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全米に拡大した暴動の震源地ミネアポリスの想い出
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 また起きてしまったのが、アメリカで社会問題になっている黒人市民に対する白人警官の暴行致死事件である。5月25日アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、白人警官が黒人男性の首を膝で8分間にわたって押さえつけ、後に死亡させた。黒人が警官に押さえられた時に「息ができない」と訴え、殺害されるまでを撮影した動画が拡散した。同国では警官の暴行事件が、以前から問題視されていた。特に白人警官による黒人への暴行事件は人種差別問題もはらみ、事件が起きる度に大きな関心と波紋を呼んできた。

 例えば、2014年7月17日にはニューヨーク州のスタッテン・アイランドで、黒人男性が白人警官から絞め技を使われて逮捕され、死亡する事件が発生した。また、同年8月9日にミズーリ州ファーガソンでは、18歳の黒人青年が白人警官から射殺される事件も起きた。

 5月25日の事件翌日から警官の暴行に憤ったミネアポリス市民が抗議デモを続け、28日にはそのデモが大暴動に発展した。市民は警察署に火をつけ、同署は火の海と化した。この死に至らしめた非道極まりない事

警察の人種差別的な

暴行への抗議デモ

件は、今や全米の30ヵ所以上で警察に対する抗議デモや暴動へと発展し、死傷者も出るほどだ。

 

 今回の「ミネアポリス暴動」ですっかり有名になった街を、筆者は2004年7月に訪れている。その旅と忘れ難いトラブルの模様を紹介しよう。

 

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 ミネアポリスはアメリカ中西部の北、シカゴの北西約670kmに位置し、古くから製粉業が盛んなミネソタ州最大の都市だ。ミシシッピー川を挟んで、人口が約38万人のミネアポリスと、州都で人口約29万人のセントポールは「ツイン・シティズ(双子の都市)」を形成する。無数の湖と豊かな緑に囲まれた双子都市は町の規模などは似ているが、両都市の個性は正反対である。前衛的な建築の町ミネアポリスが開放的に対し、行政の町セントポールは保守的である。双子の両者に共通するのはミシシッピー川沿いにあり、観光の方もミシシッピー河畔に焦点を定めた。

 ミネアポリスのダウンタウンの北にミシシッピー川が滔々と流れ、ヘネピン橋の少し下流にセント・アンソニー滝という人工の滝が流れ落ちている。落差はあまりないが水量が豊富で、滝の幅も138mもあってなり迫力がある。橋を渡るとセントポール側に入り、しばらく東方向に進むとワバシャ橋付近のミシシッピー河畔に出る。河畔からリバークルーズの船着場があり、早速遊覧船に乗った。川岸にそびえ建つ高層ビル群のスカイラインがなかなか調和が取れ優美だ。製粉業が盛んなため製粉工場なども見られ、牧歌的な田園風景が広がり時計が止まったような、ノンビリとしたクルーズを満喫した。

 

         −−−ミネアポリスの市街地を俯瞰−−

 

 

 

 ミシシッピー川に架かる  セントポールのリバークルーズ

  ヘネピン橋付近    船着場(対岸はミネアポリス)  

 

 ミネアポリス側で絶対見逃せない見どころがもう1つある。ミネアポリス彫刻庭園は40以上の彫刻彫像が点在する庭園で、全米でも最大規模を誇る。奇抜な作品が多い中で抜きん出るのが、大きなスプーンにサクランボがのった噴水のオブジェ、スプーンブリッジとチェリー。スプーンは長さ15m、高さ6mもあるジャンボサイズ。訪れた時は暑かったので、サクランボの茎の先から流れる水がとても涼しげに感じた。

 

     −−− ミネアポリスの彫刻公園 −−−

  

 

 ところで、ツイン・シティズの観光も霞んでしまうようなトラブルがあった。ラピッドシティからミネアポリスに向かうフライトの機内で、それまでに蓄積された疲労か或いは厳しい保安検査のストレスか、吐いた上に下痢をした。ホテルに着いて数時間休息したが、体調回復しないため急きょ近くの病院に駆け込んだ。受付に病状を説明し、待っている患者が、ほとんどいないのですぐ検査・治療してもらえるものと思っていた。しかしその後、医者・看護婦・検査技師など5〜6人からまったく同様の質問を受け、検査が始まったのは1時間後。さらに心臓病でもないのに念入りな心電図をとられたり、超スローな対応にイライラしっ放し。

 近代的でスピーディと思っていたアメリカの病院は、意外に官僚的なタテ社会の体質にガッカリ。トラブルの余波は帰国後も続き、現地病院から突然治療費1500ドルほどを払うようにとの請求

 書が届いた。出発前に海外旅行保険に入り、病院には保険手続きを告げて相手も了承したはず。どうも先に病院は保険会社に請求したが、高額過ぎるとして支払いを拒否され、筆者に請求して来たらしい。最終的に保険会社と病院との話合いで決着したらしいが、いずれにせよ僅か数時間病院にいただけで治療費が1500ドルとは驚きである。改めてアメリカは怖い国と想った。

 

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 キング牧師が1963年に行った「私には夢がある」という演説の中で、平等という夢を実現させようと訴えたように、息子マーティン・ルーサー・キング3世も声をあげ続ける。中国の急速な台頭があるとは言え、依然として超大国と自認するアメリカだが、人種差別問題を未だに解決できない「アメリカの闇」垣間見ることができる。強気のトランプ大統領は暴動の収束を図るどころか、来る11月の大統領選挙を見据えて暴動をむしろ煽るような言動も見受けられ遺憾である。

 

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