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一理がある(?)核実験とミサイル発射を止めない北朝鮮の旅
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 今年になって北朝鮮が弾道ミサイル発射と核実験を加速しており、8月24日の潜水艦ミサイル発射に引き続き昨日(9月10日)は5回目の核実験をした。実験と言うよりも軍事演習そのものである。その度に我が国も含めた国際社会やメディアなどがこぞって非難し、何が何でも制裁を加えようとする。だが、その制裁は中国の真の協力が得られないため抜け道が多く、期待するほどの効果を上げていない。実は、筆者は7年前に実際に現地を訪れ、その現場をこの目で確かめている。このイタチごっこはいつまで続くのであろうか?

 結論を先に言おう!断じて容認できない暴挙として北朝鮮を横並びで非難するが、むしろ国際社会などのほうに公平と良識を望みたい。その国際社会も実は一枚岩ではない。シリア、エジプト、イランなどは経済や軍事面で北朝鮮と強力な繋がりがあり、非難や制裁には消極的のようだ。また、今回の核実験は日本に向けたものではなく、アメリカに対して北朝鮮としての国威を示そうとしたことは明々白々である。安易に同盟国のアメリカに追随するのではなく、我が国独自の冷静な分析と対応が求められよう。

 

 忌々しき北朝鮮問題については、2016年1月11日付の幣ブログ「北朝鮮の挑戦と水爆(?)実験」で私見を詳述している。アメリカやロシアなどの国連安保理の常任理事国が核抑止力を盾に核削減を進めない限り、また、最近ではアメリカと韓国がサード(THAAD)という高度迎撃ミサイルシステムを韓国で配備をしようとする限り、北朝鮮は対抗策として核弾頭実験を繰り返しアメリカなどを挑発し続けるであろう。盟友の中国もアメリカと韓国によるこの軍事計画には強く反発しているようだ。

 

 我が首相などは事あるごとに”断じて許容できない”を繰り返すが、これでは根本的な解決にはなるまい。制裁をちらつかせるなどの脅かし(北朝鮮から見れば)をする前に、客観的或いは公平に見て北朝鮮問題の根源はどこにあるかを謙虚に考察する国際社会が実現することを望みたい。また、斯様な実践的なアプローチを主導できる視野が広くスケールの大きいグローバルな政治家や思想家の出現を期待したいが、外交では各国が国益第一と旨とするだけに現実は厳しいようだ。もし唯一の核被爆国として我が日本から斯かる人材を輩出できれば、 一流の経済力に比べ外交は劣ると言われるイメージを払拭できよう。

 北朝鮮の核技術は今後とも向上し、時間が経てば経つほど状況悪化は目に見えている。また、彼らが金正恩体制維持に懸命な現実を直視し、各国は核の抑止力に依存する現行の安全保障政策を変えることが求められる。具体的には核兵器禁止条約の締結であるが、アメリカなどの核保有国や日本など核の傘に頼る国々は北朝鮮の核実験の脅威などを理由に条約に前向きでない動きが見られる。タマゴかニワトリかの論争になるが、北朝鮮の姿勢を変える唯一の方法は核兵器禁止条約を作る以外に無かろうと思料する。

 

 そんなならず者国家と見做されている北朝鮮を1995年4月〜5月に訪れたことがあり、懐かしき旅の模様は2012年1月2日付け幣ブログ「北朝鮮−「社会主義の化石」国家への旅」で紹介済みだ。一部重複するが、垣間見た北朝鮮の素顔を再び披露したい。

 

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 筆者の北朝鮮への旅はわずか5日間であったが、現地を訪れなければ分からない異次元の不思議なものばかりであった。世界272の国と地域を旅した筆者にとり、驚きと胸をときめかした大感動の旅は実のところ南極と北朝鮮しかない。しかし、日本と北朝鮮との間には国交が無く、同国に行きたくてもビザが取れない。

 ところが、1995年ある大手旅行会社が北朝鮮ツアーを募集し、国交のない北朝鮮政府特別のはからいでビザなしでも入国できると聞き、すぐにツアー参加を申し込んで訪れた。お金(外貨)がどうしても欲しい場合は、「No VisaでもOKだからいらっしゃい!」と言うのが北朝鮮の商法らしく、一見強面だがなかなかの商売人である。

 

 4月30日、新潟から高麗航空のチャーター便で首都平壌へ飛んだが、2時間半の飛行時間は短くてあっと言う間に着いた。順安空港と言うのが正式名の空港は驚くほど小さく、1本の滑走路と金日成の肖像画が掲げられたこじんまりとしたターミナルビルがあるだけ。これが国を代表する空の玄関かと疑いたくなるほどで、まるで地方空港のような佇まい。ちょうど訪問時に平壌で「平和のための国際スポーツ及び文化祭典」が開催、アントニオ猪木が米国のプロレスラーと試合をして祭典を盛り上げた。

 見どころ満載のツアーであった。世界では平壌でしか観られない感動的な大マスゲーム、地下宮殿を彷彿させる豪華な地下鉄駅、本場パリのものより立派そうな凱旋門、広大な金日成広場で繰り広げられた壮観な夜の祝賀パーティー、1994年に死去した故金日成主席の銅像前で嗚咽する人たち、主席の生家・万景台、休戦ライン上の板門店、高麗王朝の都の名残を留める古都・開城、風光明媚な仏教聖地・妙香山などが今も脳裏に強く焼き付く。食事も格別に豪華ではないが、冷麺と白いご飯が美味しく満喫した。

 

               −−− 平壌でのスナップ −−−

       

    金日成の銅像が立つ    金日成の生家・万景台   宮殿のような地下鉄駅 

    万寿台を訪れた筆者 

 

  

平壌:大マスゲームを観覧 開城:開城民族旅館付近  板門店:停戦委員会本会議場

 

 至れり尽くせりの旅の途中で、試しに数人の現地ガイドに国に対して不満はないかとズバリ訊いた。すると全員が満足しておりハッピーとの優等生的で金太郎飴のような答え返ってきた。マスゲームの見事な統一振りを見ても国民に対する洗脳教育は徹底しているようで、やはり特異な国であることを再認識させられた。

 また、平壌の街並みは高層ビルやマンションが目立ち、大通りが多い大都市だが、不釣合いなほど車はほとんど見かけない。一見立派そうな高層ビルも、電力不足でエレベーターが稼動していないなど問題点も垣間見た。帰国して翌年に北朝鮮の食糧飢餓、数年後には日本人拉致を聞き、信じ難いほど驚いたものだ。

 

 この北朝鮮訪問でちょっと忘れがたいことがあった。朝鮮半島が一つの色に塗りつぶされ南北統一の思いが込められた地図を数度見かけたが、同様の地図は3.11大震災復興イベントに招かれた千葉の朝鮮初中級学校の教室でもあった。どうも半島統一の祈願は韓国よりも北朝鮮のほうが強いようで、拉致問題と何らかの関係があるように思えるのだが・・・。

 北朝鮮の旅は上述の通り1回だけであるが、実は2009年6月に北朝鮮と中国の国境を流れる鴨緑江と図們江沿いの中国側を約1000km北上したことがある。中国と言っても朝鮮族が多く住み、鴨緑江の対岸が北朝鮮の街、丹東は北朝鮮との交易で活気があった。丹東と対岸の北朝鮮の新義州を結ぶ中朝友誼橋は列車や車、人々の往来に利用されているが、この橋が中国の対北朝鮮制裁の抜け道になっているのが現実だ。

 

  

  丹東:鴨緑江に架かる  丹東:鴨緑江に架かる鴨緑江  図們江、左側は中国

   中朝友誼橋(左)      断橋(右)と友誼橋(左)    右側の対岸は北朝鮮

 

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 筆者には北朝鮮に関する下記著書があり、ご関心ある方は是非ご愛読下さい。

 

      私はワールド・トラベラー      272の国と地域を制覇した77歳のワールド

     世界257ヵ国・地域を旅した男    ・トラベラーは たった1人で紛争地を旅した   

      文芸社 定価1,500円+税          幻冬舎  定価1,400円+税

   

 

              ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 

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