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トランプ大統領とタリバーンの和平協議に想うアフガニスタンの旅(1)
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 アメリカのトランプ大統領が、同国の外交安全保障政策の司令塔であるボルトン大統領補佐官を解任した。トランプ政権の発足以来気まぐれな大統領の思い付きで、数々の政権幹部の更迭が行われて来た。強固派のボルトン氏退任で、トランプ大統領が来年の大統領再選狙いの実績づくりのため動き出しそうなのが、北朝鮮やイラン、そしてアフガニスタンとの交渉であろう。両者の不仲を決定的にしたのは、アフガニスタンの反政府勢力タリバーンとの和平協議であったとか。

 トランプ大統領は米軍のアフガニスタンからの段階的な撤退を考えたが、ボルトン氏はタリバーンを信用してはダメと反対した由。さらにタリバーン指導者をワシントン郊外のキャンプデービッド山荘に招くことまで反対されたので、同氏の解任を決断したとされる。もっとも和平協議の最終段階で米兵を含む12人が殺害されたタリバーンのテロを受け、「和平協議は死んだ」とツイートしたが本音ではなかろう。

 

 紛争が今も続くアフガニスタンでは、政府軍と支援する駐留米軍の支配下にあるのは全国土の半分に過ぎない。残りは武装勢力の影響下にあり、中でも最大の勢力を持つのがタリバーンだ。現地語で「学生たち」を意味し、1994年にイスラム教指導者のオマール幹部が結成した。当時は旧ソ連軍の侵攻が終わったが軍閥同士の内戦が続き、荒廃状態にあった国土を世直しするのが当初の活動目的であった。1996年には政権を樹立したが、それを支えたのがパキスタンでイスラム学生をタリバーンに送り込んだ。2001年9月のアメリカ同時多発テロでは、主導した国際テロ組織アルカイダをかくまったとして米軍に空爆され、同年12月に政権を追われた。

 だが、彼らはパキスタン北西部に逃れて態勢を立て直し、2005年頃から自爆テロを戦術として再びアフガニスタン国内で勢力を回復した。現在の指導者は3代目のアクンザダ最高幹部

       カンダハル

で、構成員は数万人いる模様。南部のカンダハルを本拠地とし、麻薬や天然資源の密売などを資金源とする。アフガニスタンではほかに、アルカイダやイスラム国の支部などの武装勢力が現存する。トランプ大統領は就任前から「アフガニスタン駐留は金の無駄」と言って来ただけに、最大の武装勢力タリバーンとの和平協議に拘るようだ。そんな危険この上ないアフガニスタンを筆者は2007年4月に訪れている。今回は首都カブールの模様を紹介しよう。

 

 ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…

 

 アフガニスタン入国に際し、幾多の紆余曲折があった。渡航前に最新の現地情報入手のため、首都カブールの日本大使館にコンタクトした。しかし、大使館より危険過ぎるとして再三旅行中止を求められ、押し問答を繰り返した。結局自己責任で同国を訪れるとハッキリ言い切り、最後通告を出すような形で入国した。現地到着後また大使館員より旅行を中止し、即刻日本への帰国を促された。話し合いの結果、日本でも持たない携帯電話を所持して各地を回った。

 確かに現地の治安は悪く、カブール市内でも破壊された建物を多く見かけた。街の中心の大通りでは自爆テロが多く、乗ったタクシーの運転手は猛スピードで走り抜けた。日本大使館はテロに備え周りを高さ約1mの分厚いコンクリート防護壁で何重にもガードし、検問は厳重を極めたので大使館の出入りは時間がかかり容易ではなかった。一方、出国時でも、カブール空港で職員の悪質なたかりと言うトラブルがあった。乗り遅れそうになったが、何とかチェックインが間に合い出国できた。

 

 

 破壊された建物付近で  自爆テロを恐れタクシーは

 遊ぶ子供たちと仲良く   猛スピードで走り抜ける

 

 さて、カブールは一国の首都としては高層ビルが少なく、町の南部や東部の一部で破壊されたままの建物が残る。長かった内戦の傷跡を今も留めるが、全般的には意外に平和な感じだ。丘が多い街の観光の近道は、何はともあれ丘に上ることで、3つの展望ポイントがある。最も見晴らしが良いのが町の南外れにあり、5世紀に造られた旧壁があるシェール・ダルワザ山。山麓や中腹の急斜面に民家がへばり付くようにして建ち、かなり急な山道を登り切ると山頂に出る。そこからは360度のパノラマが広がり、眼下に市街地や蛇行するカブール川などが一望でき絶景だ。

 

 

 シェール・ダルワザ山の  シェール・ダルワザ山麓

山頂よりカブール市内を望む   を散策す筆者

 

 ホテルは町の西外れの丘の上に建つ、アフガニスタン随一と言われるインターコンチネンタルホテルに泊まった。市内の中心から遠く不便だが、部屋から水墨画を見るような景色が朝夕に眺望できる。一方、東外れにあるマランジャン丘も見晴らし抜群で、付近には破壊されたままのナーデル・シャー廟がひっそりと佇む。

 

             −−− マランジャ丘 −−−

 

左端がナーデル・シャー廟 丘よりカブール市街地を俯瞰

 

 破壊されたままの建物が目立つ市南部のダルラマンでは、国立博物館が修復工事中であったが、館内見学ができた。内戦で略奪され展示品は少ないが、パキスタンと国境を接する東部のヌーリスタン地方の出土品が目を引いた。道を挟んで博物館の対面の小高い丘に聳えるように建つダルラマン宮殿は、内戦前は壮麗な建物だったらしいが、修復もされず残骸が虚しく横たわっていた。

 

 

   ダルラマン宮殿      国立博物館内

 

  ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…

 

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