世界の人形館からの夢メッセージ

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テロで想起したイスタンブールとジャカルタ二都物語
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 「飛んでイスタンブール」という歌で有名になったトルコの大商都イスタンブールと、その昔「じゃがたらお春」ゆかりのインドシアの首都ジャカルタ、この2つの大都市に共通するものは何であろう?その1は、イスラム圏にあること。その2は筆者ことワールド・トラベラーが大好きな街であり、特にジャカルタには若かりし1970年代から商社マンとして5年も住んだ事があるからだ。最近この二都でイスラム国(IS)絡みの憎むべきテロ事件が続発した。
 まず、1月12日にブルーモスクなどの名所が集まるイスタンブールの一角で自爆テロがあり、ドイツ人観光客9人を含む10人が犠牲になった。続いて2日後の1月14日にはジャカルタのビジネス街の中心地で、同時多発的な攻撃により2名が死亡した。特に後者の事件現場は昔カジノがあった所で、筆者が駐在時代によく出かけたことは、幣ブログ「
カジノの功罪を考える」で紹介している。事件後にともにイスラム国(IS)による犯行と分かったが、この2つの連鎖的なテロ事件はISの活動範囲がアジアまで広がった事を意味し不気味でもある。

 元々トルコとインドネシアはともにイスラムを国教と定めていないが、国民の約9割がムスリム(イスラム教徒)という点で両国は共通する。世界最大のイスラム教国であるインドネシアには約2億人300万人のムスリムがおり、トルコの約7400万人を加えると、実に1億7700万人にもなる。これは世界のイスラム人口およそ16億人の17%余りを占める。
 また、両国は東西冷戦時代から外交面では西側に近いため、1979年のイランでのイスラム革命以降にイスラム復興の動きが加速する中、イスラム過激派組織からターゲットにされてきた経緯がある。これら世界有数にして穏健なイスラム大国を標的にして攻撃するのは、ISにすればこれほど効率の良いテロの場所は滅多に無かろうと言うのが彼らの皮算用であろう。

 「 ISは転移するガン細胞だ 」とカーター米国防長官は例えているが、まさに名言である。だが、貧困や格差など現代世界の普遍的な矛盾によって助長されて来たと言えるISの台頭につき、ISを空爆するという切除手術だけでガン細胞を壊滅するには限界があるのではないか?むしろガン細胞が転移しにくい状態に仕向けることも必要ではなかろうか?と思料する。おっと、前置きが長くなり恐縮である。では、本題の二都物語を始めよう!


    ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆

 アジアとヨーロッパの2つの大陸にまたがり、古代より東西文明の十字路に位置するのがトルコである。幾多の民族が往き交う舞台となった魅惑のイスラム教国に惚れ込み、中東では最も多く訪れた国(駐在したクウェートを除き)だ。特に、商社マン(三井物産)時代の1973年2月に初めて訪れた玄関口のイスタンブールはお気に入りの街で、同国を訪問すると必ず立ち寄ることにしている。 
 このトルコの地理的な特徴、つまり東洋と西洋の接点は、現代ではシリア内戦などから逃れようとする難民の最大の受け入れ国になっている。さらに、ドイツなどのヨーロッパ諸国に向かう難民や移民の経由地として、今も東西移動の重要な接点である。そんなトルコに惚れ込んで10回も訪問しており、その都度立ち寄るのがイスタンブールだ。1975年1月には駐在地のクウェートより、妻、小学生であった長男と次男を連れて家族旅行した。

 「ヨーロッパとアジアの架け橋」や「東西文明の接点」の街と呼ばれるイスタンブールはトルコの最大都市で、人口は約1400万人。香港などに似た情緒もあり、異国での旅情を大いに誘う。地中海と黒海をつなぐ要衝の港町は、ヨーロッパ側の旧市街に見どころが多い。世界で唯一2つの大陸にまたがる街は何度訪れても多彩な魅力に溢れ、見どころが満載なので何度訪れても飽きる事がない。

                        −−−イスタンブールの懐かしきスナップ−−−

  
  ブルーモスクを背にして  ベリーダンス鑑賞  家族(妻・長男・次男)と
                        グランド・バザールで買物


 例えば、トプカプ宮殿、ブルーモスク、アヤソフィヤ博物館、グランド・バザールの4点セットは、誰もが知っている必見の定番スポットなので説明は省く。是非おススメしたい穴場は地下宮殿だ。4世紀から6世紀に造られた地下の大貯水池は、重要な水瓶としてトプカプ宮殿に住んだスルタンの喉を潤したとか。そして宮殿の目玉は、一番奥に横たわる2つのメドゥーサの妖しい顔であろう。
 エキゾチックで多様な街の顔を見たいなら、海から展望するボスポラス海峡クルーズが一押し。船上より巨大要塞ルメリ・ヒサール、壮麗なドルマバフチェ宮殿やスルタン夏の離宮ベイレルベイ宮殿などがばっちり眺望できる。何と言っても開放感と爽快感が満喫できるのがたまらない。

 イスタンブ
ールから9500km南東にジャカルタが位置する。かつて
ワールド・トラベラーは、1979年~1984年の5年間ほど同地で駐在したことがある。ジャワ島の北西部に位置するインドネシアの首都で、人口は950万人を超え同国最大である。戦前まではバタビアと呼ばれるなど、日本とは古くから深い繋がりがある。華僑系が多い旧市街と、官庁やビジネス街などの新市街から成る。
 旧市街で店やレストランを開いているのはほとんどが華人だ。街の北側はジャワ海に向けて扇を半開きにしたような形をしており、その中央をチリウン川が蛇行する。商業地のコタを核とする旧市街が広がり、運河がある辺りはオランダ植民地時代の名残りを留める。南下すると新市街があり、官庁街などが広がる街の中心モナス周辺と、高級住宅地やショッピング街になっている南のクバヨラン・バルに分かれる。

 ジャカルタ観光のスタートは、インドネシアのヘソとも言うべきモナス、独立記念塔がおススメ。ムルデカ広場の中央に高々とそびえる通称モナスは、高さ137mもあり街随一のランドマークになっている。この広場付近には、東南アジア最大級のイスラム寺院イスティクラル・モスク、外観が優美なカテドラル、ジャワ原人の化石などが展示される国立中央博物館がある。


                                −−− ジャカルタ三景 −−−
  
   旧市街コタの中心を俯瞰    遊びにきた家族と  勤務先事務所で秘書に
                                      モスクを背にして      囲まれる筆者


 約5年間に及んだ駐在員生活で最大の想い出は、2人の息子の教育の関係で強いられた単身生活であろう。もっとも、1982年7月〜8月には家族が遊びに来たが・・・。筆者と同じ境遇の単身赴任者が数人集まって御殿のような豪邸で寮生活を送ったが、5〜6名の召使が何から何まですべて身の回りの世話をしてくれた。
 これに加えて勤務先の会社から専用車と運転手を提供してくれる、まさに日本では富裕層とて経験できないような贅沢さであった。平民の筆者としては、最初にして最後の王侯貴族の生活を満喫した次第だ。
今から思えば夢物語のようで、まさに懐かしさで感無量である。    

    ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆

 イスタンブールとジャカルタという庶民的で魅力たっぷりの街を最後に訪れてから、早や9年ほどが経つ。このブログを書いていると、また再訪したいとの思いが沸々と湧き出てくる。だが、実は認知症で1年近く長期入院で苦しむ妻を案じると、その気持ちも萎えてしまう。できれば元気になってもらい、昨年1月に行うべきであった金婚式をこの二都へ旅して成就したいのだが、それは単なる夢で終わるのであろうか?歳月は人を待たないようだ。


           ◇◇◇ お知らせ ◇◇◇

        (ワールド・トラベラーの新刊書紹介)
           
世界を動かす少数民族


 超大国アメリカの真の実力者は誰?台頭著しい中国を支える東南アジア経済界の覇者は誰?イスラム国に敢然と立ち向かう勇者は誰?知られざる少数民族から現代世界の縮図と課題が克明に分かる。詳しくは近々発売の『世界を動かす少数民族(幻冬舎)』をご購読下さい。定価本体1,350円+税

     

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    高さん 新著の上梓お目出度うございます。
    早速に手に取り開いて見ました。
    トップの方に出てきたグラビヤがとても魅力をそそります。
    時期に適ったばかりでなく、長く読まれて欲しい一冊ですね。
    | 相子 | 2016/01/29 4:18 PM |
    早速の貴コメントを多謝します。
    この激動の世界を動かしているのは、
    実は少数民族であることを啓蒙したかった書です。
    例えば、超大国アメリカを牛耳るユダヤ系のアメリカ人、
    近年台頭著しい中国を支える東南アジアの華人、
    残忍なイスラム国に対し敢然と立ち向かうクルド人・・・。
    また、グラビア(カラー口絵)にも腐心しました。
    読者の皆さんに長く読まれるためには、増刷が必要です。
    ご友人などに広くPRして下さい。
    | 高 | 2016/01/29 11:53 PM |
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