世界の人形館からの夢メッセージ

夢と寛ぎを紡ぐワールドスクエア
2016年ノーベル平和賞とコロンビア内戦の地を旅して
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 最近の国際的な慶事と言えば、今年も我が日本からノーベル賞の受賞者が出たことであろう。生理学・医学賞の大隅良典氏で、東京工業大学の栄誉教授である。これで日本人受賞者は25人となり、また2014年から3年連続受賞の快挙となった。

 他の賞では、オヤッと思うような異色(?)の受賞者が2人いる。一人は文学賞の米国ミュージシャンのボブ・ディラン氏であり、もう一人は平和賞のフアン・マヌエル・サントス氏。筆者が興味あるのは後者で、南米コロンビアの大統領としてコロンビア内戦終結に尽力した御仁である。

 

 ノルウェーのノーベル賞委員会が同大統領を選んだ理由として、左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)と年間交渉を重ねた末に今年6月に停戦合意に達し、50年余りの内戦を終わらせた努力を評価。さらに委員会は「この賞はコロンビア国民を称えるものでもある」と付け加えたが、和平協定に署名したFARCのロンドニョ司令官は授賞に含まれていない。因みに、に半世紀に及んだ内戦では約26万人が死亡し、600万人以上が住む場所を追われたとか。

 

       

   コロンビアのサントス大統領             コロンビア革命軍FARC

          (ネットより転用・加工済み)

 

 一方では、アルバロ・ウリベ前大統領を筆頭に停戦合意に反対する人たちは、FARCメンバーが人質の拉致や殺人への責任を問われずに、議会に議席を得ることに反発した。FARCに譲歩し過ぎだと批判を繰り返したため、過日行われた停戦合意をめぐる国民投票では、反対票が50.24%と多数を占めた。この予想外の結果を受けてサントス大統領はFARCとの交渉を続けると言うが、ノーベル賞受賞者として同大統領の真価が問われよう。

 

 因みに、コロンビアの近代史を簡単に述べよう。1886年にコロンビア共和国が成立し、1958年に軍事政権が倒れた後は二大政党体制が続いて来た。他方、地方山間部で左翼ゲリラ組織の「コロンビア革命軍」(FARC)、大農園などの私的な武装警備員集団が起源の右翼民兵組織、コロンビア国軍の3者が入り乱れた内戦が続いた。特に1969年に結成のFARCは社会主義革命を目指す強力な反政府武装組織で、主な資金源はコカインの生産や密売、富裕階級や外国人を狙った誘拐の身代金など。

 一時は国土の3分の1ほどを支配し、兵力は約1万8000人も擁したと言われる。旧ソ連共産党の影響を受けた中南米最大の左翼ゲリラで、エクアドル・ベネズエラ・ブラジル・ペルー・パナマでも活動。農民主体のゲリラにも拘らず、幹部にはインテリも含まれた。しかし、2002年以降は米軍から最新兵器の供与を受けたコロンビア政府軍の包囲などにより、FARCの兵力が半減した上にカリスマ的な最高司令官の死亡で急速に弱体化した。

 

 なお詳しいことは、筆者の著書『272の国と地域を制覇した77歳のワールド・トラベラーはたった1人で紛争地を旅した!』幻冬舎 1,400円+税を是非ご参照願いたい。

     

       

 

 さて、内戦最中の2000年12月、私ことワールド・トラベラー無謀にもコロンビアを旅している。その時の模様をリポートしよう

 

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 コカインとゲリラ活動など南米の矛盾と混沌を重く引きずるとともに、黄金郷エル・ドラード伝説の優れたインディヘナ文化を持つのがコロンビアである。スペイン語が少々できる筆者には魅力的な国だ。また、コーヒーや花の輸出が盛んで、エメラルドの産出量は世界一である。資源が豊かにも拘わらず、反政府勢力がずっと存在し紛争が絶えないのは、どこかのアフリカ諸国に似ている。

 

 筆者が訪れた当時は治安が悪い最中で危険なため、観光どころではないとして外国から訪れる観光客は皆無に近かった。こうした影響でホテルはどこもガラガラで、閑古鳥が鳴いていたた。きっとホテル代は安くなるだろうと思い、首都サンタフェ・デ・ボゴタの高級ホテルに泊まった。チェックインの際に受付に何の用事で来ましたか? と言われ、不思議というより怪訝な顔をされる始末であった。観光で来たんですよ!と言うと大喜びでシングル・ルーム予約が超豪華なスイート・ルームを用意してくれた。

ただし、夜間の外出は危険につき控えるようにと釘を刺され、中南米ではハイチと同様に当分観光には不適格の国だと知らされた。世界一の暴力犯罪率を誇る国柄と聞かされていただけにやむを得なかった。しかし、実際に各地を回ってみると、時々警察のパトロールは見かけたものの意外に平穏であった。観光客がほとんどいないため混んでおらず、ユックリと見どころ満載の観光を楽しむことができた。

 

標高2600mの高地にあるサンタフェ・デ・ボゴタの人口は約750万人と南米5大都市のひとつに数えられる大都市である。見どころはボリーバル広場に建つ1811年築のネオクラシカル様式の荘厳なカテドラル、見晴らし抜群のモンセラートの丘、黄金郷伝説の舞台に相応しい世界有数の黄金博物館などがオススメだ。特に南北に長く広がる市街地を手っ取り早く把握するには、モンセラーテの丘が一押しだ。

ケーブルカーで急峻な丘の上に登ると、白い清楚な感じのモンセラーテ寺院が建っている。ここへやって来る人たちの目的は、17世紀に建てられたモンセラーテ寺院よりも、市内との標高差が約500mあり眼下に展開するボゴタ市街の眺望である。赤い屋根がモザイク模様のように続く旧市街、高層ビルが林立する新市街、遥か西方の彼方には5000m級の山々まで見晴らせるなど素晴らしい。

 

                 −−− サンタフェ・デ・ボゴタ −−−

  

ボリーバル広場に面して  モンセラーテの丘での    黄金博物館の展示品

  建つカテドラル    ワールド・トラベラー             

 

ボコタ郊外では、岩塩洞窟で有名な町シパキラの幻想的な岩塩教会、化石の町ヴィジャ・デ・レイバの南米最大の中央広場、歓待されたフサガスガのコーヒー農園とバラ園が見逃せない。市内から40kmほど北上すると、岩塩洞窟で有名な町シパキラに着く。以前は岩塩鉱山であった場所の地下坑道を約20分歩くと、地下160mに広さが約8000屐天井の高さが18mもある広場に出る。その広場には、1954年に完成した収容人員が8400人の巨大な岩塩教会がある。教会の正面には大きな十字架があり、ほかに礼拝堂や様々な塩の彫像などがあり、幻想的な空間を演出する。

一方、シパキラから50kmほど北上すると、美麗なカテドラルがひときわ目立つヴェンタケマダに入った。ここからさらに約50km北上すると、大きな化石の看板エル・フォシルがある町ヴィジャ・デ・レイバに着いた。町には古生物(化石)博物館があり、この町では化石がたくさん出たことが分かる。この化石の町の中心は南米一と言われる中央広場で、広さがなんと120m四方もある。一年中花が咲き乱れるコロニアル風の町並みはよく保存され、石畳や街灯、白壁や赤い瓦屋根が美しい。まるで時が止まったかのような錯覚に陥り、静かな佇まいの魅力的な小さな古都だ。

 

            −−  ヴィジャ・デ・レイバ−を散策する筆者 −−

    

   シパキラの岩塩教会    化石看板前で    超広い中央広場で 

 

 内戦の影響でどこへ行っても外国の観光客を見かけることは無く、それほど訪問当時は治安が悪かった。それだけにどこでも「こんな時によくぞ来ていただいた」と大歓迎され、地元の人たちに元気と希望を与えたようだ。治安が悪いとして一方的に敬遠するのではなく、むしろ紛争地を訪れて現地の人たちを勇気づけるべきではないか?これこそ真の国際交流、或いは大袈裟に言えば、日本外交に貢献したと言っても過言ではなかろう。

 

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 近年のコロンビアは歴代政権による武装勢力解体が奏功し、治安が大幅に改善した。この影響で従来のコーヒー輸出に加え、石油や石炭など資源開発の投資流入が急増している。2006年以降のコロンビア経済は6%台の高い経済成長を続けていると聞く。是非同国を再訪し、この目で平和が戻った新生コロンビアを確認したいものだ。

 

(後記)

 11月30日コロンビア議会は、政府と左翼ゲリラ組織(FARC)が策定した新和平合意案を承認した。これによってコロンビア和平が正式に成立し、内戦終結が実現することになった。

 

                 ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 

 幣著書のお買い求めは、アマゾンなどインターネットショッピンや、最寄りの書店で可能です。なお、書店やネットショッピングで入手不可能の場合は、在庫が十分な世界の人形館でお求めできます。
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| 世界の旅―南米 | 12:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - | ↑TOP
リオ五輪とリオデジャネイロの旅
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 今日、8月6日は朝から様々な事があり、特別な土曜日になった。先ず、広島に原爆投下されて71年となったが、被爆者の平均年齢は80歳を越えて高齢化が進み、悲惨な歴史の生き証人が減る一方だ。次に全くの私事で恐縮だが、長期入院中の妻と千葉県・手賀沼の花火を楽しく鑑賞したつもりだが、認知症の進行で笑顔ひとつ見せなかったのは勿論、再婚相手は決まったの?と問いかけてくる。人生をギブアップしているようで、正直なところ悲しくなる。

 一方、ギブアップが許されないのがスポーツであろう。暑くて重苦しい一日で終わるのを救ってくれたのが、国境の壁と政治色を取り払うスポーツの祭典、オリンピックである。南米大陸初の第31回オリンピック競技会リオデジャネイロ大会の開会式が、5日(日本時間6日朝)ブラジルのリオデジャネイロで行われた。夜更かしの影響で眠い目をこすりながら、サンバの国らしい賑やかな開会式をテレビで視聴した。

 

 史上最多となる205ヵ国・地域の選手たちと、国際オリンピック委員会が今回初めて設けた難民選手団を含め1万人以上が参加した。272の国と地域を旅した私ことワールド・トラベラーにとり、参加国・地域は全て訪問済みで馴染みがあり懐かしい。日本からは338選手が出場し、役員などを含む選手団は過去最多で600人を超える。一方、組織ぐるみのドーピング不正が明らかになったロシアは110人以上の選手が出場除外となった。

 本来のオリンピックとは、国を挙げて歓迎すべきオメデタイ祭典であろう。しかし、南米初のオリンピック開催にも拘わらず、ブラジル国内の一部では歓迎されない逆風のムードでデモも行われた。中国経済の減速などによる不景気、ルセフ大統領の職務停止、凶悪事件の多い治安悪化、ジカ熱などの諸問題を抱えているからである。
 

 開会式の模様を終始注視していたが、一見華やかイベントが繰り広げられる割にはあまり金をかけていないなあ〜と感じたことである。先ず、開会式が行われたマラカナン・スタジアムは22年前に訪れたが、普段はサッカーが行われており既存会場を有効活用している。また、その他の会場も意外にコンパクトで、特

に水泳会場は狭く感じるほど経費節減しているようだ。 

 リオ市に依れば、当初の大会予算総額は約6400億円だが、実際には4100億円で済んだ由。組織委員会の会長は「貧しくても、それぞれの現実に合わせればオリンピックは開催できる」と言うが、まさに名言で全く同感である。次回の開催国関係者も、この会長の爪の垢を煎じて飲むべきではなかろうか!?合理化などして数千億円で済むのか、或いは大判振る舞いをして数兆円まで膨らむのか未だにハッキリしないと聞く。

 

    

       開会式の全景    環境に配慮のエコ聖火   日本選手団入場

                           (ネット及びテレビより転用・加工済み)

 

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 さて、ブラジルへの旅だが、筆者は1994年4月と2003年の2度出かけており、2016年2月2日付けの幣ブログ「ジカ熱流行で大騒ぎのブラジルへの旅(その1)」で、雄大な大自然が広がるイグアスの滝やアマゾン河などを紹介した。今回はリオ五輪・パラリンピックの舞台、リオデジャネイロ(以下リオと略す)につき少し触れてみたい。

 人口は約630万人とサンパウロに次ぐブラジル第2の大都市で、1960年のブラジリア遷都まで首都であった。ブラジルを代表するビーチリゾート地、世界三大美港の一つ、ボサノバ音楽発祥の地として世界的に知られる国際観光都市だ。因みに、市名の由来だが、ポルトガル語で「1月の川」を意味するが、1502年1月にこの地の湾を発見したポルトガル人が川(リオ)と勘違いしたためだ。

 

 「ナポリは見て死ね」に対し、この街は「リオを見て蘇る」と言われる。 美しい景観を持つ持つ港は世界中に数多あるが、その中でもオーストラリアのシドニー港やアメリカのサンフランシスコ港と共にリオデジャネイロ港は特に美しいとされ、世界三大美港と言われる。ほかに華やかで賑やかなカーニバル、ゴージャスなムードが漂うビーチリゾート、エネルギーが溢れる天衣無縫なリオ生まれのカリオカたちなど、その魅力は数知れず旅人を飽きさせないものがある。

 街全体の感じをズバリ把握するなら、海抜709mの絶壁の丘・コルコバードの丘がイチ押し。旧市街の南外れにあるコズメ・ベーリョから登山電車でゴトゴトと乗ること約20分、丘の頂上近くに着くと頂には朝日を浴びた大きなキリスト像がそびえ立っていた。1931年に建造されたリオのシンボル像のサイズは、台座を含めた高さは38m、横に広げた両手の幅が28mもある巨体だ。頂からは箱庭のようなリオ全体が見渡せ、白い弧を描く海岸線と特異な形の山々、林立する高層ビル群が織り成すコントラストの見事さには言葉を失うほどだ。

    

   コルコバードの丘     ポン・ジ・アスーカル   コパカパーナ海岸を散策

                                 を背にした筆者      

 

 曲線美が見事な街リオらしい風景が見られるのが、ウルカ海岸とベルメーリャ海岸の間にある小さな半島に突き出した海抜396mの特徴ある奇岩ポン・ジ・アスーカルである。アメリカのヨセミテ公園のハーフドームに少し似ており、大西洋に浮かぶポルトガル領のマディラ島の砂糖を盛り付けた様子から名付けされたとされる。開放的なリオらしいスポットとして最も人気があるのが、長さ約3kmのビーチが弧を描くように延びるコパカパーナ海岸だ。ビーチでは海水浴や日光浴のほかに、サンバが流れてくる中をサッカー大国らしくフットサルやビーチバレーなどを楽しむ人たちが多い。

 毎年2月になると、世界からどっと観光客がやって来る。お目当ては、リオの華・カーニバルだ。この時期以外でも、その雰囲気が実感できる。先ず、カーニバル専用会場、サンボドロモを訪れると良い。魅惑的な夜になれば、旧市街セントロにあるサンバーショー劇場でディナーを食べながらのショー鑑賞がピッタリである。客も舞台に上って踊ったり、背の高いスタイル抜群のダンサーと一緒に写真を撮ることができる。

 

    

 マラナカン・スタジアム    サンバショー劇場で   近代的なカテドラル

 付近を散策する世界の旅人  舞台に上がる

 

 ほかにリオ中心部で見落とせないスポットとして、収容人数12万人が自慢の世界一のサッカー場マラカナン・スタジアム、1976年築と新しいがピラミッドに似た高さ80mもある近代的なカテドラル、路面電車の陸橋になっているカリオカ水道橋などがある。

 

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 今回のオリンピック競技は21日までの17日間にわたり28競技306種目で熱戦が繰り広げられるが、4年後に東京五輪を控えているだけに日本勢の金メダル獲得数が気になる。15個との関係者の期待が大きいようだが、筆者は11〜12個ぐらい獲れば上出来と予想している(後記:最終的に獲得した金メダルは12で、金・銀・銅のメダル総数は41と史上最多となった)。

 因みに、筆者には次のブラジルに関する著書がある。ご興味があれば、是非ご購読願いたい。アマゾンなどのネットショッピング、最寄りの書店で取り寄せ可能です。なお、書店やネットショッピングで入手不可能の場合は、在庫が十分な世界の人形館でお求めできます。

 

    『 世界を動かす少数民族 』    『トラベル・イズ・トラブル 2』 

  

     幻冬舎 定価1,350円+税     ルネッサンス・アイ 定価1,300円+税

 

その他お問い合わせ:

世界の人形館 TEL 04−7184−4745
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| 世界の旅―南米 | 23:04 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - | ↑TOP
ジカ熱流行で大騒ぎのブラジルへの旅(その1)
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 間もなく始まるリオのカーニバル(2月5日〜8日)と、8月5日〜21日に開催されるリオデジャネイロのオリンピック・パラリンピックの舞台国ブラジルで、ある感染症の流行で大騒ぎのようだ。それはジカ熱である。ブラジルなどの中南米で拡大中のジカ熱の流行に対し、世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。2014年8月、西アフリカを中心に感染が拡大したエボラ出血熱以来の緊急事態宣言だ。

 ジカ熱は蚊が媒介するジカウィルスを原因とした感染症で、昨年5月にブラジルで感染が報告された。このウィルスは1947年ウガンダで猿から見つかり、1952年にウガンダとタンザニアで人への感染が初めて確認された。症状は風邪に似ており、これまではアフリカ、中南米、アジア、オセアニアの熱帯圏で患者が多かった。
 最近問題視されるのは昨年10月以降ブラジルで4000人以上の小頭症の新生児が確認され、ジカ熱との関連が疑われていることだ。
現時点で28ヵ国・地域に拡大し、感染者は最大400万人に達しようと懸念されている。今のところ有効なワクチンや治療法が無く、世界保健機関(WHO)は妊婦には渡航を控える一方、どうしても渡航の場合は医師と相談の上、長袖の服を着用するなど蚊から身を守るよう促す。

 さて、BRICs(Brazil,Russia,India,China and South Africa)という新興大国グループの一員であるブラジルは、ともに世界5位の広大な領土と約2億人の人口を有する将来性十分な国である。資源のほうも鉄鉱石や次世代エネルギーとして期待されるバイオエタノールなどの天然資源が豊かであるほかに、観光資源にも恵まれてスケールの大きなものが多い。
 私こと
ワールド・トラベラーの同国訪問は1994年4月と2003年7月の2度だけだが、約1ヵ月の間にほぼ全土を回った。リオデジャネイロはオリンピック開催の時に触れる予定で、今回はリオ以外の観光名所の前編を紹介したい。


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 先ず、ブラジル特有のスケールのでかいものを取り上げよう。1994年にブラジル・アルゼンチン・ペルーを訪れた旅は初めて南米を周遊するもので、観るもの、聞くもの全てが筆者の好奇心の対象になった。その最たるハイライトはイグアスの滝である。世界三大瀑布の一つとして、大小300の滝がブラジルとアルゼンチンの国境約4kmにわたって続く世界最大幅の滝だ。

  
イグアスの滝全景を俯瞰   ブラジル側での筆者        悪魔の喉笛
 中央奥は悪魔の喉笛


 最大落差100m、毎秒6.5万トンの水量を誇り、轟音とともに降りかかるすさまじい水煙のスケールは文句なしに世界最大級だ。最も大きい滝は「悪魔の喉笛」と呼ばれ、幅が2700mのうち約2100mがアルゼンチン側にある。同国側の良いのは、何と言っても悪魔の喉笛を間近で上から見ることができることだ。滝壺近くの展望所に接近すると豪快な滝の水しぶきが舞い、その飛沫でびしょ濡れの手荒い洗礼を受けた。
 他方、ブラジル側の良いところは、イグアスの滝全体をパノラミック、換言すれば横にワイドに見ることができる。特に、滝の中段近くまでせり出した展望台からの眺めは、アルゼンチン側にはない迫力がある。また、写真撮影の観点ではブラジル側のほうが迫力のある景色が撮れるし、日差しの向きを考えると逆光にならない午前中のほうをオススメしたい。両国側にそれぞれそれなりの長所があるが、結論として時間があれば両サイドを訪れることを是非おススメしたい。

 この滝に勝るとも劣らないのが、2度の旅で訪れた世界最大の河川アマゾンである。全長は6516kmと世界第2だが、支流が多く世界第一の流域面積705万k屬鮓悗襦F本の19倍近くもある大河は、ブラジル・ペルー・ボリビア・コロンにビア・ベネズエラ・エクアドルなど9ヵ国にまたがる。もし、アマゾンが国だったら、世界で9番目に広い国土と世界最大の自然資源を持つ大国になる。
 源流はペルーの万年雪を頂くアンデス山脈の標高5597mのミスミ山の麓で、アンデスの雪解け水がチョロチョロと流れ出る小川だ。この大河は流れる地域により異なる名称を持ち、マラニョン川(アンデス山中)➡アマゾン川(ペルーのイトキス)➡ソリモンエス川(ペルー・ブラジル国境)➡アマゾン河(ブラジルのマナウス)➡大西洋に注ぐ。川と言うよりも内海と言った感じで河口の川幅480kmもあり、中流にあるマナウスでも10kmを超える。

 河口近くにある港湾都市がベレンで、2003年7月に訪れた。ここから約1500km上流に向かうと、アマゾン河流域では最大都市のマナウスがある。2度も訪れた大好きな町で、ハイライトはピラニア釣りやジャングルクルーズなどを楽しんだアマゾン河クルーズだ。このクルーズでの見どころは、色の違う川の合流である。本流である黄色いソリモンエス川と支流の黒いネグロ川が出会う2河川合流点に向かった。最初は黒かった川に黄色い川が寄り添ってくるが、2色の川が合流後も混じることなく延々と流れて行く光景は不思議でミステリアスだ。これは両川の5度以上もある水温差と、水流の速さの違いによるものとか。

       −− アマゾン河をクルーズするワールド・トラベラー −−

  
   マナウスで     ソリモンエス川(左)と     ベレンで

           ネグロ川(右)の合流場所

 世界最大と言えば、パンタナール大湿原も凄い!見渡す限りの大湿原は、大河アマゾンや圧倒的な迫力を誇るイグアスの滝と共にブラジルの三大自然と呼ばれる。アンデス山脈とブラジル高原の間にある盆地状の低地で、雨季となる12月から5月に降る雨で川の水が大幅に増える大氾濫原だ。総面積は日本の本州と同じ約23万k屬如■僑亜鵑鮴蠅瓩襯屮薀献襪梁召法▲僖薀哀▲い筌椒螢咼△裡灰国にまたがる。ブラジル側ではマット・グロッソ州に属する北パンタナール、マット・グロッソ・ド・スウ州に属する南パンタナールに分かれる。
 乾季には小高い丘だった場所が島のように点在する大湿原が出現、6月中旬〜10月頃の乾季にようやく水が引き観光のベストシーズンに突入する。このように季節によって 水が入れ替わるという珍しい自然環境が豊かな土壌を育み、数多くの動植物の生命の楽園となっている。野鳥は900種ほど、淡水魚は約450種、野生動物も400種以上が棲息すると言われ、種類の多さはアマゾンを凌駕する。野鳥のコロニーや猛魚ピラニア、黄金の魚ドラード、カイマンワニ、世界最大のネズミであるカピバ、アルマジロやオオアリクイなど珍しい動物が数多く生息する。

 
オススメの観光スポットだが、北パンタナールでは、中心都市クイアバから南西へパンタナール縦断道路を走行するとピラニアが面白いように釣れるピシャイン川、東約65kmにありミニ・ギアナ高地と言った感じのギマラインス高原、「花嫁のヴェール」と呼ばれる落差80mの滝ヴェーウ・ジ・ノイヴァなど。南パンタナールは、拠点の町カンポ・グランジの西南20kmほどにあるボニートの幻想的な青の地底湖や清らかなスクリ川、郊外のカイマン(ワニの一種)自然保護区などがある。

   −− パンタナール大湿原を行くワールド・トラベラー −−

  
 北パンタナール::縦断 南パンタナール:地底湖 南パンタナール:カイマン
  道路
周辺の湿原を観察             保護区でワニと戯れる?

                      (続く)


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               ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 無料講演を引き受けます。

 ワールド・トラベラーは年間4〜5件の講演・講義を全国各地で行っています。目的は地域や街の活性化と真の国際化推進、そして三流とも揶揄される日本外交再生などの一助です。そのために世界に関することであれば、旅行、文化芸術、宗教、歴史、政治や外交に関する国際情勢、グルメ、環境、経済や産業などジャンルを問わずワールド・トラベラーとして恥ずかしくない講演をします。しかも実体験をベースに、他人様の情報をコピペ(切り貼り)しない異色のノンフイクションをありのままにお話します。
 特に、最近話題のイスラムに関しては、イスラム圏で働き、住み、旅して42年以上のキャリアがあり、
イスラム講演は最も得意します。希望があれば、ご遠慮無くお申し出下さい。因みに、慈善活動のため謝礼は一切不要ですが、ご希望の主旨が筆者の平和的な理念などに反する場合は勝手ながらお断りすることもあります。予めお含み置き下さい。
                      ― ― ―  講演会風景 ― ― ―
  
 プロジェクターを駆使し講演     地球儀を前にして      満席の会場で熱心に聴講する
  するワールド・トラベラー      スピーチする筆者       多数の参加者たち 


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| 世界の旅―南米 | 21:01 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - | ↑TOP
H2Aロケット初の民間商業衛星打ち上げ成功と仏領ギアナの旅
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 昨日(24日)鹿児島県の種子島宇宙センターから、カナダの衛星運用大手テレサットの通信放送用衛星を搭載したH2Aロケットが打ち上げられ、見事に成功した。JAXA(宇宙航空開発機構)と三菱重工業による打ち上げだが、初の民間商業衛星の打ち上げとなる画期的なものである。
 これで国産主力ロケット、H2A・Bの打ち上げ31回のうち、30回も成功したわけだが、96.8%と言う成功率は下記の通り世界の主なロケットに比べても立派なものだ。これは我が日本が得意とする綿密な品質管理の賜物であり、モノづくりの原点を重視した成果と言えよう。
 
国・地域 ロケット名 打ち上げ回数(うち成功) 成功率
ロシア​  プロトン   401(354)    88.3%
米国   アトラス   387(340)    87.9%
欧州   アリアン   221(210)    95.0%
中国   長征     201(191)    95.0%
日本   H2A・B     31(30)               96.8%
 
 しかし、商業衛星打ち上げのマーケットは厳しく、特に打ち上げ費用が問題だ。今後の課題は先ず現行の100億円から精々70億円以下にしないと、世界の主力大型ロケットに太刀打ちできない。絶対的な国際競争力がある費用は50億以下と言われるが・・・。
 また、通信放送衛星は赤道の高度約36000km上空に配置されており、北緯30度から打ち上げる種子島は赤道(北緯・南緯0度)付近にある打ち上げ場に比べ不利だ。今回のH2Aも静止軌道の近くまで運べるよう改良されたが、その分がコスト高になるのであろう。

 
 
     H2Aロケット打ち上げ直後(ネットより転用・加工済み)
 
 赤道付近にある打ち上げ基地として有名なのは、南米のフランス領ギアナにあるクール―だ。ヨーロッパのロケット「アリアン」の打ち上げ基地として知られ、私ことワールド・トラベラーは1999年8月に訪れたことがある。クール―を含め、滅多に日本人が訪れない仏領ギアナの旅を紹介しよう。
 
 面積は北海道と同じ8万3534k屬世、人口はわずか18万人ほど。日本からおよそ1万5000km、 ブラジル北部と国境を接する。依然としてフランスの海外県として留まり、「赤道直下のフランス」と言われる仏領ギアナの道程は遠かった。成田からアメリカのアトランタ、プエルトリコのサンファンで乗り継ぎ、バルバドス、トリニダードトバゴ、スリナムに寄って仏領ギアナの首都カエンヌに到着した。
 人口が約9万人の可愛い町は、17世紀ごろフランス人によって建設された。きちんと区画整理された道路は碁盤の目状に走り、フランスの地方都市にいるような感じの町だ。しかし、見どころは特になく、バルミスト広場や魚市場などを散策したぐらいで郊外に集中している。筆者は今から30年近く前の商社マン時代に通信衛星ビジネスを手掛けたこともあり、先ずクール―のスペースセンター​を視察のため向かった。
 
 カイエンンヌの西55kmほどにあるクール―は太平洋に面し、欧州宇宙機関のスペースセンターで知られる小さな町。以前は何の変哲もない小村だったが、1960年代半ばに宇宙センターが建設されて現代的な都市になり、住民の大半はフランスから来た技術者やその家族だ。3時間のガイド付きツアーに参加したが、フランス語のみのガイドとは言いながら、無料でしかも親切で大変有意義であった。
 ビジターセンター、博物館、巨大なロケット打ち上げタワー管制室、フライト・コントロール・ルームなどを見学した。特にオフィスセンターから12km離れた所にそびえる高さ50〜60mはありそうな打ち上げタワーは迫力十分。ちょうど1週間後の韓国の衛星打ち上げの準備に入り、大いに緊張感が漂っていた。

   −−− 仏領ギアナを訪れたワールド・トラベラー  −−−
     
   カイエンヌのバルミスト広場     クール―の宇宙センター
 
 見学後は付近のロワイヤル島を観光した。クールー沖合いのカリブ海に浮かぶサリュー諸島 は3島からなるが、船に乗って1時間ほどでそのひとつロワイヤル島に着いた。フランスから送り込まれた8万人の囚人の中には、ドレフュス事件で有名なドレフュスなどの重要な政治犯も含まれ、無事に帰れたのはわずか2万人。忌まわしい過去があるが、ロワイヤル島から眺めた「悪魔島」と呼ばれるジャーブル島などの景観は、この世のものとは思えない美しさで息を呑んだ。
 
  
     悪魔島の全景を俯瞰      マウリ川をカヌーボート遊覧
 
 カイエンヌから車で南へ走ること約30分、ルーラという村に着いた。そこでカヌーボートに乗り、鬱蒼とした原生林に覆われアマゾン河流域に似たマウリ川やその支流ガブリエル・クリークを巡った。ボートが何度も転覆しそうになるほどスリリングで、途中で泳いだりもして至福のジャングルツアーを存分に堪能した。
 
          ワールド・トラベラーの主な著書紹介

      私はワールド・トラベラー             『 272の国と地域を制覇した
    世界257ヵ国・地域を旅した男 』      77歳のワールド・トラベラーは
                 文芸社            
たった1人で紛争地を旅した!』 幻冬舎
      
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     『 トラベル・イズ・トラベル     『 ワールド・トラベラーだけが知る  
     安全な旅は退屈だ!!』                素顔のイスラム
       ルネッサンス・アイ                新潮社
      
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安倍首相とワールド・トラベラーの中南米歴訪
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 今回のタイトル、「安倍首相とワールド・トラベラー」は両者間で何か特別な因縁がありそうな感じであるが、今のところは「無関係」という関係である。紛らしい冒頭になり恐縮している。ただし、このブログを総理がご覧になれば、99.999−−−%の確率で筆者に興味を示されるであろう。

 さて、7月25日から中南米5ヵ国を訪問していた安倍晋三首相が、一昨日の8月4日に帰国した。同首相が訪れたのは、メキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリ、ブラジルの5ヵ国である。安倍政権が発足してから19ヵ月で47ヵ国訪問済みにつき、2ヵ月で5ヵ国を回るハイペースだ。地球儀俯瞰外交と積極的平和主義を掲げる安倍首相の面目躍如であり、ご立派という他ない。但し、中国と韓国が未訪問ではアジア重視とは言えず、中韓抜きは飛車角落ちの将棋になり相手国には失礼になろう。
 この調子で行けば、また4年7カ月もの長期政権が続けば、私ことワールド・トラベラー・トラベラーが持つ
272国・地域に並ぶ計算になる。しかも、筆者がこの記録を達成するまで46年近く掛かっており、桁違いに超高速の素晴らしい記録達成になる。来る9月早々久し振りに内閣改造があるそうだが、小泉政権以来の長命になれば、訪問国の記録を今後も更新しそうだ。

 地球儀をひっくり返せば、今回の訪問国の正確な位置が分かる。要するに、我が日本から見ればほぼ正反対に位置する。斯様な遠隔地まで出かける主目的は、経済成長が著しい中南米のマーケットに食い込み、国際社会で日本びいきの仲間を増やすことであろう。ビジネスに関しては、経団連の榊原定征会長をはじめ70名の財界ミッションが首相に同行した。
 余談になるが、筆者が商社マン(三井物産)として繊維の輸出を担当していた時代、最重要取引先が東洋レーヨン(現在の東レ)であった。6歳も年下の榊原氏は入社後、中央研究所に在籍していた。面識はなかったが、お名前は数度聞いたことがある。その人が財界総理になるとは、世の変転が感慨深い。
 
 今回の訪問国で聞き慣れない、オヤッと思うのがトリニダード・トバゴという小国。これは2015年10月に国連安全保障理事会の非常任理事国選挙を控えており、同国が加盟するカリブ共同体、略称カリコム(CARICOM)首脳会合で支持を呼びかけた。しかし
、安倍首相懸命の追っかけにも拘わらず、所詮二番煎じは拭いきれない。
 と言うのは、日本の歴代の首相に比べ安倍晋三首相は確かに積極的な御仁だが、残念ながら2周ほど早く駆け巡ったランナーがいる。中国の最高指導者、習近平国家主席である。昨年は2013年5月31日〜6月8日にメキシコ、コスタリカ、トリニダード・トバゴの3ヵ国、本年は2014年7月15日〜23日にブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ、キューバの4ヵ国訪れていたのだ。また、各国でインフラ整備などの支援を表明し、大歓迎を受けている。
 新興大国BRICSの一員ブラジル、BRICSに続く有望新興国VISTAの一員アルゼンチンなど、将来性がある国が多い中南米重視の姿勢は鮮明である。特に、中南米33ヵ国で構成される中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)に100億ドル融資するなど、具体的な経済協力を打ち出して着々と布石を打つ。

 次の日中両首脳の歴訪図を見れば、日中間で歴然たるアプローチ差があることは否めない。特に、現地国の訪問回数及び訪問時期で我が総理の劣勢は明々白々であり、後塵を拝する恰好になっている。

      −−− 日中両首脳の中南米歴訪マップ 
−−−

 
     (安倍首相の歴訪国)       (習主席の歴訪国)

 さて、スペイン語が簡単な日常会話程度ならできるワールド・トラベラーは、中南米は大好きなエリアである。もちろん国はすべて、カリブ海の島々などの地域も多数訪れている。安倍首相が歴訪した国では、メキシコは1993年11月以降3回、トリニダード・トバゴは1999年8月、コロンビアは2000年12月、チリは1995年1月以降4回、ブラジルは1994年4月と2003年7月に旅している。各国での思い出深い印象的なトピックスなどを簡単に紹介しよう。

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 まず、中米の大国メキシコは、初めて訪れたラテンアメリカの国であった。第二次大戦後の若かりし頃に様々な音楽が日本に入って来て流行ったが、最も気に入ったのがトリオ・ロス・パンチョス。メキシコのラテン音楽のグループで、特に「ベサメ・ムーチョ」は今でも口ずさむ。以来憧れに近いものを抱き、メキシコを是非訪れたい気持ちに駆られた。
 今から21年も前に初訪問後3度旅し、ほぼ全土を回った。アステカやマヤなどの文明遺跡、あのグランド・キャニオンをも上回る雄大なスケールのコパー・キャニオン
、荒野に林立する大きな
サボテン、喘ぐような感じで高度を上げて行くチワワ太平洋鉄道、美いカリブ海のビーチリゾート・カンクン、迫力十分であったカリフォルニア半島での豪快なホエール・ウォッチングなど見どころ満載の旅を満喫した。

 2度訪れたテオティワカン遺跡は首都メキシコシティより北50kmにあり、紀元前2世紀頃アステカ人が築いたラテンアメリカ最大の宗教都市国家である。高さ65mの太陽のピラミッド、高さ46mの月のピラミッドの上からの眺めは最高だ。しかし、標高が2000m以上のため、上り下りは見た目よりも思いの外きつかった。他にも、階段の勾配が急なウシュマル遺跡の魔法使いのピラミッド、チチェン・イッツァ遺跡のエル・カスチージョなども同様で、息も絶え絶えになり顎が上がった。マイペースでゆっくりと登るほかに、十分な水補給などの対策が必要だ。
 
マリアッチも忘れ難いものがある。一般的にメキシコ人は陽気で明るく、楽しく人生をエンジョイする。彼らの歌や踊りには、先住民の文化が受け継がれている。その代表がマリアッチで、伝統的な民族衣装を着て愛や別れの歌、祭りの歌などを披露する楽団だ。澄み切った青空の下でカフェテラスで憩う人々の間を、恰幅の良い体を派手な民族衣装で包んでソンブレロ(帽子)をかぶり演奏するが、昔はマリアージュという結婚式で演奏したのが由来とされる。

 カリプソ音楽発祥の地として知られる
トリニダード・トバゴカリブ海最南端の島国だが、この国を知る日本人は少なかろう。国名の通り、トリニダード島とトバゴ島から成り、首都ポートオブスペイン(POS)は主島のトリニダード島にある。面積は千葉県とほぼ同じ広さの5128k屬如⊃邑は約130万でインド人が多い。1962年にイギリスから独立したが、16〜18世紀はスペイン領であった(トバゴ島はフランス領)。POSの首都名はその名残りだ。
 小さい島国だが、リンボーダンスやスチールドラムが生まれるなど、非常にユニークな国もである。石油を産出するため、1人あたりGDPは2万ドル以上と中南米では上位に入るほど豊かである。ポートオブスペインの人口は約35万人で、カリブ海諸国では有数の商工業都市として賑わう。

 観光スポットは、トリニダード島にはそれほど多くなく、POSでは歴史的な館群が並ぶ「壮麗なる7軒」ぐらいだ。むしろ見どころはトバゴ島のほうである。トリニダード島の北東に浮かぶトバゴ島は、東西40km、南北12kmの細長い島だ。黒人のアフリカ系住民が多く、「ロビンソン・クルーソー」の伝説の島とも言われる。POSから飛行機で30分ほどで着いたが、先ず目に付くのが実に海とビーチが美しいことだ。海岸はサンゴ礁に取り囲まれ、南国情緒豊かなヤシの木が立ち並ぶ。ブッコー・コーラル・リーフ、ストア・ベイ、ピジン・ポイントのほかに、スカボロー南東外れの丘の上に建つキングジョージ砦がおススメのスポットだ。


 −− メキシコとトリニダード・トバゴで寛ぐワールド・トラベラー −−
  
  メキシコ:メキシコシティ   メキシコ: テオティワカン    トリニダード・トバゴ:トバゴ
   でマリアッチと仲良く        遺跡の太陽のピラミッドで
      島のストア・ベイで泳ぐ

 この砦で三脚を使ってビデオ撮影中、あまりの景色の良さに撮影に夢中になり、うっかりして三脚を引っ掛けてしまった。そのためビデオカメラが落下し、運が悪いことに下が硬いコンクリートであったので完全に損傷し使用出来なくなった。旅の序盤の事故で以降の撮影が不可能になったが、やはり重たいが予備品の持参を痛感した。その後海外旅行の携帯品は重たくなるが、基本的に予備のカメラとビデオを必ず持参する。

 次に、黄金郷エル・ドラード伝説があるコロンビアは、優れたインディヘナ文化を持つ一方、コカインとゲリラ活動など南米の矛盾と混沌を重く引きずる不思議な国だ。また、コーヒー輸出が盛んで、エメラルドの産出量は世界一だ。資源が豊かにも拘わらず、反政府勢力がずっと存在し紛争が絶えないのはどこかのアフリカ諸国に似る。
 1886年にコロンビア共和国が成立し、1958年に軍事政権が倒れた後は二大政党体制が続いて来た。他方、地方山間部で左翼ゲリラ組織の「コロンビア革命軍(FARC)」、大農園などの右翼民兵組織、コロンビア国軍の3者が入り乱れた内戦で
1990年以降だけで4万人が殺されたと言われる。因みに、
1969年に結成されたFARCは社会主義革命を目指す反政府組織で、旧ソ連共産党の影響を受けた中南米最大の左翼ゲリラだ。農民が主体のほかに幹部はインテリが多く、主な資金源はコカインの生産や密売、誘拐の身代金とか。しかし、2002年以降は米軍から最新兵器の供与を受けたコロンビア政府軍の包囲などにより、FARCの兵力が半減した上にカリスマ的な最高司令官の死亡で急速に弱体化しているとも聞く。

 筆者が訪れた当時(2000年)は治安が悪い最中で危険なため、観光どころではないとして外国から訪れる観光客は皆無であった。こうした影響でホテルはどこもガラガラで、多分ホテル代は安くなるだろうと思って首都サンタフェ・デ・ボゴタの超高級ホテルに泊まった。チェックインの際に受付で”何の用事で来ましたか?”と聞かれ、怪訝な顔をされた。”観光で来たんですよ!”と言うと大喜びでシングル・ルーム予約が超豪華なスイート・ルームになった。ただし、夜間の外出は危険につき控えるようにと釘を刺され、世界一の暴力犯罪率を誇る国柄と聞かされていただけにやむを得なかった。
 しかし、実際に各地を回ってみると、時々警察のパトロールは見かけたものの意外に平穏であった。また、観光客がほとんどいないため混んでおらず、ユックリと見どころ満載の観光を楽しむことができた。

 標高が2640mもある高原都市ボゴタでは、旧市街の荘厳なカテドラル、見晴らし抜群のモンセラートの丘、世界有数の黄金博物館などがオススメだ。郊外では、岩塩洞窟で有名な町シパキラの岩塩教会、化石の町ヴィジャ・デ・レイバの南米最大との中央広場などが見逃せない。どこへ行っても外国の観光客を見かけることは無く、それほど訪問当時は治安が悪かった。それだけにどこでも「こんな時によくぞ来ていただいた」と大歓迎され、こちらも地元の人たちに元気と希望を与えたはずだ。
 治安が悪いとして一方的に敬遠するのではなく、むしろ紛争地を訪れて現地の人たちを勇気づけるべきではないか?
これこそ本物の国際交流、或いは大袈裟に言えば、日本外交に貢献したと言っても過言ではなかろう。


  
コロンビア:ボゴタのボリ コロンビア:ヴィジャ・ コロンビア:シパキラ
ーバル広場とカテドラル  デ・レイバの化石看板  の幻想的な岩塩教会

  国土の南北がなんと4270kmもある
チリは、東西の幅が平均わずか175kmしかない世界で最も細長い国と言える。日本から1万7300kmも遠く離れた国を訪れるきっかけになったのが、1995年1月のあの阪神大震災直後の南極への旅であった。南極に一番近い国はチリで、1000kmしか離れていない。アメリカの極地ツアー催行会社の南極探検クルーズに参加するため、チリの首都サンティアゴに集合して南極に向かった。初めての極地への旅は毎日がまさに感動の連続であった。
 その後チリが大好きになり4度も訪れ、サンティアゴをベースにほぼ全土を回った。北部ではペルーとボリビア国境近くの町アリカ、ボリビア国境近くのアンデス山脈に囲まれ美しいチュンガラ湖があるラウカ国立公園、世界最大級の銅山があるカラマ、世界で2番目に大きい塩湖・アタカマ塩湖があるサンペドロ・デ・アタカマ、荒涼たるアタカマ砂漠、中部は同国最大の港湾都市バルパライソ、チリ随一のビーチリゾートのヴィーニャ・デル・マル、南部はパタゴニア観光基地として知られるプエルト・モン、尖塔状の花崗岩の峰が並ぶパイネ国立公園、マゼラン海峡に面するチリ最南端の町プンタ・アレナスなど。

 一級品の観光スポットが多かっただけに、忘れ難いことがいくつかある。プエルト・モンの約20km北にプエルト・バラスという町があり、神秘的なエメラルド・グリーンの水をたたえたジャンキウエ湖の畔にある。この付近から湖の正面に標高2661mのオソルノ山 がそびえ、富士山そっくりのため「チリ富士」と呼ばれ、湖に映える姿は端正そのものでまるで一幅の絵のよう。
 一方、カラマ北郊外に世界最大の露天掘り銅山、チュキカマタ銅山がある。銅山見学ツアーに参加するため、ヘルメットを借り専用バスに乗り込んだ。採掘場の規模は、長さ約5km、幅2km、深さ700mもあり巨大なすり鉢のよう。広大な採掘現場では超大型トラックがもうもうと砂埃を上げ、次から次へと銅鉱石を運んで行く様は圧巻の一言であった。

 チリ本土以外では、1995年5月に出かけたイースター島の旅がある。本土から3800kmも離れ、太平洋にポツンと浮かぶ絶海の孤島である。謎だらけの巨石像モアイやラノ・カウ山の巨大なクレーターなどが見逃せない。像の大きさは3.5m、重量20トン程度のものが多いが、最大級のものは20m、重量は90トンに達する。これらの巨大なモアイ像が部族間抗争で多数倒され放置されていたが、日本のタダノがクレーンなどを島に持ち込み、15体のモアイ像を復元・修復をして話題になった。


  
チリ:オソルノ山を背にして   チリ:チュキカマタ  チリ:イースター島のアフ・アキビ
ジャンキウエ湖畔の筆者    巨大な露天掘り銅山    のモアイ像と世界の旅人


 最後に、過日世界のサッカーファンを熱狂させたFIFAワールドカップの開催国ブラジルは、国土面積と人口が共に世界第5位の大国である。中国やインドに続く代表的な新興大国として、多少問題はあるものの将来性は十分と言えよう。2度しか訪れていないが、全国の主要地はほぼ回った。詳細は6月14日付の幣ブログ「サッカーとワールド・トラベラーのブラジル大周遊をご覧頂きたい。旅人を魅了するものが多々ある国である。

    
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 アフリカにせよ、中南米にしても日本は中国の大きな背中を見て走っているのが実情だ。確か15年ほど前より中国の首脳はトップセールスで、世界を行脚している。他方、我が国は頻繁に首相が交代するため、外国訪問が疎かになり勝ちである。加えて戦前より華僑は世界に散らばり、その土地で根付き同化してきた。どこへ行っても、どんな辺鄙な所に行ってもあるのが中華料理店だが、日本料理店の進出先は限られている。近年は世界の工場として「Made in China」が世界を席巻し、ところ構わず氾濫している。
 結果的に後手後手に回っている我が日本だが、巨象(中国)と真っ向勝負していては勝ち目も意味も無かろう。充実した内容と本物志向で勝負し、また平和でキメ細やかさがある長所を最大限に生かし、ヨコから攻める策略があって然るべきと思うが如何?


               ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

筆者(ペンネーム:高やすはる)が著した本が文芸社より発売中です。
書名は
私はワールド・トラベラー世界257ヵ国・地域を旅した男
定価は本体1、500円+税。お買い求めはインターネット(アマゾンや楽天ブックスなど)、または最寄の書店でどうぞ。
  なお、本書は単なるトラベル・ガイドブックではありません。日本の将来を憂い、 特に三流とも揶揄される日本外交に対し、ズバリ直球でもの申す本物志向の提言書でもあります。是非ともご愛読のほどお願いします。


 
     表紙カバー                      口絵
 
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エクアドル強盗殺人事件と不思議のガラパゴス諸島への旅
12

       2014年(平成26年)!

 
明けましておめでとうございます。新年のご挨拶が遅れ恐縮です。実は私事になるが、約10年間も溜めた膨大な写真の整理に忙殺され、年末年始に一気にほぼ片付けた。一段落して久しぶりに溜めた新聞を読んでいると、南米の赤道直下の国、エクアドルの大都市グアヤキルで起きた日本人夫妻殺傷事件を報じた記事が目に付いた。

 

 事件は昨年12月28日に新婚旅行中の夫婦が銃で襲われ、夫(28歳)が死亡し妻(27歳)も重傷を負ったもの。市内北部にあるホテル付近の路上でタクシーを拾って乗車したが、8人組とみられるグループが夫妻の後を車でつけて襲撃。2人が路上に倒れているところを付近の住民に発見された。防犯カメラの映像などから、2台のタクシーで犯行グループは逃げたらしい。これは近年中南米で横行している短時間犯罪の「特急誘拐」とされ、所持品も全て奪われたとか。

 我が日本外務省によれば、エクアドルで発生する誘拐事件のうち約3分の1がこの聞き慣れない特急誘拐で、この種犯罪はタクシーを乗った時に強盗に遭ったりお金を強要されたりする短時間犯行である。事件後に同国のセラノ内相は犯人逮捕に結び付く有力な情報提供があれば、最大10万ドルの懸賞金を出すと言っている。果たして犯人検挙のため本気なのか?、或はひょっとすればジェスチャーなのか? ケセラセラ Que sera sera、いわゆる「なるようになるさ」が日常茶飯事である楽天的なラテン気質の典型に思えてならないが―。
 

 南米の治安はアフリカなどに比べ、全般的に極端に悪くはない。確かにエクアドルの隣国コロンビアの一昔前は深刻で、1960年代中ごろ始まった左翼ゲリラや麻薬組織などによる内戦に苦しめられた。筆者は2000年12月に同国の首都サンタフェ・デ・ボゴタなどを訪れたが、治安悪化で敬遠され観光客はどこも皆無で閑古鳥が鳴いていた。現在もコロンビア革命軍による抵抗は残るも、数年前に内戦は概ね終わり治安は比較的良いと聞く。

 意外に警戒すべきが、アルゼンチンの首都でヨーロッパ風の香りがする街ブエノス・アイレスである。2000年2月の旅では空港到着後に写真撮影中に、なんと足元に置いていたビデオカメラなど入ったリュックサックが堂々と盗まれるトラブルがあり驚いた。同国ではケッチャップを使った「ケッチャップ強盗」など新手の犯罪もあるとか。
 

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 グアヤキル市街地俯瞰  ボゴタ:モンセラーテ丘 ブエノスアイレス:7月

 (ネットより転用加工)より展望する世界の旅人 9日通りを散策する筆者
 

 さて、本題のエクアドルだが、面積は28万3561k屬汎本の約4分の3。人口は約1360万人で、先住民のインディヘナと混血のメスティソが約8割を占める。1996年7月に同国を訪れており、その頃は特急誘拐なんて想像できないほど治安が安定していた。この旅では成田からニューヨーク経由で世界有数の産油国ベネズエラの首都カラカスに着き、1泊して小説「ロストワールド」で有名なギアナ高地の基地カナイマに入り、落差979mもある世界最長の滝エンジェル・フォールなどを観光後にエクアドルに入国した。到着したのは赤道直下の首都キトだが、訪問の主目的はもちろん、ダーウィンが「種の起源」を著した島として有名なガラパゴス諸島である。

 しかし、同諸島への直行便が無いため、グアヤキル経由でガラパゴスに向かった。従い、同市内を観光していないので、同地はよく知らない。インターネットなどで調べた限りでは、人口が200万人を超える南米有数の大都市だが、これと言った見どころはあまり無いらしい。むしろ、ガラパゴス諸島へ向かう基地拠点、或は内陸国ペルーへの中継基地として立ち寄ったり乗り継ぐ旅行者が多い。
 

 今から18年近く前のエクアドルへの旅は思い出深いものが多々ある。特にガラパゴス諸島でのユニークな異次元の体験は、265ヵ国・地域を訪れた私ことワールド・トラベラーを虜にした「世界不思議発見の旅」となった。南米大陸から960km離れた太平洋の真っただ中に浮かぶ、「魔法にかけられた島」と言われるガラパゴス諸島へ飛び、クルーズ船で諸島を5日間で周遊。空港のあるバルトラ島からスタートし、サンタ・クルス島、イサベラ島、フェルナンディナ島、フロレアーナ島、エスパニョーラ島などを巡った。

 各島に上陸後はナチュラリスト・ガイドによって引率され観察。島によって異なる動植物の異変の様相が、進化論へと進展してゆく事を学ぶアカデミックなクルーズを堪能した。毎日が好奇心に駆り立てられた不思議な諸島クルーズで特に印象に残ったのが、体重が200kg以上になる巨体のゾウガメ、ミニ恐竜を思わせる奇怪な姿のイグアナ、名前の通り青い足がひときわ人目を引くアオアシカツオドリ、高さが10mにもなる巨木のようなサボテンなどだ。
  

      −−−  想い出深いガラパゴス諸島3景−−−

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 クルーズ船:乗船した  イサベラ島:体重200kg フェルナンディナ島: 

 サンタ・クルス号   のゾウガメと仲良しの筆者  獰猛なウミイグアナ
 

 その後エクアドル本国に戻り、キトや近郊のインディオの町や村を回った後、ニューヨーク経由で帰国した。グアヤキルは標高2850mに位置するエクアドルの首都で、人口約120万人はグアヤキルに次ぎ第2位。かってはインカ帝国の北の都として栄え、1534年にスペインの植民都市になって以来カトリックの影響を強く残し、南北に約17km伸びる街は北の新市街と南の旧市街に分かれる。街の西側には、万年雪を頂いた標高5897mのコトパクシ山がそびえる。世界一高い活火山と言われ、「エクアドル富士」とも呼ばれる端正な山容が鎮座する。

 ほぼ赤道直下の常春の古都の見どころは、セントロという旧市街に多い。例えば、見晴らし抜群のパネシージョの丘、旧市街の中心にある独立広場、1657年築のドームが美しいカテドラル、1535年に建立された南米最古の教会として知られるサンフランシスコ教会・修道院などがある。 

 
 一方、アンデスの山々に囲まれた緑豊かな高原地帯が広がるキト郊外は、インディオが多く住みインディオの文化が残る町や村が多い。道中で人目を引いたのは目にも色鮮やかなインディオの民族衣装で、牧歌的な美しさを留めるアンデスの山並みも忘れ難い。

 見逃せないスポットしては、ミッター・デル・ムンドという赤道記念碑があるサン・アントニオ、土曜市が有名なオタバロ、アンデス山脈西麓にあるコタカチ、パン人形で有名なカルデロンなどが挙げられる。 

 
 因みに、エクアドルという国名はスペイン語で「赤道」を意味するように、文字通り赤道下に位置する。世界を股にかけて旅したワールド・トラベラーとして、もちろん数多くの陸地が赤道直下にある国々を訪れている。例えば、アフリカではコンゴ・コンゴ民主・ガボン・ケニア・ウガンダ・ソマリア、アジアはインドネシア、南米はエクアドルのほかにコロンビア・ブラジルがある。

 なお、オセアニア諸国は赤道が陸地を貫く国は無いが、排他的経済水域を赤道が通っている国がある。例えば、パラオ、パプアニューギニア、ミクロネシア連邦、キリバス、マーシャル諸島、ナウルである。
 

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キト:サンフランシスコ サンアントニオ:赤道 キト:バネシージョの丘

広場に建つ教会と修道院   記念碑に立つ筆者(左)  より新市街を望む
 

 今回の凶悪とも思える事件でエクアドルに対するイメージ低下は避けられそうもない様だが、我が国と同国を結び付ける偉大な先人がいる。それは野口英世である。1918年に黄熱病の研究のためエクアドルに渡って病原体を発見し、その功績が讃えため博士の名前を付けた学校や通りがある。また、1000円札に使われている肖像の写真は、なんとエクアドルに在留していた頃のものとは何かの奇縁であろう。

 エクアドル旅行者殺傷事件の問題点の一つに、料金が高いホテル手配のタクシーを使わず、安い流しのタクシーを利用したことが指摘されている。筆者も実際にはこのようなケースが多く、微妙で難しい問題である。エクアドル内相の言葉を信じ、一刻も早く犯人たちが捕まることを祈念してやまない。今回の事件だけを捉えてエクアドルを超危険な国と見做すのは早計かも知れない。

 
 世界の隅々まで回り旅慣れしているワールド・トラベラーとて、タクシー運転手にまつわるトラブルは枚挙に暇がない。むしろ、料金がさほど高くなく安全なタクシーの「運ちゃん」がいる国は世界でも少なく、シンガポールやドバイぐらいであろうか
。一方、我が日本のタクシーは安全だが、諸外国に比べてとにかく料金が高いのが難点だ。やはり海外旅行では、最悪は「Travel is Trouble 」を覚悟するほうが賢明のようである。いずれにせよ、重傷を負った被害女性の1日も早い快復を祈念してやまない。
 

          ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇
 

 ワールド・トラベラーのプライベート・ミュージアム、「世界の人形館」の見学者は実に多彩です。国際的なヴァイオリン奏者、アンナ・スタルノフスカさんもその一人。日露混血の才能豊かな彼女がプロデュースする、親子で楽しめるクラシック・コンサートが、千葉県我孫子市で次の通り行われます。世界の人形館はこの素晴らしいコンサートに賛同し後援しています。
 今回は東日本大震災の被災木から作ったヴァイオリンを1000人が弾きつなぐプロジェクトに参加する、大震災復興支援チャリティーコンサートです。
酷寒の折柄ですが、是非共ご来場下さい。お待ちします。


 クリックで挿入   
   コンサートのチラシ       アンナさん      けやきプラザ玄関 

  
     ☆☆☆
 千の音色でつなぐ絆コンサート 
☆☆☆

日時: 2014年1月25日(土) 17:00 開演 (16:30開場
19:30頃終演) 
場所:我孫子市けやきプラザふれあいホール
アクセス:常磐線・千代田線 我孫子駅南口徒歩1分
入場料:一般 1000円 子供(4歳〜小学生) 500円   
演奏者:アンナさんをはじめ10人ほどの奏者のほとんどが女性という異色の
顔ぶれ。また、そのうち3人が小学生。
お問い合わせ:TEL: 0297−68−9517 ジョイ・ファミリーコンサーツ

筆者(ペンネーム:高やすはる)が著した本が文芸社より発売されています。
 書名は「私はワールド・トラベラー 世界257ヵ国・地域を旅した男」、
  定価は本体1、500円+税。書店でお買い求め、又は注文できます。
  
また、楽天ブックスやアマゾンなどのインターネット・ショッピングもできます。なお、書店やネットショッピングで入手不可能の場合、常に在庫が十分
あります世界の人形館 で確実にお買い求めできます。

 
主なテーマ世界中の絶景と世界遺産、危険な地域、少数民族との出会いや グルメを紹介しつ つ、元・商社マンならではの鋭い洞察力と豊かな知見でチェルノブ イリ原発事故の 国々、恐怖の拘束を受けたリビア、タックス・ヘイブンの裏表、ドバイ 今昔物語、尖閣 諸島と世界の実効支配、北朝鮮問題の根源、アルジェリア人質 事件などを読み解き日本の将来と外交を憂うなど、異色の世界旅行記です。

  尚、本書は単なる旅のガイドブックではありません。日本の将来を憂い、特に三流とも揶揄される日本外交に対し、ズバリ直球でもの申す本物志向の提言書でもあります。是非ともご愛読のほど宜しくお願いします。 


 
     表紙カバー                     口絵
 

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