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有志連合の現場、ホルムズ海峡で泳ぐ
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 貿易摩擦や為替操作などで激しく対立するアメリカ vs 中国の覇権争いは、イランが牛耳るホルムズ海峡でのアメリカ vs イランの対立にも大きな影響を与えている。これら2つの対立で共通するのが、アメリカのトランプ大統領の介入・存在である。トランプ政権は去る7月19日にワシントンの国務省、25日は国防総省、31日はバーレーンの米中央海軍司令部で日本を含む60以上の関係国と会合した。目的は中東のホルムズ海峡などで船舶の安全を確保する有志連合の構想に参加を求め、軍事面や財政面で支援を要請するものだ。だが冷静に考えてみれば、実に虫の良い身勝手な構想だと冷ややかに見做す向きもある。

 アメリカの構想によれば、米軍は有志連合の指揮や情報収集などにあたるが戦闘は行わない一方、タンカーなどの護衛は各国が行うとしている。「原油などがホルムズ海峡を通過して利益を享受している全ての国が、自国利益だけなく、自由で開かれた航路を守る必要がある」として参加を呼び掛けているのだ。特に参加を強く要請されたのは、わが日本のほかにドイツ、イギリス、フランス、韓国、オーストラリアなどだ。アメリカにとってはリスクが少なく、経費もかけずイラン包囲網を築こうとする魂胆のようだ。だが、ホルムズ海峡での緊張はアメリカの核合意からの一方的な離脱によるもので、偏にトランプ政権が引き起こしたものだ。

 

 ペルシャ湾(アラブ諸国側ではアラビア湾と呼ぶ)とオマーン湾の間にあり、イランとオマーンの飛び地に挟まれたホルムズ海峡は、最も狭いところでの幅は約33kmし

かない。この狭い海峡を原油など重要物資の輸送路になっており、特に原油輸入の9割近くを中東に依存する我が日本にとっては生命線とも言うべき海峡である。古来より交通上・戦略上・経済上重要であったホルムズ海峡付近を、筆者は2007年4月のイラン周遊の時に立ち寄っている。その時の模様を紹介しよう。

 

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 イランの首都テヘランより南東1334kmにあるバンダル・アッバスへ、飛行機に乗ること2時間で着いた。ホルモズガーン州の州都は人口約70万人の大都市で、ホルムズ海峡に臨むペルシア湾有数の港町である。だが、高温多湿で過ごし難そうな町は、対岸がオマーンであるためかアラブ系や黒人系の顔立ちを多く見かける。街の中心はハフタヘ・シャフリ・ヴァル広場のバザール付近だが昼休みにかかり閑散としていた。

 

 

  ホルムズ海峡に臨む    バザールを散策する筆者

  バンダル・アッバス

 

 しかし、バンダリーと呼ばれる人々が住む市内の西外れにある魚市場は、一見に値し賑わう。ペルシア湾で獲れた新鮮な魚が並ぶ市場内の売手は男性だが、市場外では黒や赤の仮面を付けたバンダリーの女性や、水タバコを悠然とふかす女性が売り手だ。彼女たちは刺繍入りのズボンをはき、チャードルの色も淡い柄物が多い。内陸部の黒いチャードルだけに比べるとカラフルで魅力的だが、写真を撮られるのを嫌がるので要注意だ。

 

 

   魚市場を見学    魚を売るバンダリーの女性

 

 一方、歴史の舞台によく登場するホルムズ海峡の名となったホルムズ島は、ンダル・アッバスの17km南西沖合いに浮かぶ。島に向かうためスピードボートに乗り、約35分で着いた。面積は40k屐⊆囲は24kmの小島だが、約8000人が住んでおり小学校や中学校もある。日本から約1万1000kmも離れ、雨がほとんど降らない不毛の岩石島だが、見どころが意外に多いので些か驚いた。

 

       −−− ホルムズ島 −−−

 

 カラフルな奇岩や奇峰    ホルムズ海峡で泳ぐ

 

 例えば、まるで月面を思わせるような奇岩や奇峰、白・赤・黄色が鮮やかな山肌、朽ち果てたポルトガル城塞、平和な佇まいの漁村風景などは、旅情を誘うものが十分であった。せっかくホルムズ海峡に来たので泳げるビーチがないのかと探し、少々苦労したが人影もない島の美しい浜で泳ぐことが出来た。ちょうどビーチには3人の少年たちが遊泳しており、談笑したり記念写真を撮ったりして仲良しになった。そこには紛争のかけらも無く透明度が高い海と、平和で波静かなホルムズ海峡が広がっていた。

 

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 世界のエネルギー生命線とも言われるホルムズ海峡だが、アメリカ主導によるイランを包囲するための有志連合結成に対して慎重な国が多いようだ。その中にあってトランプ大統領の親友である我が安倍晋三首相は如何なる決断をするのであろうか、極めて難しい対応を余儀なくされよう。

 

(後記)

 アメリカ主導による有志連合が、11月7日に監視活動を開始した。バーレーンで司令部の発足記念式典が開かれたが、参加国はアメリカ、イギリス、オーストラリア、バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、アルバニアの7ヵ国だけ。アメリカは日本を含め60ヵ国以上に参加を呼び掛けたが、日本は参加を見送った。「センティネル」という活動の範囲はホルムズ海峡やペルシャ湾のほか、イエメン沖のバブルマンデブ海峡、オマーン湾だ。フリゲート艦や駆逐艦、巡視艇、航空機が警戒や監視をする。

 

 

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