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世界で最も新型コロナウイルス感染死亡率が高いベルギーの想い出
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 世界では今もなお、新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらない。ついに本日(6月29日)、感染者数は大台の1000万人を超え、死者数も50万人に達した。特に人口100万人あたりの死者数は、ヨーロッパ諸国やアメリカなどの先進国が上位を占め、中南米がこれに続く。一方、日本をはじめアジア諸国の死者数は欧米に比べ、約100倍の差、つまり2桁ほども少ない。斯様に欧米に比べて非常に少ないのは、彼の地では驚きを持たれ、一種のミステリーとして不思議がられているようだ。

 その原因などに就いては、生活慣習や文化の違いが挙げられる。例えば、我が日本では元々マスクを着用する習慣があったし、室内では靴を脱ぐ文化がある。またハグやキスという体を接触させることが少ないのも、飛沫感染や接触感染を抑えているようである。だが、これらの要因以外として、遺伝子の違い、BCG接種、交差免疫(過去に似たウイルスに感染して得た免疫)などが囁かれている。

 

 さて、本題に戻り人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染死亡率が最も高い国はどこか、ご存じであろうか?それはアメリカではなく、イタリアやスペインでもない。実はベルギーで、100万人感染すれば837人も死亡している。一方、我が国はわずか7.5人で、ベルギーの実に100分の1以下である。そんな新型コロナ感染大国のベルギーを筆者は1975年8月の初訪以降3度も訪れており、うち2度は故人になった妻・長男・次男を引率した懐かしい家族旅行であった。その旅の模様は2016年3月23日付幣ブログ『連続テロがあったベルギーの旅』で紹介済み。一部重複するが、同国への旅を再び回想しよう。

 

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 国土面積は日本の約12分の1、人口は約1140万人の小国だが、3つの公用語が使われる多様性たっぷりのが溢れる国である。先ず、首都ブリュッセルだが、1000年以上の歴史を持つ古都には見所が多い。ハイライトは古色蒼然たる石畳の大広場、縦110m、横65mもあるグラン・プラス一帯に集中している。文豪ジャン・コクトーに「絢爛たる劇場」と言わしめるほど、この広場ゆかりの形容詞は多い。その中心が広場の南側に建つ、高さ96mの市庁舎。ゴシック・フランボワイヤン様式の壮麗な建物は15世紀に建てられ、内部ではマクシミリエンヌの間のタペストリーが見ものだ。
 ほかに目ぼしい建物として、市庁舎の対面に建つ王の家は市立博物館になっており、実際には王様が住んだことが無い。広場の東側にあるブラバン公爵の館、その西側にあるスペイン王が庇護したギルドハウス(同業組合)であったビール博物館も見逃せない。現在ではこれら建物の大部分は、レストラン・カフェ・チョコレート屋・銀行・事務所になっている。因みに、市庁舎の東脇の道を250mほど歩くと、左角にジュリアン君という別名を持つ小便小僧 が立っているが、意外に小さいので少々驚かされる。郊外では、13km南東にあるナポレオンゆかりの古戦場ワーテルローが必見だ。


    
  ブリュッセル:市庁舎    ワーテルローの丘    ブリュッセル:小便小僧前
(妻とのツーショット)                   1975年妻・長男・次男と


 ブリュッセルに次ぎ絶対見逃せないのが、88km西北郊外にある「フランドルの水の都」と呼ばれるブルージュである。カリヨンが鳴り響き観光馬車が行き交う古都は、ハンザ同盟の町として「北のベニス」とも称えられる。この水郷に足を踏み入れると、時の流れを止めてしまったようなタイムスリップを覚える。「橋」を意味するブルージュはその名の通り、縦横に巡らされた運河に50以上の美しい橋が架かる。水都の中心にあるマルクト広場はヨーロッパでも美しい広場として5指に入り、その周りには47個のカリヨンがヨーロッパ随一の音色を響かせる市庁舎、町のシンボルになっている高さ88mの鐘楼を切妻屋根の建物が囲むようにして建つ。
 運河の写真を撮るなら、市庁舎裏の運河付近が一押しだ。町の南外れのベギン会修道院は、1245年フランドル伯夫人によって設立され、15世紀当時の修道服を身にまとったベネディクト派の修道女がひっそりと質素に暮らしている。この修道院のすぐ近くにロマンチックな愛の湖公園が広がり、豊かな緑に包まれた湖に白鳥が戯れる光景はまさに一幅の絵を観るよう。他界した妻と一緒の散策が忘れ難い。


 ブリュッセルの北西55kmほどに位置するゲントは、「青い鳥」の作者メーテルリンクの故郷として知られる。ブルージュのライバルとして張り合っただけに、多少似たところがある。20の島に70もの橋が架かるほど運河も多い古い町だが、東フランドル地方の中心都市として市街地規模は大きく現代的だ。最大の見どころは、16世紀に完成した旧市街にある聖バーフ寺院。数々の有名なフランドル絵画が収蔵されており、特にファン・アイクの祭壇画「神秘の子羊」が有名だ。町のほぼ真ん中を南北に流れるレイエ川の川岸沿いの通りには、中世の栄華を伝える壮麗なギルドハウスなどが建ち並び壮観である。


   
  ブルージュ:運河の畔    ゲント:ギルドハウス   ディナン:ムーズ河畔


 ブリュッセルの南東約82kmに位置するディナンは、北海に注ぐムーズ川沿いの町である。この川が造った絶壁の下に細長く開けた町は、断崖の下から見ても上から見ても美しい絵葉書のように風光明媚だ。ロープウェイで高さ100mの切り立つような断崖を上ると、1050年に築かれた城砦シタデルに着く。17世紀以降波乱に富んだ血なまぐさい歴史がとても信じがたいほど、ディナンの平穏な町並みと悠々と流れるムーズ川の大パノラマが広がる。それは息を呑むほど絶景である。断崖を下りてムーズ川の左岸(西側)を歩くと、対岸に建つノートルダム教会 がひときわ人目を引き、タマネギ型の尖塔が美しい。その背後に堅固なシタデルが堂々とそびえる。

 

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 1830年にオランダから独立したベルギーはフラマンとワロンの両民族が言語対立を繰り返しながら、現在の「ヨーロッパの心臓」とも呼ばれる地位を得た。27カ国が加盟し、総人口が約4億4700万人の欧州連合(EU)は、ブリュッセルに本部を置いている。ベルギーを抜きにしてヨーロッパの魅力は語れない。

 

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