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世界最大の民主主義国・インドの旅(3)
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 「世界最大の民主主義国」はどこかご存じであろうか?それは表題の通り、なんと約9憶人の有権者がいるインドである。中国に次ぐ約13.6憶人の人口と日本の約9倍もある広大な国土を持つだけに、第17回インド下院総選挙は4月11日から5月19日まで地域ごとに7回に分けて投票が行われた。投票を分けたのは投票所がおよそ100万か所もあり、選挙スタッフや警察官などの要員確保が困難であったためとか。

 開票は一昨日(5月23日)一斉に行われ、現職のモディ首相が率いるインド人民党(BJP)が大勝した。BJPは前回の2014年総選挙の結果を上回り、単独で303議席、連立で348議席を獲得した。BJP単独でも下院議席数543の過半数を上回り、選挙前の下馬評を覆す圧勝となった。一方、かつて政権政党であった国民会議派(INC)も議席数では若干増えたが、単独で52議席、連立でも98議席を獲得するに留まり伸び悩んだ。我が国の安倍政権下の一強多弱に似ている。

 

 今回のインド人民党の大勝の背景には、モディ首相自身の強いリーダーシップとカリスマ性に負うところが大と言われる。同首相がテロへの報復として2019年2月に実施したパキスタン支配地域への空爆などに示された強い指導者像、低所得層に対する大幅減税や医療費

      モディ首相

保障の導入、小規模農家に対する補助金支給など、国民の過半数を占める農民層と低所得層に寄り添った政策が国民に広く受け入れられたようだ。一見混乱も無く終わった総選挙であったが、ヒンドゥー教の身分制度カーストが今も色濃く影を落とし、折角の投票を拒まれた人たちもいたよう。

   本来は有権者として記載されるべきところリストに名前が無い人たちが、驚くなかれおよそ1憶2000万人もいた由。その大部分は不可触民と呼ばれたダリトなどの下位カースト、女性やイスラム教徒だ。また、インドでは子供の出生届が徹底されず、自身の身分を証明できない国民も多い。種々問題を抱えていても、2人の大統領が実存するベネズエラや、大統領選挙の開票結果に抗議するデモと暴動があったインドネシアのような混乱が起こらない。さすがインドであり、故に世界最大の民主主義国と呼ばれるのであろう。

 

 因みに、モディ首相に就いては、2014年8月31日付の幣ブログ『インド首相来日に想うインドの旅(1)』で紹介済みである。また、インドが抱える深刻な大気汚染問題に関し、2016年2月23日付のブログ『PM2.5が世界最悪の国インドの旅(2)』で詳述している。これらブログで、インドの北部・西部・南部の都市や遺跡を紹介したが、今回は1996年3月と2003年4月に訪れた、ヒンドゥー教と仏教の聖地が多いインド北東部について触れてみよう。

 

  ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━

 

 世界の屋根ヒマラヤ山脈の南側、インド亜大陸の北東部を流れる母なる大河・ガンジス川流域の中心都市は、ヴァーラーナーシ(英語名ベナレス)である。人口120万人の都市はヒンドゥー教最大の聖地として有名で、静かに流れる悠久の大河ガンジス沿いにある。聖なる河の岸辺で沐浴すれば罪はすべて清められ、ガート(堤)で焼かれた遺体は灰となり、川に流されれば解脱できるとされる。これを信じてインド各地から多数の巡礼者が訪れる。

 

                    (ヴァーラーナーシ)

 

マニカルニカー・ガート付近  ガンジス川遊覧を少年と

                 共に楽しむ筆者

 

 火葬場にもなっているガートで知られるのは、ダシャーシュマメード・ガートとマニカルニカー・ガートである。夜明け前にホテルを出て、早朝のガンジス川の遊覧を楽しんだ。幻想的な日の出を鑑賞し、辺りが明るくなった後にガートを見やると、大勢の老若男女が沐浴に精を出していた。一方、北10km郊外にあるサルナートは仏教四大聖地の一つで、ブッダ(釈迦)が初めて説法した地である。ダメーク・ストゥーパという高さが43mほどある仏塔が立派だ。6世紀にアショカ王によって建てられた遺跡は一部破壊されているが、ストゥーパの外側には今も美しい模様がハッキリと残る。

 

 仏教の聖地と言えば、ヴァーラーナーシの東方郊外に多い。例えば約200km東方に位置するブッダガヤは、釈迦成道(悟り)の地として有名だ。釈迦が菩提樹の下で瞑想に耽り、仏教では最高の聖地のハイライトは、高さが52mもある美しい大塔がひときわ目立つマハーボディー寺院(大菩提寺)だ。ここから約80km北東にあるラジギールは5つの山々に囲まれた盆地にあり、岩山の一つラトナギリ(多宝山)の頂上には世界平和塔 が白く輝いていた.。ラジギールを出て北20kmのナーランダはイスラム教徒に破壊される12世紀まで仏教学の中心地となり、レンガ積みの巨大な仏塔がある仏教大学址が見ごたえがある。

 

  

ブッダガヤ:マハー  ラジギール:世界平和塔 ナーランダ:仏教大学址

 ボディー 寺院                            

 

 ナーランダからビハール州の州都パトナ経由で向かった北西150kmには、釈迦が娼婦から食を受けた地とされるヴァイシャリある。猿が掘ったとされる沐浴池ラーマ・クンドのそばに柱頭がライオンのアショカ王石柱がそびえ、大きなアーナンダ塚もあり夕陽に輝く景色が印象的だった。ヴァイシャリからさらに230kmほど北西に向かうと、釈迦入滅(涅槃)の地クシナガルに着く。釈迦が待者アーナンダに看取られ入滅した沙羅双樹と、綺麗な涅槃像が横たわるパリニルバナ寺が見どころだ。

 

 

   クシナガル:涅槃像     ヴァイシャリ:沐浴池 

 

 

  ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━

 

 中国に迫る大国でありながら、中国のように人権問題などで国際的な批判を浴びないのは、ヒンドゥー教や仏教の影響に依る穏やかな国民性がベースにあるようだ。

 

                ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 

無料講演を引き受けます。

  筆者は講演・講義を全国各地で行っています。主目的は地域や街の活性化と真の国際化推進、そして三流とも揶揄される日本外交再生などの一助です。そのために世界に関することであれば、旅行、文化芸術、宗教、歴史、政治や外交に関する国際情勢、グルメ、環境、経済や産業などジャンルを問わずワールド・トラベラーとして恥ずかしくない講演をします。しかも272ヵ国・地域を旅した実体験をベースに、他人様の情報をコピペ(切り貼り)しない異色のノンフイクションをありのままにお話します。
 ご希望があれば、ご遠慮無くお申し出下さい。因みに、社会貢献活動のため謝礼は一切不要ですが、ご希望の主旨が筆者の平和的な理念などに反する場合は勝手ながらお断りすることもあります。予めお含み置き下さい。

 

 因みに、主な講演実績(2011年以降)は次の通りです。

2011年1月25日「ケニア」我孫子市立根戸小学校で 我孫子市教育委員会主催
2011年10月2日 「240国・地域を旅して」我孫子市生涯学習センターで 我孫子の文化を守る会主催
2012年4月14日 「PKO派遣の南スーダンと激動アラビアを旅して」 我孫子けやきプラザで 文化を守る会主催
2012年8月5日  「アジアの昔と今」横芝光町立図書館ハイビジョンホールで  横芝光町図書館主催
2012年11月3日 「世界255か国・地域を旅して」中央学院大学の学園祭で 中央学院大学主催
2013年8月10日 「世界の仮面など」けやきプラザで  我孫子南まちづくり協議会主催
2013年9月29日 「グローバル時代を生きる」あびこ市民プラザで  我孫子市国際交流協会主催
2013年11月9日 「世界の紛争地帯を訪れ、平和を語る」あびこ市民プラザで  我孫子の文化を守る会主催
2014年6月19日 「世界の辺境地や紛争地帯を訪れてこそ、本当の世界が分かる」 グラン・レジデンス主催
2014年9月13日 「イスラム世界に住み働き旅して41年」柏市中央公民館で  伸光堂千葉販売主催
2014年12月6日 「世界旅行のススメ」四街道市で 視覚障害者総合支援センターちば主催
2015年2月24日 「イスラムとの腐れ縁」柏市中央公民館で  柏南交友会主催
2018年10月12日 「272ヵ国・地域を旅したワールド・トラベラーが想う真の国際化」東京海事センタービルで  JAPAN NOW 観光情報協会主催 

2019年7月3日  東京都内で講演予定   

                    ― ― ―  講演会風景 ― ― ―
  
プロジェクターを駆使し講演  地球儀を前にして   満席の会場で熱心に聴講
 するワールド・トラベラー スピーチする筆者  する多数の参加者たち 

 

お問い合わせ:世界の人形館 
                     TEL 04−7184−4745
      E−MAIL 
 ko-yasu@maple.ocn.ne.jp

 

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