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米国史上最悪の銃乱射事件があったラスベガスの旅
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 1週間前の10月1日、アメリカのネバダ州ラスベガスで男が無差別に銃を乱射し、58人が死亡する大量殺人事件があった。男はマンダレイ・ベイ・ホテルの32階から、目抜き通りのラスベガス・ブルーバード(ザ・ストリップ)沿いで開かれていた野外コンサート会場に向け銃を乱射した。負傷者も489人に達し、昨年のフロリダ銃乱射の犠牲者数を超える史上最悪の被害となった。一方、犯人はホテルの部屋で警察官の突入前に自殺したとみられる。

 事件後警察が捜査したところ、宿泊していたホテルの部屋内は勿論、ラスベガス北東約130kmのメスキートにある容疑者の自宅でも多数の銃や数千発の銃弾が見付かった。男はスティーブン・パドック(64歳)と言い、不動産投資に成功した資産家でカジノに取りつかれた男であったようだ。

 

 凶悪な事件を受けてトランプ大統領は「まぎれもない悪の所業」と非難し、国民に結束を呼び掛けた。しかし、「銃規制は時が来たら議論する」とも語り、銃器の取締まりに対し慎重というよりも歯切れが悪い。歴代の大統領の時代でも、銃による重大犯罪が発生すると規制強化を求める声が上がるが、結局は立ち消えになる。市民が銃を取って英国の専制支配と戦い独立を勝ち取った歴史などがあり、独特の「銃文化」が根付いているのであろう。

 アメリカの銃規制は、世界全体にとっても軽視できない深刻な問題と言えよう。しかし、合衆国憲法には「市民の武装する権利」が明記され、また銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)のような影響力のある政治団体まである。アメリカの銃規制の緩さが国内で外国人を含む多数の民間人が殺傷される事件の背景となっているばかりではなく、銃の国際的な流通を促してテロや各国での内戦・紛争にも関わってくるから厄介だ。

 

  

 マンダレイ・ベイ・ホテル        銃乱射の犯人   銃乱射から逃れる聴衆

                 (ネットより転用・加工済み) 

 

 国際的なカジノ都市に加え、今回の凶悪な銃乱射事件でまた有名になったラスベガスを、筆者は1986年9月、1998年9月、2000年8月の3度訪れている。カジノ抜きでは語れない不夜城の都だが、ギャンブラーだけでなく家族連れも多く訪れるエンターテインメント・シティに変貌している。実際に1998年の旅では、妻や孫たちを引率した家族旅行を楽しんだ。その時に元気であった妻は今や終末期を迎え、また当時4歳であった孫は大学生に成長し、その旅のことを想うと懐かしくもあり切なくもなる。

 さて、ラスベガスはネバダ州南部にあり、人口約60万人は同州最大の都市である。市内でカジノを含めて様々な見どころがあるほかに、グランド・キャニオン、モニュメントバレー、ザイオン国立公園、パウエル湖など、世界的に有名な観光地へ出かける拠点にもなっている。街の概要は2016年12月15日付けブログ『 ギャンブル超大国になるカジノ法案成立 』で少し触れているが、今回はより詳しく紹介しよう。

 

 到着したラスベガス(マッカラン)空港内にもスロットマシンが置かれている光景は、やはりカジノの街らしい。乾いた砂漠に忽然と現れるオアシス都市は、この地にしかない人工的で不可思議な雰囲気を持つ。また、ラスベガスの歴史はそれほど古くない。1931年ネバダ州はギャンブルを合法化したが、今日のような賑わいを見せ始めたのは1950年代以降である。

 

              −−− ラスベガス市内を俯瞰 −−−

   

スロットマシンがある空港    日中         夕刻  

  で妻・次男の嫁・孫と

 

 当初はマフィアが関与するカジノホテルが多かったと言われるが、その後カジノライセンス法の改正や会計監査基準が一層厳しくなり、1980年代にはマフィアが完全撤退した。代わりに大手上場企業が参入し、多様な一大娯楽都市へと変貌して今日のようになった。

 

 豪華なテーマホテル&カジノが建ち並ぶメインストリートのザ・ストリップでは、夜は超一流のエンターテイナー達によるショーが堪能でき、夜が更けるのも忘れるほどだ。特にイタリアのベニスを模したゴージャスなベネチアンでは、内部に造られた運河をゴンドラに乗って遊覧や買い物ができる。フットボールのグランドが4面ほど入る超巨大ホテルMGMグランドは、ショップやレストランに加えテーマパークまであり、まるでホテル内が一つの町のよう。

 ほかに異彩を放つのが、半世紀ほど前のマンハッタンの摩天楼を再現したニューヨーク・ニューヨーク、36階建てピラミッドの頂上から放つ光線が宇宙からも見えるルクソール、噴水ショーで知られるベラージオ、火山のアトラクションが売り物のミラージュ・ホテル、F1ラスベガスグランプリが開催されるシーザーズ・パレスなど目白押しだ。

 

 

   ザ・ストリップの夕景    ルクソール前  ニューヨーク・ニューヨーク前

 

 見どころが多い郊外は、ラスベガスの東約430kmにあるグランド・キャニオンが一押し。アリゾナ州北部に広がる全長460kmの雄大なスケールの大峡谷で、平均標高は約2000mもある。コロラド高原がコロラド川の急流による侵食作用で削られ、数億年の歳月が創り上げた大峡谷は、遠く宇宙からも見える地上唯一の自然が刻み込んだ造形だ。まさに大自然の驚異であり、壮大なスケールと美しさは圧巻という他ない。時間毎に表情を変えて光と影が織り成す絶景は、特に太陽が低い朝夕が素晴らしい。

 広大な峡谷にはいくつかの絶対見逃せないスポットがあるが、とりわけサウスリムのヤバパイ・ポイント、ウェストリムのホピ・ポイントやハーミッツ・レストの景観が素晴らしい。大峡谷の縁に立ち足元の景色を目の当たりにすると、ただ立ちすくんで己の小ささに唖然としてしまう。1000m以上の深い谷底を見下ろすため小型セスナ機で遊覧飛行したが、大揺れして墜落するのではないかと肝を冷やした。一方、2000年の旅ではヘリで谷底まで下り、荒涼とした地上とは違い水と緑が豊かな別世界の楽園が広がり驚いた。

 

  

     グランド・キャニオンのサウスリム付近      谷底でラバに乗り

                            移動する筆者(右)

 

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    高さん ご無沙汰しておりました。
    奥さまのご様子案じております。
    ラスベガスは1999年に行きましたが、昼と夜の余りの違いに驚きました。ショーは楽しかったですね。
    高さんのような良く調べたような観光ではありませんでしたが思い出の旅になっています。
    | 相子 | 2017/10/17 9:42 PM |
    相子さん
    いつも妻をお気遣い頂き、多謝します。
    彼女や孫たちを連れて訪れたギャンブルの街は、
    意外に健康的でした。
    相子さんもラスベガスを訪れていたとは、些か驚きでした。
    さすがですね!
    | 高 | 2017/10/17 10:47 PM |
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