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パナマ文書で騒然のタックス・ヘイブンとパナマの旅
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 世界的な規模の巨悪(!?)が解明されるか? パナマ文書 The Panama Papersなる秘密ファイルが流出し、各国の政界を揺さぶるなど国際的な大スキャンダルになりそうである。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ 本部ワシントン)などによる分析で、現職の世界の国家指導者らが利用したり関与するタックス・ヘイブン(租税回避地)の実態が明るみに出たのだ。その発端は1年ほど前で、南ドイツ新聞に情報提供するとの匿名のメッセージが寄せられたもの。
 その後、同紙は身の危険を訴える相手とやりとりし、情報提供の理由を聞くと「犯罪を公にしたい」と答えたとの由。金銭的な要求も無く1100万件を超える文書やメールが渡され、史上最大のリークにつながったとか。その情報はタックス・ヘイブンで法人設立を手掛けるパナマの法律事務所モサック・フォンセカの内部資料で、1977年から2015年までのものが含まれる。

 

 これだけなら格別に驚くことでもない。だが、今回の報道が衝撃的だったのは、件の法律事務所の内部文書流出により、タックス・ヘイブンを利用して資産隠しをしていた疑惑に関与した各国首脳や著名人が、実名入りでその金額と共に暴露されたのだ。これは前代未聞の衝撃的なことであり、今世紀最大の金融スキャンダルと言っても過言ではない。言うまでもなくタックス・ヘイブンの実態は、富裕層や権力者などによる一種の資産隠しや脱税、或はマネーロンダリング(資金洗浄)と見做して的外れではなかろう。
 タックス・ヘイブンそのものは法律的には違法と言い切れないものがある。舞台になっている小国や島ではタックス・ヘイブン以外にこれと言った産業が無く、資源も乏しいので自活するための必要悪になっている実情がある。しかし、一般の国民が厳しく税金を取り立てられて苦しむのを尻目に、金持ちや権力者たちが不正に資産隠しや脱税をするのは少なくともモラルに反するのは明白だ。

 世界的な規模で貧富差をはじめ、様々な格差が益々拡大しつつある。もし、このパナマ文書問題が上手くソフトランディング出来なければ、世界の至るところで革命が起きても不思議ではなかろう。過激派組織ISなどによるテロの脅威も怖いが、パナマ文書に端を発した各国の騒乱も懸念される。来る5月に開催される伊勢志摩サミットでも、きっと重要なテーマになろう。
 それにしてもICIJによって暴露された、タックス・ヘイブンに関与した各国リーダーの顔ぶれが一流で凄い。ロシアのプーチン大統領、中国は習近平国家主席など、イギリスのキャメロン首相、サウジアラビアの サルマン国王、シリアのアサド大統領、パキスタンのシャリフ首相、アルゼンチンのマクリ大統領などに加え、来日中のウクライナの大統領の名前もある。一方、オバマ米国大統領や日本の政治家の名前が無さそうで、筆者もほっとしているのだが・・・。また、著名人ではサッカーのメッシ選手の名もある。

 名前の出た大物で注目すべきは中国の習主席であろう。反汚職腐敗を掲げ体制固めして来ただけに、下手をすれば指導力や求心力が低下しよう。それを阻止するためか、中国政府は沈黙を続け、ネット検索や海外報道へのアクセスを制限するなど厳しい統制をする。
 因みに、アイスランドという小国では、グンロイグソン首相と夫人の資産隠し疑惑が発覚。首都レイキャビクでは首相に辞任を求める市民らの抗議デモがあり、同首相は辞任表明に追い込まれた。小国だけに、実は 正直な小心者であったのであろう。疑惑報道に対し徹底した報道規制をする大国の中国とは大違いである。


  
パナマの法律事務所 アイスランドの抗議デモ   タックス・ヘイブンの著書
   (ネットより転用・加工済み)     『私はワールド・トラベラー』

 ところで、世界を股にかけて
272の国と地域を旅してきた私ことワールド・トラベラーは、世界的に知られる名だたるタックス・ヘイブンを全てと言ってよいほど訪れているが、その多くで(例えば英領ヴァージン諸島)イギリスが関与している。旅の詳しい模様は、このブログの2012年3月4日付けの「天国に近いケイマン諸島 − タックス・ヘイブンの裏表」、2013年2月12日付けの「資産家夫妻殺害事件簿:ファンドマネージャーとタックス・ヘイブン」などで紹介済みである。また、幣著書『私はワールド・トラベラー(文芸社)』でも、タックス・ヘイブンにつき詳述している。

 上記のブログで注目すべきは「…
タックス・ヘイブンの裏表」である。この記事をアップしてから今日に至るまで、最多の検索キーワードになっているのが、なんとこのタックス・ヘイブンの裏表である。ケイマン諸島は英国王室ご愛用のリゾートアイランドという表の顔の裏側にあるのが、タックス・ヘイブンなのだ。どうもケイマンのタックス・ヘイブンを利用する前に、筆者のブログを参考にしているようだ。愛読されるのは有難いことだが、ひょっとすれば犯罪に手を貸しているのではないかと少々後ろめたい気もする。

 さて、このブログのもう一つの本題、パナマの旅に移ろう。

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 世界的な要衝パナマ運河がある世界の十字路とも言うべき同国を訪れたのは、1997年6月であった。この旅ではほかに、ニカラグア、コスタリカ、ジャマイカ、ドミニカ(共和国)、キューバ、メキシコの中米とカリブ海の諸国を巡る大周遊であった。パナマの面積は日本の5分の1の7万5517k屬如⊃邑は約345万人。
 主な産業や国家収入は金融業、パナマ運河通行料、便宜置籍船登録料(外国商船からのパナマ船籍収入)、観光業など。金融業の実態はタックス・ヘイブンであろう。一応バルボアという通貨はあるが実際は存在せず、現実に流通しているのは米ドルだ。一人当たりのGDPは1万ドル以上で、中米諸国では最も多い。

 主要産業の一つになりつつある観光だが、先ず首都のパナマ・シティは人口が約88万人の大都市である。「西半球の香港」「リトルニューヨーク」などと呼ばれ、高層ビルが林立し人種のるつぼの街だ。新市街から東へ6km、旧市街に16世紀初頭にスペインが築いた世界文化遺産の植民都市遺跡パナマ・ビエホがある。
 この街のハイライトはなんと言っても世界最大の閘門式運河、パナマ運河である。世界三大運河の一つに数えられ、全長は80km、幅は91m〜200m。街から西へ6kmにあるミラ・フローレス水門を訪れ、エレベーターを上がって展望台から運河を眺めたが、次から次へと大型船が運河を航行する光景はまさに圧巻であった。


  
   パナマ・シティの  パナマ・ビエホの筆者  パナマ運河を訪れた
   摩天楼を俯瞰               ワールド・トラベラー


 パナマ観光で見逃せないのは、美しいカリブ海に浮かぶ島々である。パナマ・シティのアルブロック空港から8人乗りの小型プロペラ機で、ひょっこりひょうたん島のサンブラス諸島のポルベニール島に着いた。透明度が高い諸島のサンゴ礁の海には、350以上の小さな島々が浮かぶ。これらの島嶼にはクナ族という原住民インディヘナが住み、パナマ政府から自治権を得て昔ながらの独特の文化や習慣を守りながら生活する。
 ポルベニール島でボートに乗り換え、島巡りをした。ホテルのあるナルネガ島の広場では、お土産用のモラという刺繍を施し様々な文様が鮮やかに描かれた伝統衣装が売られていた。また、クナ族の伝統舞踊を観賞し、ハンモックでうたた寝したり、のんびりと時が止まったかのような至福のひと時を過ごした。これらの島巡りと少数民族のクナ族については、幣著書『世界を動かす少数民族(幻冬舎)』で詳述しているので、ご興味ある人はご購読頂きたい。


  
  サンブラス諸島を俯瞰  クナ族と触れ合う   パナマ紹介の著書

 慌ただしい駆け足のパナマ観光であったが、巨船がパナマ運河を通過する迫力、素朴な原住民インディヘナが静かに暮らすサンブラス諸島などが忘れがたい旅となった。


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 アメリカでは海外企業を買収し、税金の安い国や地域に本社を移転しようとする動きが顕著らしい。一方では、米国政府がこの動きを封じようと規制強化策を打ち出しに懸命だ。低税率の他国・地域に本社を移すことは「タックス・インバージョン(課税逆転)」と呼ばれ、近年急増している。
 この強化策の影響で、アメリカの製薬大手ファイザーはアイルイランドに本社がある同業者アラガンの買収断念を余儀なくされた。タックス・ヘイブンやタックス・インバージョン、いわゆる国境を越えた税逃れと、厳しくなりつつある規制強化のイタチごっこは当分続くであろう。

後記
 国際調査報道ジャーナリスト連合ICIJは、5月9日にタックスヘイブンに設立された約21万4000法人の情報をホームページで公開した。公開されたのは英領バージン諸島、米国ネバダ州、香港など21カ所の登記情報など。日本関連では設立された24の法人のほか、400近い出資者などの名前がある。例えば、ソフトバンクのグループ会社、伊藤忠商事、丸紅など。タックスヘイブンを利用しているのは公開された関係者以外にも多数存在すると見られ、巨大な氷山の一角に過ぎないであろう。その全体像の実態解明は容易ではなさそうである。

 

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    高さん 今日は
    この数日目にする言葉ですが、分かりやすく読ませて頂きました。日本の企業の名前も出て来ていましたね。
    今まで知っていたのは船籍の本社が云々と言う位でした。
    勉強させて頂きました。
    | 相子 | 2016/04/07 6:27 PM |
    あい子さん
    少々難解なテーマにご関心を持って頂き、多謝します。
    今の所タックス・ヘイブンそのものは違法と言い切れませんが、
    批判は以前から絶えません。
    ただ、道義的には大いに問題があるようです。
    今後各国で糾弾されるでしょう。
    |  高 | 2016/04/07 9:39 PM |
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