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天皇、皇后両陛下ご訪問のベトナムの旅(1)−古都ハノイとフエ
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 世界で南米のチリに次ぎ、南北に細長い国はどこであろうか?それは東南アジアのベトナムであり、天皇、皇后両陛下が一昨日(2月28日)から3月5日までそのベトナムを初めて訪問中である。第二次世界大戦中は旧日本軍が同国を支配した歴史があり、その後の東西冷戦下では国交の無い時代もあったが、今は重要な友好国だ。両陛下はこの後タイに立ち寄り、昨年10月に死去したプミポン前国王の弔問をされる。

 今回の外国訪問は、天皇陛下の即位後20回目である。これで訪問先はアジアや欧米など36ヵ国になる。天皇、皇后両陛下の外国訪問は、政治的な交渉などを行う外交とは一線を画した純粋な国際親善活動と位置づけられ、各国の国民などとの交流を通じて友好関係を築く姿勢を一貫して来られた。最近話題の退位云々の件はさて置き、ご立派と言うほかない。

 

 S字状の天秤棒のような形をしたベトナムの国土面積は日本とほぼ同じだが、南北が実に2,300kmもある。東西は平均で300kmほどしかなく、最も狭い東西幅はわずか50kmに過ぎない。我々日本人にとっては、得意のゲリラ戦を武器にして超大国アメリカを苦しめたベトナム戦争や、豊かな稲作地帯が広がるお米の国というイメ

ハノイの国家主席府の歓迎式典

(ネットより転用・加工)

ージ以外は馴染みが薄いようである。

 

 因みに、1976年に南北ベトナムが統一後、同国は共産党を軸にした社会主義の政治体制を構築し、官僚主義的な分配経済を進めてきた。だが、10年間の社会主義体制下で新しい国づくりが進まず、1986年の第6回ベトナム共産党大会で ー匆饉腟創線の見直し ∋唆叛策の見直し 市場経済導入 す餾欟力への参加を進めるという4つのスローガンが決定され、「ドイモイ(刷新)」という言葉が作られた。

 ドイモイの特徴は、従来型の社会主義(マルクス・レーニン主義)を捨て、新しい国づくりの変化の模索を開始したことである。また、ドイモイ政策の目玉とも言えるのが計画経済から市場経済への転換だ。これによって国営や公営以外の私企業の存在を認めるだけでなく、私有財産についても一部認めることになった。これにより国民のやる気を大いに喚起し、ベトナム経済活性化の最大の原動力となっている。

 

 私ことワールド・トラベラーはベトナムの経済発展が目覚ましくなった1994年9月から2002年12月まで3度も訪れており、南北に細長いベトナム全土をほぼ周遊済みである。今回は両陛下が滞在する首都ハノイと古都フエを紹介する。南部にある同国最大の都市ホーチミンや、多様なベトナムを如実に物語るその他の地方、例えば古都ホイアン、天下の絶景ハロン湾などについては後日としたい。

 

  ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆

 

 ダイナミックなベトナム南部の大都市ホーチミンと対照的に、1760kmも北に位置するハノイは落ち着きのある古都で人口は約450万人。11〜13世紀の李朝の都になった街には、由緒ある寺も多い。ベトナム有数の川・ホン川(紅河)の右岸にあり、この川の近くにあるのがホアンキエム湖 で街のほぼ中心にある。度々ホン川の氾濫でできた湖は、かつて川とも繋がっていた。

 湖の北岸近くにある島では、18世紀に建てられた玉山祠が建っている。岸から赤く塗装された木製の太鼓橋・フク橋を渡ると、島に着く。そこでは文学の神スオン王や、13世紀モンゴルの侵略を撃退し活躍したチャンフンダオなどが祭られている。また、湖の中央に浮かぶ小島には亀の塔が建つ。湖の北側は古い家並みが続く旧市街になっており、一帯はハノイ36通りと呼ばれて様々な店が並ぶ。

  

     ホアンキエム湖       玉山祠       文廟前に立つ筆者

 

 ホアンキエム湖から西へ約2km行くと、1070年建立の文廟(孔子廟)がある。1076年には国内初の大学・国子監が敷地内に置かれ、王族と貴族の子弟や官僚が学んだ。学問にご利益のある場所として、観光客だけでなく多くのベトナム人が訪れる。必見はハノイの象徴の一つになっており、19世紀の阮(グエン)朝時代に出来た奎文閣の池の両側に、82の石碑がずらりと並ぶ。昔の官僚登用試験、科挙の合格者の名前と出身地が刻まれた石碑が、石造りの亀の上に乗っている。

 文廟から1kmほど北上すると、一柱寺がある。李王朝時代の11世紀に建てられた小さな寺は一本柱で支えられ、池に浮かぶ蓮の花のようと形容される。そのユニークな外観からフランス統治時代の建物と並び、ハノイを代表する歴史建造物として有名だ。李朝の王が世継ぎに恵まれていなかった頃、蓮の上で子供を抱いた観音菩薩の夢を見て待望の子供を授かったとされ、王が謝恩にと建てた由。子宝に恵まれるご利益を祈願する人々で賑わう。

 

  

   文廟の奎文閣       一柱寺    ホー・チ・ミン博物館 

 

 一柱寺の南側には、1990年に建てられたホー・チ・ミン博物館がある。ベトナム人指導者の故ホー・チ・ミン主席および外国の支配に抵抗するベトナムの革命闘争に捧げられた博物館で、主席の遺品や革命の歴史などを展示している。一方、北側には1975年に建てられたホー・チ・ミン廟がある。総大理石造りの堂々たる建物がひときわ目立ち、廟内には主席の遺体が安置されている。

 ほかに、ベトナム名物として有名なタンロン水上人形劇場が、ホアンキエム湖の玉山祠の近くにある。会場はホーチミンのような屋外ではなく屋内で、水をはったステージが設置され華やかなショーを堪能した。またグルメでは、ハノイが本場と言われるベトナム風うどんの米麺、フォーに舌鼓を打った。特に鶏がらスープに鶏肉が入ったフォーガーが格別に美味く、ハノイ滞在中は毎日食べたほどだ。

 

  

  ホー・チ・ミン廟     水上人形劇       フォーガー

 

 次にフエだが、ハノイの南およそ700kmにあり、ベトナム最後王朝、グエン朝(1802年〜1945年)の都であった。町はフォン川を挟んで北側の旧市街と南側の新市街に分かれるが、見どころは旧市街が多い。新市街から橋を渡って旧市街に入ると、先ず目に入るのが高さ約30mのフラッグタワーである。この後ろに阮(グエン)朝王宮があり、一辺が2.2kmの方形で、高さ6.6m、幅21mもある堅固な城壁に囲まれ、その外には濠が掘られている。

 先ず、入口になっている王宮門から入ると、右側にザーロン帝時代の1804年に造られた大砲がある。入門後すぐに門の上に上がり見渡すと王宮全体の概要が良く分かる。特に目立つのが正面にある大きな赤い屋根の大和殿で、中国の紫禁城を模しているが規模はずっと小さい。大和殿の左には、阮朝の菩提寺である顕臨閣がある。王宮の見学を終えてフォン川に架かるチャンティエン橋に向かうと、そばに賑わいを見せるドンバ市場がある。

 

       −− フエを散策するワールド・トラベラー −−

  

     阮朝王宮の王宮門     王宮門前       ウォック・ホック高校

 

 橋を渡って新市街に戻り訪れたのがホー・チ・ミンも通ったクオック・ホックという高校。男女の高校生たちに出会ったが、女性の制服はきれいなアオザイであった。古都の情緒を盛り上げるフォン川遊覧は、川の流れがゆったりとしているためか時が止まったかのような錯覚に陥った。この遊覧で見かけたのがティエンムー寺で、高さ21mほどの7層八角形の塔が川面に映す姿が美しい。ほかに、約4km南郊外には別荘風のトゥドゥック廟、12km南郊外には中国風のミンマン帝廟がある。

 古都フエで最も忘れ難いのは、フォンザンホテルのレストランで煌びやかな宮廷衣装を着て宮廷音楽を聴きながら、名物の宮廷料理を賞味したことだ。阮朝時代にタイムスリップしたかのような気分になった。阮朝時代の皇帝や皇族が食べていた料理は「宮廷料理」と呼ばれ、現在では高級料理の一つとしてベトナム人や外国人観光客から親しまれている。日本料理と似た点があり、見た目の飾りつけがポイントとされる。

 

  

フォン川とティエンムー寺  宮廷衣装を着る筆者  飾付が美しい宮廷料理 

 

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 天皇、皇后両陛下がご高齢だけに、旅の安寧を祈念するのみである。

 

 

                ◇◇◇ お知らせ ◇◇◇

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