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南北会談で想起した23年前の板門店と拉致問題で無力な日本外交
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 昨日(4月27日)は朝からほぼ終日、ずっとテレビに釘付けになっていた。また、軍事境界線で両首脳が初めて握手した板門店(パンムンジョム)の中心にある、あの特徴的な青い外壁のプレハブの建物が懐かしくてならなかった。噛みつくだけで滅多に褒めないトランプ大統領が、珍しく韓国と北朝鮮による南北首脳会談を「歴史的だ」と高く評価する。

 6月上旬までに開催予定のトランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の米朝会談に先立ち、昨日韓国の文在寅大統領と金委員長は板門店の韓国側にある「平和の家」で11年ぶりの南北首脳会談を行った。会談を終えた両首脳は、朝鮮半島の完全な非核化実現や今年中に終戦宣言し平和体制を構築するなどを目標とした「板門店宣言」に署名した。

 

 

      平和の家        文在寅大統領と金正恩委員長

                   (ネットより転用・加工済み)

 

 一見極めて平和的で歴史的な会談のようだが、肝心の非核化につき具体策はなんら示されなかった。アメリカが直ちに完全な非核化を求めているのに対し、北朝鮮は段階的な非核化と共に既存の核を保有したいのが本心であろう。いずれにせよ、非核化に関する米朝間の同床異夢の決着は来る米朝会談に委ねられた形である。予測不可能なトランプ氏だけに、どんなハプニングがあっても驚いてはなるまい。例えば、米朝会談の開催場所がひょっとすれば、同じ場所、つまり板門店になるかも・・・。

 他方、安倍晋三首相が過日わざわざアメリカへ出向きゴルフまで付き合ってトランプ大統領にお願いし、また南北会談前に電話で文大統領に要請した拉致問題は突っ込んだ話合いは無かったようである。拉致被害者の家族たちはきっと落胆したであろう。やはり2〜3流と揶揄される日本外交の無力を露呈した感じで、当事者意識が希薄な誠に情けないお話である。

 

 さて、筆者は今からちょうど23年前の1995年5月1日に北朝鮮側の板門店を訪れており、概要は2018年1月10日付け幣ブログ『平昌五輪に参加する北朝鮮の思惑』や2016年9月10日付けブログ一理がある(?)核実験とミサイル発射を止めない北朝鮮の旅』で紹介済みだ。今回は歴史的な会談が行われた板門店の北朝鮮側を詳述しよう。

 

   ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆

 

 朝鮮戦争(1950年6月25日〜1953年7月27日)後に北朝鮮と韓国の間には国境線はなく、あるのは1953年の休戦協定当時の戦線に基づく軍事境界線である。北緯38度線を挟み緩衝地帯である非武装地帯DMZは、境界線の南北2km、東西248kmに広がる。その総面積は905k屬發△蝓△修譴蝋畧邯の半分に相当する広さだ。さらに境界線の南5〜20kmには民間人の居住や出入りを制限する民間人統制線がある。

 平壌から車で約4時間、車窓からの風景をぼんやりと眺めながら板門店に向かった。田園地帯を通過し、山が近づいたり遠のいたりする。沿道では子供たちが牛にまたがって遊んでいたり、柴の束を背中に背負って山を下りてくる子供もいる。清らかな小川が畑の間を流れ、一昔前の日本の田舎を思い出させた。その鄙びた風景の中を、どこまでも一直線に道路が走っており、休憩所が1ヵ所あった以外は何もなかった。

 

   軍事境界線に近付くにつれ緊張感が走ったが、板門店に入る手前で「朝鮮は一つ」の看板(右写真)を見かけてホッとした。やがて入口ゲートに到着した。建物内には売店のほかに、停戦ラインの歴史などを説明するパネルがあった。板門店は休戦協定締結後に国連軍と北朝鮮軍の共同警備区域JASとして決められ

、四方が800mもない狭い空間で、北朝鮮・韓国双方の行政管轄権の外にある特殊な地域である。その後いよいよ板門店の敷地内に入った。

 

   

      板門閣(韓国側より)        板門店と韓国側を俯瞰

                       (板門閣より)

 

 先ず板門閣で国連軍所属の旧会議場に通されて説明を受けた後、板門閣の展望台に上り南の韓国側を一望した。展望台からは起伏の大きな丘陵地帯が一望でき、平和な風景が広がっていた。次に歴史的なスポットである停戦協定調印場に向かい、場内のテーブルの上には北朝鮮と国連の旗が立てられていた。また近くの停戦会議場に寄った後、いよいよ板門店の中心にある青い外壁のプレハブの建物に入り、軍事停戦委員会本会議場に案内された。会議場の中心にはテーブルがあり、そこに置かれたマイクのケーブルも軍事境界線を示すように配線されていた。

 

  

軍事停戦委員会本会議場を背にする   停戦委員会本会議場内部

筆者(南北首脳はこの後ろで初握手)

 

  

  停戦協定調印場で北朝鮮兵士と     停戦会議場前での筆者

 

 会議場内では北朝鮮・韓国双方から訪れた見学者が境界線を越えることが認められ、意外なほど平和なムードが漂い緊張感は全く感じなかった。因みに、国連軍は、主力の韓国やアメリカのほかに、イギリス、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、ギリシャ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、コロンビア、トルコ、タイ、フィリピン、エチオピア、南アフリカの17か国から成る。

 

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 北朝鮮の非核化が実現すれば、この交渉に携わるトランプ大統領、文在寅大統領と金正恩金委員長辺りが今年のノーベル賞になるのではとの噂も出ているらしい。吉と出るか凶と出るか未だ分からないのに、誠に気の早い話である。因みに、ノーベル平和賞を受賞したにも拘わらず、なんら解決されていないのがイスラエルvsパレスチナ問題である。実力(実績)が伴わない人気(話題)先行のノーベル賞は、果たして如何なものか?

 一方、蚊帳の外に置かれた感じの我が日本にとり、懸案の拉致問題はアメリカや韓国などの他国頼みに依存するような能天気では根本的な解決にならない。金太郎飴の如く制裁や圧力の継続を遠吠えするのではなく、北朝鮮が真に欲しがる経済援助などにつきズバリ実利的な突っ込んだ交渉が望まれよう。トランプ大統領が持つようなビジネスセンスが、無力な日本外交に必要であろう。拉致被害者の家族の高齢化を考えると、一刻の猶予も許されまい。

 

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