに長年繁栄を謳歌してきた香港だが、今後は特に経済への深刻な影響が懸念される。

 

 275ヵ国・地域を旅した私ことワールド・トラベラーは1970年10月の初訪以降6回も出張し、その後は旅行なども含め合計10度訪れている。また1977年7月にクウェート勤務から帰国途中、妻・長男・次男を帯同して訪れたことがある。今世紀に入り斯様に大変貌する香港につき、2019年6月9日付幣ブログ『一国二制度が骨抜きにされつつある香港の今昔(1)』で香港島側を紹介済みである。今回は大陸側の香港を詳述しよう。

 

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英国植民地時代(約50年前)

 中国名は彌敦道 ネイトントウというネイザン・ロードは香港随一の目抜き通りで、九竜 カウロンにある。尖沙咀 チャムシャツォイから旺角 ウォンコッまで南北に走る大通りでは、通りにせり出すような派手な看板が有名だ。尖沙咀の突き当りにはスターフェリー乗り場があり、対岸は香港島で情緒的風景が広がる。また、英国植民地の影響を受け、ロンドンで走っているような2階建てバスが香港でも見られた。ただし、本場のバスとの大きな相違点は、派手な色と漢字が入った車体であった。

 

        −−− スターフェリー乗り場 −−−

 

   対岸は香港島      長男・次男と共に

 

 一方、旺角から東方に向かうと、旧香港空港の啓徳空港 カイタックがあった。空港付近には多くの高層ビルが建ち、ビル内には商社マン時代に頻繁に訪れた縫製工場もあった。また、鉛筆のような高層ビルが林立する九龍の上空を飛行機がかすめるように離発着した古い啓徳空港は騒音問題などがあり、1998年7月にランタオ島に新しい空港がオープンし移転した。

 郊外は中国との国境に近い新界 サンカイの錦田 カムティンでは、のんびりした昔の中国ムードが溢れる田園地帯が広がっていた。道の両側には白油樹が立つ並木道を、天秤棒に鶏を入れた百姓たちが往来していた。そこは農耕する牛、道を横切るアヒルの群れなど、香港島や九竜にはないタイムスリップしたような別世界であった。

 

 

 ネイザン・ロード付近     啓徳空港近く

  

返還後(2004年)

 中国返還後に大きく変貌したのが、尖沙咀 チムシャツォイの南端にある海浜公園プロムナードである。ビクトリア湾と対岸の香港島がバッチリ展望でき、旧正月花火大会もここからの観覧が最高であった。ほかに見どころとしては、レンガ造りの旧九龍駅時計塔、スターフェリー乗り場、ビルが圧倒的に多い香港では正にオアシスで2つの噴水が美しい九龍公園などがあり、散策に絶好だ。

 香港随一の目抜き通りネイザン・ロードの佇まいは昔に比べてお洒落な感じになったが、派手な看板が目立つ雰囲気はあまり変わっていない。この通りの中ほどにある少々異様な建物が、イスラム教徒が信仰する九龍清真寺 カウロンチンチェンジー。お祈りの時間になると、多くのムスリムが礼拝に来る。このイスラム寺院から東へ向かうと、道教寺院の黄大仙廟 ウォンタイシンミウがある。香港の数ある道教寺院でも最も有名で、熱心な信者の参拝が絶えない。

 

 

 九龍半島の尖沙咀(手前)   旧九龍駅時計塔をバックに

   など俯瞰

 

 

ネイザン・ロードを     黄大仙廟

 散策する筆者

 

 郊外では、新界の高層アパートが建ち並ぶ沙田 シャティンの変わり様が人目を引いた。以前は数軒の家しか無かった寒村だったが、戦後大々的に埋め立てられ、高層アパート群の大団地に変わってしまったのだ。

 

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 早速、香港国家安全維持法の施行後の翌日(7月1日)、香港警察は香港独立を主張する抗議デモをした男女9人を逮捕した。今後は香港で逮捕された容疑者が中国本土で裁かれたり、或いは拘束されたりするかが焦点になろう。また、民主派団体が香港の将来を懸て相次いで解散する動きが見られ、民主活動家も香港を離れた。中国の強引なやり方に対し、欧米諸国が批判を強めており注目される。

 

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