世界の人形館からの夢メッセージ

夢と寛ぎを紡ぐワールドスクエア
寒さと病と孤独のトリレンマ
12

 また鬱陶しく愚痴るような私事になり誠に恐縮だが、今の筆者はトリレンマ、つまり寒さと病と孤独を負う三重苦に悩む毎日を送っている。遠からず81歳になるかなりの老体にとっては苦行であり、しかも初体験でもあり戸惑うばかりである。

 

 トリレンマの(1)は寒さだ。今週は最強の寒波襲来で、昨日(1月22日)は4年ぶりの大雪になった。積雪も20センチ超となり、マンションに住む我が家のルーフバルコニーではこんもりと綿のような雪が積もった。雪景色の佇まいはなかなか捨てがたい魅力があるが、数年前には滑って捻挫した苦い体験があり、危険なため近付かないで遠くから眺めるだけである。また歴史的とも言われる寒気がしばらく居座りそうにつき、日陰の雪が融けるのには1週間ぐらいは要しよう。

 

    

                     (我が家のルーフバルコニーに積もった雪)

 

 さて、寒くなると朝起きるのが大変である。特に3年前より妻の長期入院で完全な独居生活を強いられているので、以前のように起こしてくれる連れがいない。故に一度は起きても、またベッドに戻ることが度々だ。不規則になりがちな生活を是正してくれるのが、毎週月曜日〜金曜日の朝(10時前後)に電話を掛けて下さるモーニングコールである。我孫子北地区福祉協議会が行っている電話訪問で、うら若き(と想像したい)女性たちが丁寧且つ親切な口調で話しかける。誠に有難いボランティアサービスで感謝に耐えない。

 

 トリレンマの(2)は病であり、2つの問題を抱える。前者は筆者自身で昨年11月初めに、80年の人生で初めて入院・手術した前立腺肥大の結果が思わしくなく、入退院も繰り返した。手術後に併発した尿道炎が治るどころか、最近は悪化する始末だ。具体的には頻尿と、真逆の閉尿を繰り返し、さらに失禁が絶えないためオムツが欠かせない。そこで執刀医に問い詰めると、最初は3か月待って欲しいとの話が間もなく過ぎようとなると、今度は10人に1人の割合しか感染しない悪質な菌に侵されたと弁明して不運を嘆く。結局真相は闇のようである。

 

   後者は幣ブログでも3年ほど前より時々紹介している、認知症で入院中の妻のことである。昨年6月より食べ物や飲み物を口にする経口摂取が一切出来なくなり、代わりにIVHという経管による中心静脈栄養法に依存している。要するに終末期医療であり、換言すれば延命以外の何物でもない。昨秋より病院から「危ない(危篤)、危ない」と言われ通し

次男の嫁や孫娘と共に妻を見舞う

で低空飛行状態を続けるだが、顔色だけは見たところ元気そう。

 だが、首から下は骨だらけの可哀そうな姿で、夫でありながら正視出来ない。介護士もオムツ交換の時は、筆者に見ないようにと席を外すことを促すほどだ。きっと上述の尿道炎が完治するまで、妻は懸命に待っているのかも知れない。そう想うと、愛しい妻が一層いじらしくなり、いつもの如く悲しく切なくなる。

 

 トリレンマの(3)は孤独である。「あなた、孤独ですね」と言われるとショックを受ける人が大半のようだが、実際に孤独であっても一般的には隠す傾向がある。筆者の場合は後述の経緯があり、孤独であることをむしろ公言している。残念ながら時間の問題という終末期を迎えている妻をほぼ毎日見舞い・介護する訳だが、それが3年も続くと実質的に死別状態の心境になる。加えて、共に2時間近く離れた所に住む長男とは実に8年間、次男とは3年間も没交渉である。親の教育が悪かったのであろうか、或いは不徳の致すところか、お恥ずかしい限りだ。唯一の救いと言えば、数か月ごとに訪ねて来る次男の嫁と孫であろうか。

   因みに、最近近くに住む知人で4歳ほど年長の男性からよく電話がかかり、また拙宅に来られて身の上話などを聞かされる。健康の不安や金銭問題などを抱えておられるようだが、娘夫婦宅で同居しているとは言え妻に先立たれた孤独感から逃れることが出来ないようだ。しかも孤独であることを決して吐露しようとしないが、特に用も無いないのに度々電話してくるのは孤独感を癒そうとしたい表れではと思わざるを得ない。人は老年期になれば活動や交際の範囲が狭められ、人や社会

とのりが減り孤独になりがちは至極当然なのだが・・・。 

 

 ところで、大雪が降った昨日は通常国会が召集され、安倍晋三首相は施政方針演説で「人づくり革命」の実現を訴えた。” あらゆる人にチャンスがあふれる1億総活躍社会に向けて、人づくり革命を、皆さんと共に進めていこうではありませんか ”と呼びかけたが、今回も単なる言葉遊びに終わるのではなかろうか?確か数年前にも1億総活躍社会を声高に唱えたが、その後は具体的なフォローアップや成果のレビューも特に無く終わったように記憶している。

 筆者自身は単なる口先や掛け声だけに終わりがちな政府に頼らず、残り19年余がある人生100年時代を見据え、前述のトリレンマを克服してプラス志向で前進したいと念じている。もっとも寒さという自然現象は、いくら人類が進化を遂げてもコントロール出来るものではあるまいが・・・。いずれにせよ、1度しか無い人生を悔いの無いものとし、もし妻が先に他界した場合は彼女の分まで長生きしようと誓っている。親しい友人や知人もそう勧めてくれ、激励もしてくれる。

 

読者の皆さんへ

 今回の幣ブログに対し、ご意見やアドバイスがあれば忌憚なくお寄せ頂きたい。お待ちします。

  連絡先: 世界の人形館 TEL 04−7184−4745
                     E−MAIL  
ko-yasu@maple.ocn.ne.jp

 

 Copyright ©The World Doll Museum WDM. All Rights Reserved

| 病気 | 17:58 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - | ↑TOP
80歳にして人生初の入院と手術
11

 幣ブログの前号(10月21日付け)で予告した通り、今月1日から9日間も入院していた。頻尿が苦痛の前立腺肥大の手術を受けるためだが、80年の人生で初めての入院は他人から珍しいのではと言われる。手術と言えば数年前の白内障があるが、日帰りで入院しなかった。また、戦前の国民小学校時代に学童疎開した徳島市で蓄膿の手術を受けたが、定かではないが確か日帰りだったと記憶している。たとえ入院であったとしても、1泊程度ではと・・・。 

 因みに、当初は1週間の入院予定であったが、2日遅れに加え完治していない条件付きの退院を強いられた。理由は前立腺肥大の手術そのものは成功したものの、膀胱の機能が弱いため肝心のおしっこが出ないのだ。そのため(人工)尿管を付けたまま退院して自宅療養することにしたが、暫くは通院が必要な見通しである。認知症で終末期を迎えている妻を案じるあまり入院・手術をずっと見合わせてきたのが、結果的には遅過ぎて機を逸したかも知れない。しかし、今更ぼやいても得るものは無く、時間を掛けてでも全治を目指し前向きに頑張る他あるまい。

 

 生来じっとしていられない性格だけに9日間の入院生活は実に退屈で、しかも苦痛すら伴うものであった。2年半も寝たきりの入院生活を送っている妻の心境や如何にと想うと、それは残酷という言葉以外は見出せず切なくなる。斯かることを想定して本を5冊ほど病室に持ち込み読書に勤しんだが、すっきりとした心境になるには程遠かった。だが、単調になりがちなルーティンを救ってくれたのが、多用にも拘わらず訪れて頂いた多数の見舞客である。中には独居生活を送っている筆者を気遣い、入院時に車で病院まで送ってくれたり、また連日見舞いに来て励まして頂いた方もいた。

 私事で誠に恐縮だが2人の実の息子たちがいながら、不徳の致す故か見放された感があっただけに、人の情けを有難く感じた次第だ。「情けは人の為ならず」を実感したわけだが、人に対して損得を抜きにして情けを掛けておけば,巡り巡って自分に良い報いが返ってくることを知らされた有意義な初入院でもあった。また、普段あまり気にも留めなかった健康の有難みを噛みしめながら、条件付きの退院に対しリハビリに懸命である。この機を活かして80年の人生をリセットし、最近話題になっている人生100年時代に備えたいものだ。

 

 さて、入院と言えば、私ことワールド・トラベラーにも外国で忘れ得ぬ想い出が2つある。共に一旦は入院しかけたのだが、結局はその日に退院したのである。その一は、2004年6月下旬から1ヵ月余りアメリカをほぼ一周する長旅であった。後半の7月中旬には中西部を巡り、ラピッドシティからミネアポリスに向かうフライトの機内でトラブルが発生した。それまでに蓄積された疲労か、或いは厳しい保安検査のストレスか、吐いた上に下痢をした。ミネアポリスのホテルに着くと直ぐに数時間休息したが、体調が回復しないため急遽近くの病院に駆け込んだ。

 

   

 

 受付に病状を説明し、待っている患者がほとんどいないのですぐ検査と治療をしてもらえるものと思った。しかし、その後、医者・看護師・検査技師など5〜6人が入れ代わり立ち代わり現れるが、全員が金太郎飴のような同じ質問をするではないか!結局、検査が始まったのは1時間後で、超スローな対応にイライラしっ放しで筆者もこれには業を煮やした。

 その後病状も少し良くなったようなので、3時間後に「次の予定があるからユックリできない」と言い残し、薬ももらえないまま病院を出た。いかにも近代的でスピーディと思っていたアメリカの病院は、患者本位ではない、とんでもない所であった。詳細は幣著書『トラベル・イズ・トラブル パート2』を!

 

 その二は、2008年8月〜9月にオーストラリア、ニュージーランド、米領サモア、クック諸島、サモアを訪れる南太平洋巡りをした時のこと。全般的に平穏な旅で終わりそうであったが、九死に一生の大ピンチがニュージーランドであった。オークランドからレンタカーで約450km北西に位置する北島の最北端、レインガ岬を目指した時だ。

 運転直後から車のどこかで異常音がして気にはなっていたが、夕刻には岬の手前まで行きたいと思い、ランチも休憩も十分取らずにひたすら急いだ。道路は平坦に見えるが比較的細い道が多く、加えて九十九折のようにくねくねしアップダウンも多い。そのためであろうか何度も車はスピンするほど危険なドライブとなり、疲労も重なってウトウトしかけた。

 

           

 

 もうすぐレインガ岬という岬の直前で、目の前にトラックのような大型車両が迫り、目の前が真っ白になったところで気を失った。暫らくして正気に戻り、レンタカーの前部を大破する事故を起こしたことを知った。先ほどの真っ白に見えたのは、実はエアバッグが破裂した瞬間だ。このバッグとシートベルトのお蔭で助かったわけだが、胸が圧迫されたように息苦しくほとんど身動きできなかった。

 間もなく救急車が来て近くの町カイタイアの病院に運ばれたが、検査結果は骨折ではなく打撲傷と分かった。旅行スケジュールもタイトなため入院せず、薬をもらって当夜は近くのモーテルで泊まった。翌朝バスを乗り継いでオークランドに戻り、幸運にも打撲傷で済み旅を続けたが、それでも完治するまで1ヶ月以上を要した。詳細は幣著書『トラベル・イズ・トラブル』を!

 

(後記)

退院してから5日後に病院に出かけ、件の尿管を外してもらったところ、おしっこが勢いよく出たので安堵した。と思ったのも束の間、今度は1時間ごとに尿意を催すではないか?手術前の2時間ごとのトイレよりも超酷い頻尿で、特に夜は全く熟睡できず不快きわまりなかった。

 そこで翌日また病院に駆け込んだところ、尿道炎と膀胱炎を併発していることが分かり、これが頻尿の原因である。全治までには少なくとも数週間は要する見込みで、手術そのものは上手く行っても合併症を伴うリスクをある事を思い知らされた。人生初めての入院はトラブル続きのほろ苦い体験であった。(11月17日)

その後、頻尿に加えておしっこが出ないではないか?すぐに病院に駆け込み診てもらったところ、今度は尿道がふさがる尿閉を起こしていることが分かり、即再入院となった。妻や家のことが気掛かりで3日後に再退院したが、今回の手術に伴うトラブルはいつまで続くのであろうか不安でならない。(11月25日)

 

               ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 

 上記の幣著書:

  『トラベル・イズ・トラブル』 『 トラベル・イズ・トラブル パート2

   安全な旅は退屈だ!!     楽でない旅こそ最高だ!!     

  ルネッサンス・アイ 1,300円+税    ルネッサンス・アイ 1,300円+税

  

のお買い求めはアマゾンなどインターネットショッピンや、最寄りの書店で可能です。なお、書店やネットショッピングで入手不可能の場合は、在庫が十分な世界の人形館でお求めできます。

お問い合わせ:
世界の人形館 
TEL 04−7184−4745
        E−MAIL 
 ko-yasu@maple.ocn.ne.jp

 

Copyright ©The World Doll Museum WDM. All Rights Reserved   

| 病気 | 10:07 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - | ↑TOP
PR
PROFILE
LINKS
CALENDAR
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
新着コメント
  • 2018 FIFAワールドカップの舞台ロシアの旅−モスクワの今昔
    高 (06/25)
  • 2018 FIFAワールドカップの舞台ロシアの旅−モスクワの今昔
    相子 (06/24)
  • 米朝首脳会談の舞台セントーサ島と我が総理の外交に想う
    高 (06/20)
  • 米朝首脳会談の舞台セントーサ島と我が総理の外交に想う
    相子 (06/19)
  • 史上初の米朝首脳会談が開催されるシンガポールの今昔
    高 (05/19)
  • 史上初の米朝首脳会談が開催されるシンガポールの今昔
    相子 (05/18)
  • 14年ぶり首相に返り咲くマハティール氏とマレーシアの旅(3)
    高 (05/11)
  • 14年ぶり首相に返り咲くマハティール氏とマレーシアの旅(3)
    相子 (05/11)
  • It's Sho-Time ! 二刀流の大谷翔平選手が活躍するロサンゼルスを懐かしむ
    (04/16)
  • 81歳と春の花と国会混迷
    高 (04/16)
MOBILE
qrcode