世界の人形館からの夢メッセージ

夢と寛ぎを紡ぐワールドスクエア
南シナ海緊張(その1)ベトナムvs中国とべトナムの旅
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 南シナ海 South China Seaは、中国、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾の6ヵ国・地域に囲まれた海域である。面積は約360万k屬覇本海の4倍近いが、中国の海南島以外に大きな島はなく、小さな島々から成る群島が散在する。南シナ海の海底には石油や天然ガスなどの資源が豊富なため、近年になってこれら資源の確保や開発を巡り、周辺各国が領有権を主張するなど紛争が続いている。

 特に
西沙諸島(英語名パラセル諸島 Paracel Islands)付近が風雲急を告げている。今月に入り、西沙諸島近海で中国が石油掘削を開始したのを契機に、中国の公船とベトナムの巡視船などが衝突。特に中国船の体当たりと放水の生々しい瞬間の映像をテレビで視聴したが、迫力十分であると共に恐怖感を抱かざるを得なかった。 
 ベトナムの船に被害が出たことに対し、ベトナム側も負けじと激しく反発している。同国の各地では中国の石油掘削作業に抗議するデモが行われ、中国人が死亡したり、台湾や日本の企業までが巻き込まれ被害を受けた。ベトナム政府も「デモは正当な行動、しかし外交や外国の投資にはむしろマイナス」と、国民に冷静な対応を呼びかけるほどである。

 ベトナムの西沙諸島に対する思いが強いのは、1974年1月の西沙海戦(永楽紛争とも呼ばれる)に敗れた後、中国に実効支配されて「力づくで奪われた」との意識があるとか。もっとも距離的には、ベトナム本土から西沙諸島までの約400kmよりも、中国の海南島から西沙諸島までの300kmの方が近い現実がある。中国が着々と実効支配を進める背景には、この距離問題が無視出来ないであろう。
 
南沙諸島(英語名スプラトリー諸島 Spratly Islands)問題で中国と対峙するフィリピンも、似たような事情だ。1995年の台風シーズンに手薄になった警戒の間隙を縫い、中国はミスチーフ環礁に小屋を建てた後、コンクリート造りの建物に改築して実効支配を始めた。最近フィリピンはジョンソン南礁などの海域で中国の海洋進出に神経を尖らしているのは、ベトナムと同様に力で中国に奪われた過去に対する反省に依るものであろう。

           中国、ベトナム、フィリピンが主張する管轄境界線

       
      (愛読している朝日新聞記事より転用・一部加工済み)

 南シナ海の紛争問題、或は中国の力に任せた海洋進出により各国の動きが活発になって来た。ベトナムのグエン・タン・ズン首相は5月21日〜23日にフィリピンを訪問し、中国に対する両国の共同歩調を強めた。また、5月10日にミャンマーの首都ネピドーで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議で、南シナ海情勢に関し「深刻な懸念」を表明する緊急声明が採択された。ASEAN加盟国が一致団結し、国際法などによる平和的な紛争解決を訴えて力による実効支配を強める中国を牽制しようとするもの。
 一方、欧米の動きでは、特に米国が中国の拡張主義一辺倒のパワー政策に神経を尖らせているようである。5月15日に訪米中の中国の軍参謀総長がバイデン米国副大統領や統合参謀本部議長と会談したが、南シナ海に関する両者の主張は真っ向から対立したとの由。

 さて、物騒な南シナ海のお話になったが、271ヵ国・地域を旅した私こと
ワールド・トラベラーは45年近く前から南シナ海の上空を数百回も往来しており、海の美しさと輝きに感動してきた。また、中国と共に、紛争当事国のベトナムもフィリピンも夫々数度旅しており、中国の海南島まで出かけている。しかも紛争海域近くの町や島を訪れており、懐かしさが込み上げてくる。
 これから美しきベトナム、フィリピン、海南島への懐かしき旅路を紹介したいが、今回は
ベトナムだけにとどめてフィリピンと中国の海南島は近々(その2)と題してアップの予定。ご了解下さい。

   
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 ベトナムへ初めて旅したのは今から丁度20年前の1994年9月で、その後1996年10月と2002年12月に訪れた。旅行回数は3回と多くはないが、南北1650kmもあるベトナム全土を回った。中国と国境を接する北部は少数民族が多数住み、むしろ「多数民族」と言った方が適切かも知れない。気候も冬季は雨が降ると寒さで震え、降雪する所もあるほどだ。他方、アジア有数の大河メコンが流れる南部は南シナ海に面し、一年を通して暑い。
 1990年代のベトナムは、米国とのベトナム戦争(1960年〜1975年)やカンボジア・ベトナム戦争(1978年〜1989年)の後遺症が未だ残っていた。しかし、共産党の一党支配は続いたが、ドイモイ(刷新)政策のお蔭で対外開放政策が導入され、急速な経済成長が始まった。

 特に南部の大都市ホー・チ・ミン(旧サイゴン)
の経済発展は目覚ましいものがあった。街の中心にある人民委員会近くのレックスホテルのロータリーでは、後から後から涌き出るように続くバイクの波で歩道横断が危険で困難であった。また街の至る所で見かける女性の鮮やかな民族衣装アオザイが目立ち、女学生が制服として着用するアオザイもグレーではじけるような彼女たちの笑顔がよく似合い印象的であった。
 大商都ホー・チ・ミンと対照的なのが、北部にある首都ハノイ。ダイナミックで活気がある前者に比べ、極めて落ち着きのある静かな古都である。11世紀に建てられたベトナム最初の大学・文廟、街の中心にあるホアンキエム湖上の玉山祠、今も民族的英雄として敬愛される故主席を祀るホー・チ・ミン廟、珍しい水上人形劇場などが見どころだ。


  
ホー・チ・ミン:人民委員会  ハノイ:文廟前で ホー・チ・ミン:女学生と
と故主席の銅像を背にして            談笑のワールド・トラベラー

 
 このハノイを訪れたら、絶対見逃してはならないのがハロン湾であろう。ベトナム屈指の景勝地で「海の桂林」と呼ばれ、海上におよそ2000の奇岩がニョキニョキと浮かぶ。波一つ立たない静かな海面に倒映する幻想的な光景は、言葉を失うような美しさである。ちょっと時間的にきついがハノイから日帰り観光も可能で、是非イチオシでオススメしたい。
 上記のほかにも見どころが多々ある。例えば、メコンデルタの河口の町ミトー、ホーチミン近郊のビーチリゾートのブンタウ、極彩色のカオダイ教寺院があるタイニン、ベトナム戦争時に造られた地下トンネルがあるクチ、ベトナム最後のグエン王朝の都フエ、中部最大の商業都市ダナン、かつて中継貿易で栄え日本人町があった古都ホイアン、2世紀〜17世紀にベトナム中部から南部で勢力を誇ったチャンパ王国の聖地・ミーソン遺跡、中国雲南省と国境を接する国境の町ラオカイ、標高が1600mもあり山岳少数民族の村々と美しい棚田が点在するサパなど。因みに、
西沙諸島はダナンの東沖合に位置する。 

 中国とかつての宗主国フランスと関係が深いベトナムは、世界有数のグルメの宝庫であることは案外知られていない。日本と同様にコメが主食のため、日本人の口に合うメニューがある。ライスペーパーで作るベトナム風春巻き、日本のうどんやそうめんに似るがコメで作るフォーなどである。一方、フエで賞味した豪華な宮廷料理は、日本料理に劣らず繊細な飾り付けで驚いた。欧米ではベトナム料理店が結構多いが、ワールド・トラベラーが彼の地で食べるベトナム料理はいつもフォーだ。
 教育ではベトナム人は熱心でそのレベルも高く、勤勉であると言われる。南北に細長い国土も我が日本と似ており、日本あるいは日本人とは共通項がいくつかあるようだ。人々は温和な笑顔を絶やさず、一般的に親日的である。


  
  ハロン湾:クルーズを   フエ:飾り付けが  クチ:ベトナム戦争時に 
  楽しむ世界の旅人    見事な宮廷料理      造られた地下トンネル


  
  ハノイ:水上人形劇   タイニン:極彩色の   サパ:市場で少数民族の
             カオダイ教寺院前で  女性たちに囲まれる筆者
 
  ベトナムと言えば、今でも思い出すのは超大国アメリカが白旗をあげたベトナム戦争であろう。一方、巨大な隣国である中国と国境を接しているため、古来より度々征服された苦難の歴史がある。また西沙諸島問題で過去の「被征服の歴史」が繰り返されるのであろうか? 古代ローマの歴史家クルティウス・ルフスの言葉を借りれば、やはり「History repeats itself(歴史は繰り返す)」の通りになるのであろうか? 南シナ海の「シナ(China)」という名称が付いている限り、中国の主張が通りそうな現実のようである。
 韓国が実効支配している竹島(韓国名独島)は日本海に浮かぶ。同国は過日その領有権を正当化し日本海の韓国名「東海」を国際的にも認知させるため働きかけ、米国のバージニア州で日本海・東海併記の州法が成立した。南シナ海でも同様のことが出来るであろうか? 利害関係国が多いだけに至難であろう。



            ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇
 

 ワールド・トラベラーが館長を務める世界の人形館では、271ヵ国・地域の民俗人形、紙幣とコイン、仮面、壷、置物、絵画、木彫り、地球儀、時計、照明ランプ、絵皿、万華鏡など多数展示しています。老若男女を問わずご興味ある方はご遠慮なく、お気軽にご来館下さい。茶菓子を用意し、老妻共々精一杯のおもてなしの歓待をします。
 なお、慈善活動につき、入館料は無料ですが、セキュリティなどのため、下記要領で必ず予約をお願いします。ご協力のほど宜しくお願いします。
TEL:04−7184−4745 又は Eメール: 
ko-yasu@maple.ocn.ne.jp

 

   −−− 国境の無い平和な「世界の人形館」の館内風景 −−−

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   メインホール   民俗人形:中南米等コーナー   地球儀コーナー

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 今年(2014年)の早い時期に2作目を出版したいと考えている。昨年7月に初めて上梓したが、「良書」とか「力作」と言われる割には売れない作品「私はワールド・トラベラー 世界257ヵ国・地域を旅した男」に続く出版で、既に原稿は用意済みである。そのネタは昨年千葉県我孫子市で行われた講演会で、約200人の聴講者を面前にしてスピーチし大好評であった「世界の紛争地帯」などである。
 少し前ではシリア問題、最近ではウクライナやクリミア、アジア各国と衝突する中国の海洋進出などについても、問題の本質などを鋭く言及してみたい。ご関心のある意欲的な出版社があれば是非ご一報下さい。お待ちします。


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| 海外旅行ーベトナム | 13:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - | ↑TOP
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