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外国人受け入れ拡大で期待される国ベトナムの旅(2)
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 一昨日(10日)に閉幕した第197臨時国会では、最大の焦点であった外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法など、政府が提出した法案全てが成立した。特に来年4月から施行される改正入管法の採決強行ぶりは正視に耐えないもので、明らかに審議時間不足の消化不良法案以外の何物でもない。いくら人出不足問題が喫緊とは言え、拙速主義の禍根を残したのではないかとの疑念は消えそうもない。

 この法案成立によって「特定技能」という新たな在留資格は、技能水準によって2段階になる。在留期限は最長5年で家族帯同が認められない特定技能1号と、在留期限は上限が無く免許制で家族帯同が可能な特定技能2号である。政府は5年間で最大34万5000人の受け入れを見込み、建設や介護など14業種を検討の対象とするが、下手をすれば「取らぬ狸の皮算用」にも成りかねない。

 と言うのは、我が政府が期待したほどの人材が集まらないリスクもあるのだ。人出不足は日本だけのものではなく、他のアジアの経済成長が著しい新興国などでも深刻で、人材の奪い合いが熾烈なようだ。外国人に求められる技能の中でも、彼らにとってハードルが高いのは日本語習得であろう。日本以外ではあまり使えない日本語ゆえに、むしろ日本を敬遠して他国で働きたいとの希望者が多いと聞く。

 

 さて、外国人材で特に期待されているのは、働き者のベトナム人であろう。外食で出かけて入ったレストランの多くでは、ベトナム人が甲斐甲斐しく働く。計画経済から市場経済への転換後は経済発展が目覚ましいベトナムは1994年9月、1996年10月、2002年12月の3度も訪れており、既に2017年3月2日の幣ブログ『天皇、皇后両陛下ご訪問のベトナムの旅(1)−古都ハノイとフエ』で紹介済みだ。今回はホーチミン以南の南部につき、触れてみたい。

 

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 サイゴン川沿いに広がるベトナム最大の経済都市ホーチミンは、フランス植民地時代のシックなコロニアル様式の建物が点在する情緒ある街並みを形成する。一方では、解放後の急速な発展による開発ラッシュで、どこも人、人、人、バイク、バイクで溢れエネルギーが充満する。観光のスタートはホーチミン市人民委員会庁舎 の公園広場がおススメだ。通称ホーチミン市庁舎は1908年に当時のサイゴン市庁舎として建てられ、優雅なフレンチコロニアル様式の建物は観光客に人気がある。建物正面前の公園広場には建国の父ホー・チ・ミン像が設置され、腰かけた「ホーおじさん」と寄りそう少女の像が立つ。

 

 

    ホーチミン市人民委員会庁舎         庁舎前の公園広場

 

 この公園からサイゴン川に向かって東に延びるメインストリートがグエンフエ通りで、この通りの北側を平行するのがドンコイ通り。土産物店やレストランなどが多く、散策にも良い。市庁舎から約700m西に行くと統一会堂(旧大統領官邸)がある。1966年築のかなり豪華な建物は、南ベトナム政権時代に独立宮殿と呼ばれた旧大統領官邸だ。1975年4月30日に解放軍の戦車が官邸に無血入城し、ベトナム戦争は終わった。大統領作戦室で記念撮影した。ここから北西500mほどにあるのが、1880年に建てられたネオゴシック様式が見事なサイゴン大教会だ。尖塔の高さ58が、実際よりもひときわ高く見える。この大教会の対面にあるのがサイゴン中央郵便局で、パリのオルセー美術館はモデルにしたと言われ、内部の半円形の天井が素晴らしくクラシックな雰囲気を醸し出す。

 

   

        旧大統領官邸      サイゴン大教会前の筆者  

 

 市の中心部から西へ約5m行くと、在ホーチミンの華僑の大半が住むチョロンというチャイナタウンがある。見どころは1914年に完成したチョロン最大の中央市場、ベンタイン市場だ。生鮮食品、繊維、雑貨など品揃えが豊富で、ベトナムにいながら中国のムードが漂う。街にはいくつかの仏教寺院があるが、南部ベトナム一の規模を誇るのがヴィンギエム寺(永源寺)で日本とも縁が深い。日本留学の僧が開いた寺は1971年と新しいが、、石段を上がった右手にある「平和の鐘」と称される鐘楼は日本の曽洞宗の寺から寄贈されたもの。ベトナム伝統の一つとして知られる水上人形劇はロンヴァン水上人形劇 を鑑賞した。会場は統一会堂の西側にあり、初めて観るショーに魅入られた。

 

 

  ベンタイン市場を散策         水上人形劇

 

 市庁舎前の公園からメインストリートのレロイ通りに出て約200m北上すると、繁華街ドンコイ通りと交差する近くにサイゴン・オペラハウスとも呼ばれるホーチミン市民劇場がある。1900年にオープンした建物はやはり フレンチ・コロニアル様式で、パリのプティ・パレ美術館に似たファサード(建築物の正面部分)がひときわ目立つ。市民劇場からサイゴン川に向かう途中で、色彩溢れるユニークな建物が目に入った。黄色の壁に囲まれたヒンドゥー教寺院のスリ・タンディ・ユッタ・バニで、中に入ると青やピンクの世界が広がる。回廊の柱には神様を描いた絵があり、壁や床に貼られたアンティーク調のタイルが美しい。サイゴン川に出るとそこは港になっており、約2時間のクルーズを楽しんだ。ハイカラな船上ホテルがある一方、今も水上集落に暮らす貧しい人たちの姿も見かけた。

 

 ホーチミンから車で国道1号線を南西に向かう事およそ2時間、メコン川クルーズの拠点となるメコンデルタ河口の町ミトーに着いた。竜眼やマンゴーなど果物の産地、或いは米粉で作られるフーティウ麺の本場として知られる。町の東側にあるミトー市場に少し寄った後、船乗り場から小さなモーター付きの木造船に乗り込みメコンクルーズに出かけた。全長4000km、遥かチベットを源流に持つメコン川が長い旅路の末に辿り着くのがベトナム南部である。この地域を流れる頃には川幅はなんと3kmほどにも及び、多くの支流を縦横に延ばす大河となる。日本ではちょっと体験できない大河の魅力を楽しめるのがメコン川クルーズだ。

 

 

   ミトー付近のメコン川   ジャングルクルーズを楽しむ

 

 両岸のジャングルを眺め、のんびりと川風に吹かれ茶色く濁ったメコン川の雄大な流れの中を行く。その間甘いココナッツのジュースを飲みながら、寛ぐのがなんとも心地良かった。メコン川の周囲ではココナッツの栽培も盛んで、そのヤシやマングローブの林を小さな手漕ぎボートでくぐって行くのが熱帯ジャングルクルーズ。覆いかぶさるようなヤシの葉の中をくぐって行く一方、観光客を載せた小舟が次々とやって来るので、衝突しないように避けながら進んで行く少々リスキー体験が楽しめる。その後は中州にあるタイソン島に上陸し、果樹園を散策した。島のレストランでは、パイナップル・バナナ・竜眼・ランブータン・ドラゴンフルーツなど色々なトロピカル・フルーツ付きのランチを堪能した。 

 

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 現行の技能実習制度では、実習生を送り出す国での悪質なブローカーの暗躍が問題になっている。この点では先輩格の韓国を見習うべきであろう。政府間で情報を共有し、悪質ブローカーが関与した労働者は入国させないシステムが確立しているからだ。

 

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