世界の人形館からの夢メッセージ

夢と寛ぎを紡ぐワールドスクエア
米朝首脳会談の舞台セントーサ島と我が総理の外交に想う
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 果たして予定通り会談が行われるのか、或いは中止するのではと一時は気をもませた史上初の米朝首脳、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長による会談が、愈々2日後の6月12日に開催される。本件については、既に5月16日付けの幣ブログ『史上初の米朝首脳会談が開催されるシンガポールの今昔』でアップ済みだ。注目の会談の場所は、シンガポール島のすぐ南に浮かぶセントーサ島にあるカペラホテル(下写真)決まった。2009年にオープンした新しいホテルだが、島随一の最高級リゾートホテルと言われる。

 ほぼ逆三角形をした島の北側では様々なレジャー施設やアトラクションが楽しめる一方、南側はシロソ・ビーチやパラワン・ビーチという静かなビーチが広がる。カペラホテルは島のほぼ中心に位置し、南欧でよく見かけるような赤い屋根が印象的で、何となくトランプ大統領のフロリダの別荘、マー・ア・ラゴに似ているような気もするのだが・・・。因みに、宿泊ホテルはトランプ大統領はシャングリラホテル、金委員長はセントレジスになるようで、共にシンガポール島にあり近接している。

 

   

                  

 さて、会談のほうだが、想定外 or 規格外とも言うべきビジネス第一の大統領らしからぬトランプ大統領に対し、34歳の若輩ながら体制維持のため強かな金正恩委員長の2人の御仁が話し合う。親子ほども違う年長者のトランプ大統領のほうが主導権を握っているように見えるが、実を取ろうとしているのはむしろ金正恩委員長であろう。両者に共通するのはビジネスであり、北朝鮮が我が国に求めるのは先ず経済支援であり、拉致問題はその後であろう。

 明らかにノーベル平和賞平和賞狙いの同大統領は非核化で煮詰めるほか、朝鮮戦争終結の合意に調印する可能性も示唆したが、果たして思惑通り事が運ぶであろうか。口癖であった「最大限の圧力」も北朝鮮を刺激するとして封印しており、根っからのビジネスマンらしい如才無い処世術である。他方、同委員長もシンガポール滞在中にカジノなどを視察し、不足気味な外貨獲得のため北朝鮮国内にカジノ特区を造るなど様々な外資導入を目論むであろう。 

 

 一方、外交が大好きな我が総理、安倍晋三首相は最近でも2度もトランプ詣でをし、米朝会談で 懸案の拉致問題を議題にしてもらおうと懸命だが、どうもボタンの掛け違いをしているようで笑止千万でならない。せっせと政府専用機に乗り高額の国費を使って外交に勤しむが、空回りするだけで実績や成果などは皆無に等しい。確かに外交キャリアだけはドイツのメルケル首相に次ぐが、長年対応してきた北朝鮮の拉致問題やロシアとの北方領土問題などは少しでも進展したのであろうか?かつて国会で「外交交渉において政治は結果だ」と同首相は答弁したが、その結果がきちんと出ているであろうか?反論があれば、是非ともお伺いしたいものである。

  またこれほど頻繁に夫人同伴で外遊する首脳は、世界でも類を見ないであろう。その夫人が森友疑惑に関与していなかったら、特に問題にはならなかったのだが・・・。外交に熱心なことに敬意を表したいが、お友達のトランプ大統領を見習いコストパフォーマンスを考えた実りのある外交を実践願いたき次第だ。そのためには北朝鮮に対して金太郎飴のように「圧力を続ける」という対北強硬姿勢をアピールし続けるのではなく、また同大統領に頼る他力本願ではなく、自らが金正恩朝鮮労働党委員長と腹を割った直談判が出来る度胸と実力が望まれよう。もし、トランプ大統領の口添えで拉致問題が解決しても、そのお返しは通商問題などで随分高い代償を払うことを覚悟せねばなるまい。

 

(後記)

 2018年最大とも言うべき政治ショーは、予定通り昨日セントーサ島で行われた。一応トランプ大統領と金正恩委員長は共同声明に署名したが、最重要の非核化は骨抜きにされ、アメリカが主張していたCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核放棄)には言及されなかった。また、声明には朝鮮戦争終結も盛り込まれず、さらに金正恩体制を保証すると言う、実質的に北朝鮮に利する会談に終始したようだ。元々中間選挙を意識しノーベル平和賞狙いの大統領にして見れば、委員長と会って握手するだけで大半の目的を達成したのであろう。

 一方、恥をさらした格好になったのは我が総理である。確かに会談でトランプ大統領から北朝鮮の拉致問題が提起されたが、極めて短時間の会合で相手方から良い返事が出るはずが無い。もっと、もっと真摯に当事者意識を持ち他国任せにせず、命を挺するぐらいの覚悟で金正恩委員長との直接対話を実践願いたいものである。(6月13日)

 

 ところで、セントーサ島は東西4km、南北1.5km、面積は4.71㎢の小さな島だ。東京・台東区の3分の1に過ぎないが、1972年からシンガポール政府肝いりの観光政策で開発されてきた。島名はマレー語で「平和と静けさ」を意味し、豊かな自然にも恵まれている。両首脳が非核化=平和につき話し合うには、まさに絶好の場所である。島は橋で本島と繋がれているほか、島に行く手段はモノレールやケーブルカー等がある。従い、これらのアクセスを遮断すれば警備し易く、これが会談場所として選ばれたのであろう。

 小島ではあるが歴史的な場所になろうとしているセントーサ島を、筆者は1977年7月と、ちょうど28年後の2005年7月に訪れている。30年足らずの間に島はどのように変貌したか、島の今昔を中心にして紹介しよう。

 

  ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆

 

 1977年の最初のセントーサ島訪問は、商社マン(三井物産)として駐在していたクウェート勤務を終えて帰国途中で立ち寄ったものだ。その時は妻、小学生の長男と次男を帯同していた。取引先のシンガポール駐在員などの案内で島を訪れたが、政府による開発が始まってから間もないため、テーマパークも少なく観光客もまばらであった。むしろまだまだ豊かな自然が残る静かな佇まいの未開発の島であった。

 当時は美しい庭園のほかに、スイミング・カヌー・ヨット・ゴルフ・博物館などが楽しめる程度のリゾート・アイランドであった。しかし、緑の少ない沙漠の国クウェートで3年余り過ごしていただけに、長男と次男の子供たちはオアシスのような広い庭園のなかで伸びやかに寛いでいた。

 

(1977年セントーサ島で家族と共に楽しんだ懐かしいスナップ)

  

シンガポール島を結ぶ橋  島内を走る循環バス    美しい庭園

 

  それから28年後の2005年には妻のほかに、次男に家族ができて嫁と2人の孫たちを引率する3世代旅行を堪能した。島は驚愕するほど大変貌し、見どころ満載のレジャーアイランドに変身していた。島内の移動は前回の訪問時には無かったモノレールやシャトルバスを利用したが、随分便利になったものだ。島の全てがファンタジー溢れる娯楽島は、老若男女を問わず昼も夜も楽しめる。アジアで唯一と言われるバタフライ・パークという世界昆虫館は、世界一大きなカブトムシをはじめ、4000匹以上の昆虫の標本を持つ博物館である。特に約50種、2500匹という蝶のコレクションは世界有数だ。

 アンダーウォーター・ワールドという水族館では、海底5mに造られた全長83mの透明なアクリルトンネルを進んで行くと、すっかり海中散歩しているような気分になる。ミュージカル・ファウンテンは、噴水とレーザー光線、音楽が世界屈指のハイテク技術により一体化した、水と音楽と光の芸術ショーだ。バタフライ・パークのそばにそびえ立ち、ひときわ目立つのが高さ37mのマーライオン・タワーである。マリーナ・ベイに面する本家の小さなマーライオン像に比べ、巨大で野性味が溢れ迫力がある。エレベーターで口と頭上にある展望台まで上ると、抜群の眺望が堪能できる。

 

  (28年ぶりに再訪した2005年セントーサ島への3世代旅行)

  

 マーライオン・タワー バタフライ・パーク ファウンテン・ガーデンズ

  

幻想的なミュージカル・   シロソ・ビーチ パラワン・ビーチで孫たち

  ファウンテン              (今は大学生と高校生)と泳ぐ

 

 2度目のセントーサ島訪問から早や13年が経つ。島の開発がさらに加速し、今やカジノやユニバーサルスタジオまであるから更なる驚きである。今回の首脳会談開催により一層知名度が上がり、世界的なリゾートアイランドとして益々発展しよう。

 

  ☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆━…━☆

 

 あれほど家族と至福のセントーサ島旅行を楽しんだ我が家だが、その後は如何であろうか。私事で恐縮だが、認知症を患う妻は4年近く闘病中で、延命医療を受け不帰の人にならんとしている。悲しく、やりきれないほど切ない。また、50代の長男と次男の家族は親の教育が悪かったのか、或いは筆者の不徳の致す所か、孫たちも含めほとんど寄り付かない。家庭崩壊の実情が恥ずかしくてならない。81歳になって送る独居生活は実に侘しく、世の無常を痛感する毎日だ。自業自得とは言え・・・。

 

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世界では珍しくない生前退位
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 83歳とご高齢の天皇陛下が今後も公務を続けるのが困難なことを案じ、陛下の生前退位を実現する特例法が、昨日(6月9日)参院本会議で可決され成立した。この生前退位が実現すれば、江戸時代後期の光格天皇以来、約200年ぶりとなる。特例法は将来的に強制的な譲位が起こらないよう退位に至る事情を明記しており、退位後の称号は天皇陛下が「上皇」、皇后さまは「上皇后」、皇位継承順位が1位となる秋篠宮さまは「皇嗣」となる。

 因みに、陛下の退位日は法律の公布から3年を超えない範囲内とされ、政府は2018年12月下旬に退位と皇太子さまの新天皇即位を実現させ、2019年元日に元号を改める日程を軸に検討するとか。また、18人いる皇室の方々の中で女性は14人もおられるだけに、特例法の付帯決議では女性宮家創設の検討が求められている。皇族数の減少が進む折柄、皇室の安定的な維持は今後重要な課題になろう。

 

 一方、過日傘寿を迎えた筆者は元号が改められるまで生き長らえると、昭和・平成・次の元号の3元号を跨ぐことになる。しかし、認知症を患い終末期を迎えた妻は、とてもそれまで存命しないであろう。と思うと、いつもの愚痴で恐縮だが、切なく悲しくもなる。

 

 さて、この生前退位だが、世界では結構あり格別に珍しいものではない。外国の王室では国王らが自らの意思で地位を譲る例が多く、主に高齢や健康上の理由で古くから退位してきた。特に近年のヨーロッパでは、高齢な国王らの退位が相次いでいる。21世紀になってからの退位例を紹介しよう。

 

●カンボジアのシアヌーク国王(2004年10月)

 1941年4月〜1955年3月と1993年9月〜2004年10月と2度も在位した。2度目は高齢や健康問題などを理由に生前退位した。因みに、カンボジアの混乱した歴史にも拘わらず、2度にわたり国王のほかに大統領や首相などになったので、ギネスブックは「世界の政権で最も多くの経歴を持つ政治家」と認定した。

 

●ウータンのワンチュク国王(2005年12月)

 国民向け演説で2008年に総選挙を実施して民主化を進め、退位する方針であることを明らかにした。この年3月にはブータン初の成文憲法制定に向けた草案を発表し、民主的な立憲君主制を政体として明記した。また65歳の国王定年制の導入も掲げ、翌年に息子の皇太子に王位を譲る勅命を出した。

 

●クウェートのサアド首長(2006年1月)

 皇太子時代から体調が思わしくなく、公の場にほとんど姿をみせない状態が続いた。そこでクウェートの国民議会は、サアド首長を健康面で懸念があり、職務が遂行できないとして退位させることを全会一致で決めた。サアド首長の在位はわずか10日であった。

 

    

    天皇陛下   シアヌーク国王  ワンチュク国王       サアド首長

           (インターネットより転用・加工済み)

 

●オランダのベアトリックス女王(2013年1月)

 1980年にユリアナ女王から譲位され、女王に即位した。2013年初頭にテレビ演説し、長男のウィレム・アレキサンダー皇太子に王位を譲ると表明し4月30日に退位した。オランダでは3代女王が続いたので、男性の国王は123年ぶりであった。因みに、オランダの憲法では退位時の継承方法を定めており、ベアトリックス女王まで3代続けて自ら退位した。

 

●バチカンのベネディクト法王(2013年2月)

 ドイツ出身の第265代ローマ法王は、2005年4月に即位した。退位の日は法王庁からヘリコプターでローマ郊外にあるカステルガンドルフォの離宮に移り、「一人の巡礼者として、最後の歩みを始める」と最後の言葉を語った。719年ぶりに自由な意思によって生前退位し、名誉教皇となった。

 

●ベルギーのアルベール2世(2013年7月)

 1993年8月に即位したが、高齢と健康上の理由から退位して長男のブラバント公フィリップに譲位した。1831年に現在のベルギー王室ができて以降、国王が自発的に退位するのは初めてであった。退位後も「ベルギー国王アルベール2世陛下」の称号は維持された。

 

●スペインのフアン・カルロス1世(2014年6月)

 1975年11月に即位し、フランコ独裁後のスペイン民主化の擁護者として信望があった。またヨットの代表選手としてオリンピックに出場し、2002年のユーロ導入まで発行されていたスペイン紙幣に肖像が使用された。しかし、アフリカでの象狩りツアーなどが発覚し、経済危機で苦しむ国民に不満が高まり退位を余儀なくされた。

 

    

ベアトリックス女王  ベネディクト法王  アルベール2世   カルロス1世

 

 因みに、イギリスでは90歳のエリザベス女王が在位64年と歴代最長だが、これまで退位が検討されたことがない。英王室に生前退位の規定はなく、あくまで本人の意思によるとされる。なお、1936年にエリザベス女王の伯父にあたるエドワード8世は、米国人女性と結婚するために在位わずか1年足らずで国王を退位した。

 

 私ことワールド・トラベラーはもちろん、上記の国々をすべて訪問済みで、特にクウェートは商社マンとして1971年〜1974年に駐在したことがある。同国の国王一家、サバーハ家を熟知しているが、隣国のサウジアラビアなどと共に国王は絶対的である。半世紀近く経った今でも、家族(妻・小学生であった長男と次男)と一緒に過ごした貴重なイスラムの生活体験を懐かしく想起する。

 

       −−− クウェート駐在時代の懐かしきスナップ −−− 

 

    サバーハ家の看板前で家族と共に    勤務先の事務所で執務する

       (右端が筆者)         ワールド・トラベラー

 

 因みに、筆者にはクウェートに関する下記著書があり、ご購読願えれば誠に幸甚です。

 

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| 国際政治 | 19:52 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - | ↑TOP
トランプ・ショックとアメリカ大統領を支えるユダヤ系
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 今朝起きてみたら木枯らし1号が吹き荒れ、寒さで終日震え通しであった。その後ずっとテレビに釘付けになったのが、アメリカ大統領選挙の報道番組である。嫌われ者同志によるデッドヒートであった。序盤は民主党のヒラリー・クリントン候補がリードしたが、その後は共和党のドナルド・トランプ候補が逆転し暫くは接戦が続いた。結局、当初は泡沫候補と揶揄された不動産王のトランプ候補が勝利するという世紀の大番狂わせに、世界が驚き吹き荒れたよう。株価は大幅に下げ、円相場も乱高下し、いわゆるトランプ・ショックを招来した。

 政治経験や軍歴も無い初の大統領、また70歳という最高齢当選と異色のビジネスマン出身の第45代大統領誕生である。そのためか過激な発言と共に、国内外で今後が不安視される雰囲気が漂う。しかし、政治には無縁であったが倒産も経験した実業家としてのセンスが、行き詰っているとの米国政治を変革するのではないかと米国民(特に白人層)の期待もあるようだ。筆者もこの見方には同感で、既に去る3月6日付け幣ブログ「アメリカ大統領選挙とユダヤ系大富豪」でトランプ氏の勝利を早々に予想していた。

 

 暴言王の政界登場で我が日本との関係は一体どうなるのか?外交・安全保障では在日米軍の駐留経費増額と日本の核保有を容認、日米同盟の見直し、経済では日本側が国会承認を急ごうとしているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の離脱を主張するなど、「異床異夢」を目論んでいるようで一見強面のパートナーに見えるが・・・。特にTPPの不透明はアベノミクスの挫折になりかねず、我が安倍総理は正面切ってちゃんとものが言えるかどうか些か懸念する次第である。

 一方、対外的には「米国第一」を掲げるが、中国やロシアなど、果てはならず者とされる北朝鮮に対してオバマ現大統領と違い、対話に前向きのようで意外にバランス外交に腐心するのではなかろうか。もっともドイツやフランスなどの欧州諸国は困惑している模様だが・・・。問題発言が多い移民政策については、メキシコ国境に壁をつくり、イスラム教徒の入国禁止など掲げる。特にイスラムに対して厳しいのは、後述のユダヤ系(or イスラエル)との関連があるようだ。

 

 さて、巷間言われるアメリカ大統領はイスラエルが任命した米国総督とされる。共和党或いは民主党を問わず、大統領を目指す候補者は、アメリカのユダヤ系有権者とイスラエルの指導者に媚びることが常識になっているとか。中世のユダヤ人は単なる高利貸しだったが、現在のユダヤ人は影の実力者とも言うべきキング・メーカーである。今回の大統領選では、民主党のヒラリー・クリントン候補には約3兆円の資産を持つ著名投資家ジョージ・ソロス氏、メディア界の大物ハイム・サバン氏などがついていた。共にユダヤ系アメリカ人である。

 では、トランプ氏はどうだろう? 彼自身が大富豪につき、他の候補者とは違い選挙資金集めに苦労はしない。だが、大統領の椅子を目指すなら、ユダヤ系へのご機嫌とりを忘れてはならないのだ。ユダヤ系がホワイト・ハウスへの重要な鍵を握るからである。例えば、過去の大統領ではビル・クリントンにはラリー・サマーズやロバート・ルービンといったゴールドマン・サックスが支え、ジョージ・W・ブッシュには、ネオ・コンのユダヤ系がついていた。オバマ氏はユダヤ系有力者に紹介されて大統領になれた由。因みに、トランプ氏は自慢する長女のイヴァンカさんが、ユダヤ教徒のクシュナー氏との結婚に先立ちキリスト教からユダヤ教徒に改宗しており、同氏はユダヤ系とチャッカリ繋がっているのだ。

 

   

   ジョージ・ソロス氏   トランプ次期大統領    ネタニヤフ首相

           (ネットより転用・加工済み)

 

 不法移民問題でメキシコ人などのヒスパニック系に対し毒舌を吐くトランプ氏だが、イスラエルのネタニアフ首相に対しては、別人のように話しているらしい。「私はイスラエルを愛している。私はイスラエルのために100%、いや1000%永遠に戦うつもりだ。」と、絶賛の言葉しか出なかったそうだ。見え透いたお世辞は明々白々だが、さすがビジネスではやり手で鳴らした御仁だけに大したものである。

 この調子でいけば数々の暴言は、ひょっとすれば豊かなショーマンシップの才能が成せる巧みな演技かも知れない。この点では、フィリピンのドゥテルテ大統領に似たところがあり、10月25日付け幣ブログ「天秤外交得意のドゥテルテ大統領とミンダナオ島・ダバオなどの旅」でも述べた通りである。暴言王は飽くまで虚像に過ぎず、実像はシッカリと算盤を弾く、したたかで有能なビジネスマンなのであろう。

 

 最後に、僭越ではあるが、親愛なるトランプ次期米国大統領閣下に老婆心ながらご忠告申し上げたい。銃社会の国柄、あまり目立ちすぎて調子に乗ると、暗殺のターゲットになるのではと・・・。

 なお、ユダヤ系アメリカ人につき詳述した幣著書を下記の通り紹介したい。ご興味あれば、是非ご愛読願いたい。

 

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      世界最大の少数民族クルド人、ユダヤ系アメリカ人、

      シリア難民など世界で影響力を持つ少数民族を紹介

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 筆者ことワールド・トラベラーが館長を務める世界の人形館では、272カ国・地域の民俗人形、紙幣とコイン、仮面、壷、置物、絵画、木彫り、地球儀、時計、照明ランプ、絵皿、万華鏡などを多数展示しています。ご興味ある方はご遠慮なく、お気軽にご来館下さい。慈善活動につき、入館料は無料です。

 

    −−− 国境の無い平和な「世界の人形館」の館内風景 −−−    

      

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アメリカ大統領選挙とユダヤ系大富豪
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 今年11月8日のアメリカ大統領選挙に向けた候補者選びで、先月から共和党と民主党の予備選挙や党員集会が開かれている。今から約60年前の若かりし学生時代から、筆者はこの米大統領選に興味を持ってきた。選挙の結果はほぼ予想通りの人物が選出されている。
 しかし、今回は両党ともにアウトサイダー的な異色の候補者が話題になり、泡沫と揶揄された候補者が大健闘している。また、女性初の米国大統領誕生という期待もある。因みに、両党以外の第三の党、例えばアメリカ緑の党やリバタリアン党にも候補者がいることは知られていない。

 過日(2月15日)のスーパーチューズデイでは、共和党は不動産王のドナルド・トランプ氏、民主党は前国務長官のヒラリー・クリントン氏が圧勝し、一歩抜け出たかと思われた。しかし、昨日のスーパーサターデイ(3月5日)では、共和党は保守強硬派の上院議員テッド・クルーズ氏、民主党は上院議員のバーニー・サンダース氏が挽回した。
 このためトランプ氏とクリントン氏の陣営は足踏みした形となり、両党の大統領候補選出は予想外のどんでん返しが待ち受けていることも排除できない。特に共和党は様々な手を使い、党を挙げてトランプ候補を引きずり落とそうと懸命のようだ。もし長期化すれば軍資金の豊富な候補者が有利になり、11月の大統領選ではトランプ氏が最終の勝利者になろう。

 私こと
ワールド・トラベラーがこの大統領選で最も関心があるのは、どう言った顔ぶれの大富豪がどの候補に多額の献金を行っているかである。「地獄の沙汰も金次第」と言われるが、「大統領選も金次第」と言っても全く的外れではなかろう。過去に有力と見られた候補者が途中で撤退したことが往々にしてあったが、資金切れで断念したケースも多いとか。
 その点で今回の候補者選びで台風の目となっているのが、富豪のトランプ氏である。同氏自身が大金持ちであるが故に、他人の献金を受けてひも付きになるような必要はなく、今や言いたい放題の「暴言王」の風格さえある。品格はないがハッキリと発言するので、それが貧しい中高年の白人層などに大受けするらしい。一方、民主社会主義者と名乗るサンダース氏は、格差に苦しむ若者などに支持されているようだ。

      (共和党候補者)            (民主党候補者)

   
    トランプ氏    クルーズ氏   クリントン氏    サンダース氏
                              (ネットより転用・加工済み)

    
  今年のアメリカ大統領選挙でも、多額の献金が行われて大量のドル札が飛びかっているとか。ネットで調べたところ、献金者はフォーブスが選んだ「米国で最も富裕な400名リスト(フォーブス400)」にずらりと名を連ねる。例えば、民主党のクリントン候補には約3兆円の資産を持つジョージ・ソロス氏が約7億円(600万ドル)、メディア界の大物ハイム・サバン氏が約3.5億円(300万ドル)を献金している。共和党では、マルコス・ルビオ候補にヘッジファンドのポール・シンガー氏が2.8億円(250万ドル)など。
 上記3人の大口献金者に共通するのは、ユダヤ系であることだ。やはりアメリカの億万長者にはユダヤ系が圧倒的に多いようだ。ソロスはナチスや旧ソ連の横暴でハンガリーを追われ、シンガーはエジプトに生まれイスラエルなどを経てアメリカにたどり着いたように、世界を流浪した経験を持つ少数民族の大金持ちが米大統領選を支えているのだ。換言すれば、共和党候補vs民主党候補ではなく、ユダヤ系大富豪vs不動産王(トランプ)の大富豪同士のキャンペーン合戦かも知れない。

 筆者がこの1月に出版した新刊書『
世界を動かす少数民族(幻冬舎)』で、

超大国アメリカの真の実力者は誰?と問いかけてユダヤ系アメリカ人を詳述している。彼らの英知と商才がなければ、今のアメリカという超大国は存在しえなかったであろう。一見冷酷なところもあるが、約50年前の商社マン時代に付き合った小柄なユダヤ系バイヤー(写真左)から多くの事を学んだと感謝している。出来れば再会したいが、筆者の年(間もなく79歳)を考えると恐らく他界されているだろう。


 今回の大統領予備選の候補者の中にもユダヤ系の御仁がいる。民主党のサンダー氏である。大口のユダヤ系大富豪の献金は目立たないようだが、多数のユダヤ系支持者から相当額を集金している筈であろう。幣著書にご興味ある方はぜひご購読頂きたい。激動する不安定な世界を動かすほどの実力と影響力を持つ、隠れたる少数民族ユダヤ系アメリカ人を紹介する力作をご愛読下さい。

 

(後記)

 共和党と民主党の大統領候補が決まった。共和党は当初は泡沫候補と揶揄されたドナルド・トランプ氏、民主党はサンダース氏の食い下がりに苦戦したがヒラリー・クリントン氏で初の女性大統領候補である。11月の大統領選はどうなるのであろうか?筆者はトランプ氏有利と予想する(7月29日)。

           ◇◇◇ お知らせ ◇◇◇

        (ワールド・トラベラーの新刊書紹介)
            世界を動かす少数民族


 超大国アメリカの真の実力者は誰?台頭著しい中国を支える東南アジア経済界の覇者は誰?イスラム国に敢然と立ち向かう勇者は誰?知られざる少数民族から現代世界の縮図と課題が克明に分かる。詳しくは発売中の『世界を動かす少数民族(幻冬舎)』をご購読下さい。定価本体1,350円+税

      

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またも茶番劇を再演した核不拡散条約(NPT)再検討会議決裂
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 先月(4月)27日から1ヵ月近くに及んだ国際的な茶番劇が昨日(5月22日)終わった。まるで初めから結果が分かり切っていた、できレースのショーのような会議であった。この実にくだらん結末をずっと以前から見通して警鐘を鳴らし続けてきたのが、半世紀近く世界を旅して来た私ことワールド・トラベラーである。
 約190のNPT加盟国が核不拡散や核軍縮などにつき協議し、NPT体制を強化する最終文書の採択を目指した。しかし、米国、ロシア、英国、フランス、中国の核保有国は今回も核兵器禁止条約に反対し、何ら成果を出せないまま閉幕した。特に焦点となったのは中東非核構想だが、同盟国イスラエルに配慮した米国の不同意により進展しなかった。
 
 6年前にチェコの首都プラハで米国大統領に就任後のオバマ氏が恰好良く「核無き平和な世界」を唱え、抜け目なくチャッカリとノーベル平和賞を受賞したが、今となれば何とも白々しく興ざめだ。また、国連安保理の常任理事5ヵ国は、お互いに既得権にしがみ付き手放そうとしない悪循環を繰り返す。
 
当然核非保有国や核廃絶を願う関係者の落胆と失望は大きい。我が日本も被爆都市HiroshimaとNagasakiを訪れて欲しいと訴えて核廃絶を唱えるが、肝心の日本政府が米国の「核の傘」に依存するという二重人格を露呈し続ける。世界で唯一の被爆国としての責務が問われよう。

  

 手前味噌になるが、2013年7月出版の幣著「私はワールド・トラベラー(文芸社)」と2015年1月刊行の幣書「世界272ヵ国を制覇した77歳のワールド・トラベラーはたった一人で紛争地を旅した!(幻冬舎)」で、形骸化した核不拡散条約(NPT)の問題点を糾弾している。後者の「たった一人で紛争地を旅した!」 217〜220ページの要点を以下紹介したい。

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言葉だけの世界平和などいらない!
 
 2度の世界大戦などがあった20世紀が戦争の世紀に対し、21世紀は欧州の通貨統合や非政府組織NGOなど国境を越えたグローバルな活動により平和への展望が開けそうであった。しかし、2001年9月11日の米国の同時多発テロ以来、世界で悲惨なテロ事件が相次いでいる。
 そしてなにより正義面してこれらテロや紛争を糾弾している大国の理不尽ぶりが甚だしい。とくに核をはじめとした大量殺戮兵器に関する大国の態度は噴飯ものである。例を並べれば切りがないが、その代表的なものを紹介しておこう。

安保理の常任理事国である米英露仏中は五大核保有国だが、核不拡散条約(NPT)に参加している。しかし、2014年10月の国連総会で核兵器の非人道性と不使用を訴える共同声明が発表され、日本を含む155ヵ国が賛同したにも拘わらず、肝心かなめの
米英露仏中の常任理事国、インドやパキスタンなdの核保有国は賛同せず骨抜き声明にに終わった。
 この条約は(1)核兵器保有国の核兵器削減、(2)核兵器保有国の増加を抑えることを主目的とすが、1970年に発効後もインド・パキスタン・北朝鮮・イスラエルが核保有国となったり、条約に加入しなかったり脱退したりの不確かさが続いている。

2009年チェコのプラハ演説でオバマ米国大統領は「核兵器のない世界」を訴え、抜け目なくノーベル平和賞を受賞した。しかし、驚くなかれ、同国はニューメキシコ州のエネルギー国立研究所で、新しい核兵器の性能実験を繰り返していると聞く。

2013年ノーベル平和賞は化学兵器禁止機関(OPCW) に授与されたとき、ノーベル賞委員会は化学兵器の大量保有国の米国とロシアに早急の廃棄を迫った。両大国はシリアに対し2014年中頃まで化学兵器全廃を求めながら、自分たちは国際条約に基づく廃棄期限(2012年4月)を守らなかったためだ。

 これは北朝鮮に核開発を止めさせようとする裏で、NPTの取り決めを、米国やロシアなど核先発保有国が抑止力を口実に核削減を速やかに実行しない事実に酷似する。

 こうしたくだらんゲームを、いつまで続けるのであろうか?


 ここで本土射程範囲を警戒するアメリカが意識する軍事用ミサイル、換言すれば核兵器につき、世界でどのくらいあるのであろうか?インターネットで調べたところ、保有国の配備・貯蔵する戦略核弾頭数は次の通りである(2013年末現在)。
NPT参加国 アメリカ 4650  ロシア 4500  フランス 300  イギリス 225  中国 180
NPT不参加または脱退国 パキスタン 110  インド 100  イスラエル 80  北朝鮮 10


 世界でじつに1万以上の核兵器が現存している。北朝鮮やイランが核開発を止めないのは、五大核保有国の核削減がなかなか実行されないことに不満を持ち、理不尽あるいは不平等と思っているからだろう。親(五大核保有国)が範を垂れないのに、子供(北朝鮮など)が親のいうことを聞くはずが無いとの理屈が成り立つ。
 北朝鮮の場合は米国に対し核保有と人工衛星による宇宙の平和利用の権利があることを迫り、国の安定、食料やエネルギーなどの援助を引き出したいのが本音であろうから、もし、米国をはじめとする大国がすぐにでも核削減を誠実に実行すれば、ミサイルや核開発問題も速やかに解消に向かう可能性がなくもない。にも拘わらず、それがなされていない。
 今のままでは、たとえ国連の安保理で制裁強化が討議されても、北朝鮮の盟友、常任理事国の中国が消極的であるならば、その実現性は少なく、その結果はミサイルや核開発問題の解決もあり得ないであろう。


 ちなみに、ウクライナがソ連崩壊前は核弾頭数千発を持ち米国とロシアに次ぐ世界第3の核保有国であったことをご存じであろうか? 同国は1994年にNPTに加盟し、1996年までに核弾頭を破棄又はロシアへ移管した。もし、ウクライナが核放棄していなければロシアへの抑止力になり、親ロシア派武装組織が実効支配するウクライナ東部も今とは違った展開になっていたはず。正直者の馬鹿を見たのはウクライナであろう。北朝鮮はそうはなりたくないのである。
 つまり、大国は自らの理不尽ぶりを改め、その上で他国(非大国)に核廃絶なりを迫るべきであるというのが、筆者のいいたいことなのである。真の平和はそれなくしてあり得ない。

 

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 ワールド・トラベラーは悲惨で恐ろしい戦時体験がある戦中派として、言葉だけではない真の世界平和を祈念している。また、幣著「たった一人で紛争地を旅した!」では、昨今話題のイスラム国をはじめ、世界の紛争地を旅した豊富な実体験を生々しくルポしている。ご興味ある読者は是非購読いただきたい !!

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 ワールド・トラベラーは年間5〜6件の講演・講義を全国各地で行っています。目的は地域や街の活性化と真の国際化推進、そして三流とも揶揄される日本外交再生などの一助です。そのために世界に関することであれば、旅行、文化芸術、宗教、歴史、政治や外交に関する国際情勢、グルメ、環境、経済や産業などジャンルを問わずワールド・トラベラーとして恥ずかしくない講演をします。しかも実体験をベースに、他人様の情報をコピペ(切り貼り)しない異色のノンフイクションをありのままにお話します。
 特に、最近話題のイスラムに関しては、イスラム圏で働き、住み、旅して42年のキャリアがあり、
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日韓選挙と世界の女性リーダー
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 12月16日に投開票された第46回衆議院総選挙は、安倍晋三総裁が率いる自民党が単独過半数を大幅に上回る294議席を獲得する圧勝であった。
 私ことワールド・トラベラーが強力に支援し激励するため、ありふれた「祈必勝」ではなく、敢えて「祈順当勝」と書き入れた大輪の花を差し入れた自民党候補者もめでたく当選。3年3ヵ月ぶりに国政にカムバックしたが、苦しかったであろう浪人生活によく耐えたものだ。「外交に強く度胸のある政治家」と見込んで全幅の信頼を寄せており、同議員の実行力と突破力に期待したい。
 
 政権奪還を果した自民党ではあるが、細かい点では問題があるようだ。民主党政権に対する失望感が渦巻いた中、結局は「敢えて選ぶなら−−−」と消去法で自民党に投票した消極的な支持が多かったと聞く。
 首相に返り咲く安倍総裁も以前のような線の細いお坊ちゃん首相と言うイメージを払拭し、途中で投げ出すようなことは無かろうと祈念したい。

 一方、かっての政権党、民主党の惨敗は眼を覆うばかりで、公示前の議席230から驚く無かれ57に激減。日本維新の会の54議席にも肉薄され、危うく第三極グループに陥落するところであった。閣僚も多数落選したが、彼らの多くは、”野田佳彦首相が決断した「近いうちに解散」は自爆テロのようなもので早過ぎた”とぼやいているとか。ボタンの掛け違いも甚だしく、厳しい現状認識に疎い甘ちゃんの御仁たちだ。
 もし、同首相の決断が数カ月遅れていたなら、どうなったのであろうか? 多分、99.999−−−%、今回選挙よりも更に議席を減らし、完全に第三極の少数政党のお仲間入りをし埋没していたであろう。

 過去の衆参院選挙では「小沢ガールズ」などと呼ばれた女性議員たちが話題になった。しかし、今回の衆院選の女性の当選者はわずか37人で、前回2009年の54人を大幅に下回り、女性議員の影が薄い。
 他方、お隣の韓国では昨日、12月19日に行なわれた大統領選挙では、保守系の与党であるセヌリ党の朴槿恵候補(パク・クネ、60歳)が当選した。韓国初の女性大統領となる同氏は、「漢江の奇跡」と呼ばれた高度経済成長を実現した故朴正熙元大統領の娘。親子2代の大統領誕生だ。近年の韓国の躍進振りは眼を見張るものがあり、政治の世界でも先進国入りしたと言えよう。

 両親を暗殺された悲劇と波乱に富む彼女の経歴が注目に値する。独身を貫き通し、「国と結婚した」と言うほどだから筋金入りの愛国者なのであろう。若い頃に凶弾で他界した両親の背中をずっと見て来ただけに、尊敬する人物は両親だとの由。
 また、倹約家でも知られるシッカリ者らしく、信念と原則を曲げない一徹さも持ち合わせるとか。事実なら、竹島の領土問題や歴史認識問題などを抱える外交交渉は、女性とは言え手強い相手になるかも知れない。

 筆者は商社マン時代の1974年4月、出張で初めて韓国を訪れ、以降合計5回も訪韓している。同国に対する印象は極めて良好である。なんと言っても、年長者を敬う若者の礼儀正しさが素晴らしく、今も残る儒教思想や徴兵制によるところが大のようだ。
 ロシアと共に我が国に最も近い国が、「近くて遠い国」にならぬよう、いつまでも良き隣人関係を築きたいものである。

  
 1974年ソウルの景福宮で  1997年韓国・慶州の 年長者に新年挨拶する
 若きワールド・トラベラー  石窟庵での筆者と妻  礼儀正しい子供達   


 世界で久し振りに女性首相が誕生したとのイメージが強いが、インターネットなどで調べて見ると、世界には女性大統領や女性首相が結構いるのが、些か驚きである。
 アジアでは、タイ首相のインラック・シナワトラ(1967年生まれ)がいる。タイ初の女性首相になった彼女の兄は、第31代首相であったタクシン・チナワット。過日タイを訪問して彼女と談笑したオバマ米国大統領が親密そうに視線を合わせた写真が、ミシェル夫人を激怒させたほどの美女らしい。タイへの旅は1973年2月以降6回もあるが、確かにチェンマイをはじめ美人が多く、ハッとするようなニューハーフもいる。

 経済危機に瀕しているヨーロッパではあるが、女性大統領や首相が実に多く、フランスでは閣僚の半数が女性と義務付けされているぐらいだ。今世界で最も活躍している女性政治家の筆頭は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(1954年生まれ)であろう。筆者の大好きな港町ハンブルグで生まれ、政治家になる前は大学で物理学を専攻した科学者であった。2005年より首相を務め、27カ国から成るEU(欧州連合)の顔と言えよう。

 デンマーク首相のヘレ・トーニング=シュミット(1966年生まれ)は、2011年10月に同国初の首相に就任し話題となった。アイスランド首相のヨハンナ・シグルザルドッティル(1942年生まれ) は同性結婚をした世界 初の国家首脳となったが、同性愛への偏見が少ないアイスランドでは、あまり問題視されないらしい。 
 ヨーロッパでは他に、最近まで首相や大統領を務めた女性たちがいる。例えば、ウクライナの元首相ユーリヤ・ティモシェンコ、フィンランド元首相マリ・キビニェミ、アイルランドの元大統領メアリー・マッカリースなど。

 全世界を隅々まで巡った筆者だが、文化の香り豊かなヨーロッパは最も好きな大陸である。ドイツは1974年初訪問以降8回、デンマークは1975年初訪以降3回、フィンランドは1976年初訪以降5回、アイスランドは1996年と2003年、アイルランドは1975年と1999年、ウクライナは2001年に訪れている。
 見どころはたくさんあるが、デンマークはコペンハーゲンの夜のチボリ公園、フィンランドは無数の美しい湖沼群やサウナ、アイスランドは凍結した黄金の滝やブル−ラグーンという温泉プール、ウクライナは黒海沿岸やキリスト教会などが今も脳裏に強く焼き付いている。

  
 親密そうな視線を合わの  アイスランド:レイキャ  ウクライナ:クリミヤ半島
 アメリカ大統領とタイ首相  ヴィク港海岸を散策の筆者  ヤルタのツバメの巣
(インターネットより転用)


 ヨーロッパから大西洋を越え、南米のブラジルではジルマ・ルセフ大統領、アルゼンチンではクリスティナ・フェルナンデス大統領、中米のコスタリカではラウラ・チンチージャ首相がいる。更に地中海をまたいでアフリカのリベリアには、2006年から首相のエレン・サーリーフ(1938年生まれ)、太平洋に飛ぶと、オーストラリア首相のジュリア・ギラード首相(1961年生まれ)がいる。
 
 数十年も前に遡ると著名な女性リーダーが随分活躍したが、特にアジアに多い。例えば、世界で最初の女性首相になったのが、スリランカのシリマボ・バンダラナイケ(1916〜2000)。暗殺された夫に代わって1960年首相になり、その後3度も復権した。
 インド第8代首相のインディラ・ガンジー (1917〜1984)で、父は初代インド首相のジャワハルラール・ネルー、息子も第9代首相のラジーブ・ガンジーと正に首相王国を築いた。インドのライバル、パキスタンもベーナズィール・ブット首相(1953〜2007)を輩出しているが、暗殺という非業の死を遂げた。
 他に、フィリッピンの大統領であったコラソン・アキノ(1933〜2009)、今世紀初めにインドネシアの大統領であったメガワティ・スカルノプトリ(1947年生まれ)がいる。
 
 ヨーロッパに舞い戻ると、イギリスの元首相マーガレット・サッチャーがいる(1925年生まれ)。かっては「鉄の女」と呼ばれるほど気丈な女男爵であったが、現在は認知症のため表舞台には姿を見せていない。
 また、アルゼンチンのイサベル・ペロン(1931年生まれ)は1974年に世界初の女性大統領になったが、政治家としての力量不足で2年足らずで退いた。

 世界257ヵ国・地域を股に駆けて旅してきたワールド・トラベラーは、勿論これらの諸国ブラジル、アルゼンチン、コスタリカ、リベリア、オーストラリア、スリランカ、インド、パキスタン、フィリッピン、インドネシア、イギリス、アルゼンチンへ出かけている。
 特にインドネシアは1979年〜1984年に商社マンとして駐在。また、インドは1974年2月初訪以降6回、パキスタンは1994年11月以降4回、イギリスは1974年12月以降5回、オーストラリアは1982年10月以降4回訪れ、懐かしい想い出が多々ある。
 
 それらの詳述はここでは省くが、一つだけ忘れ難いことを述べたい。1997年12月にスリランカを旅行した。同国は仏教国なので、いたる所で仏像が立っている。その仏像の前で自分の写真を撮ろうとすると、現地人のガイドに制止された。尊い仏像にお尻を向けると失礼になるそうだが、近隣の他の仏教国、例えばタイ、ミャンマー、ラオスなどで斯様なことは無かった。同じ小乗仏教国だが、所変れば品変るようである。
 
   
 インド:アグラのタージ コスタリカ:イラス山 ブラジル:サルバドール
 マハールでの世界の旅人 のクレーターと火口湖 の黒人淑女たちと筆者


 先進国で大統領や首相クラスの女性リーダーが出ていないのは意外な感じのするアメリカ、そして我が日本ぐらいであろう。初めての訪米は1983年5月で、以降13回も訪れている。比較的新しい国の割りに、保守的な面があるようだ。こと政治に関し、見方を変えれば米国も日本も共に後進国とも言える。
 
 国でも社会でも企業でも女性の進出が期待されて久しいが、女性の首長や議員、企業の幹部など依然として少ないのが現実。ある調査結果によれば、日本の男女平等度は135ヵ国中なんと101位にランクされお恥ずかしい限り。
 本当に有能で(愛嬌よりも)度胸のある(?)頼もしい女性リーダーが我が国でもいるなら、そろそろ女性宰相が誕生しても可笑しくないはずだが、如何なものであろうか。
 
 最後に、冒頭紹介した自民党の「外交に強く度胸のある政治家」とは千葉8区選出の櫻田義孝氏(63)で、本日がお誕生日である。

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

 筆者
のプライベート・ミュージアム、世界の人形館の見学者は実に多彩です。国際的なヴァイオリン奏者、アンナ・スタルノフスカさんもその一人。日露混血の才能豊かな彼女がプロデュースする、親子で楽しめるファミリーコンサート
が、千葉県我孫子市で次の通り行われます
。世界の人形館はこの素晴らしいコンサートに賛同し後援しています。
 慌ただしい年の瀬と酷寒の折柄ですが、是非共ご来場下さい。お待ちします。

    
アンナ・スタルノフスカヤさん けやきプラザ正面玄関    コンサートのチラシ

 
  ☆☆☆
 楽しいクリスマス・コンサート 2012 
☆☆☆

日時: 2012年12月23日(日) 17:00開演 19:00過ぎ終演 
   場所:千葉県我孫子市福祉ふれあいプラザ(けやきプラザ)ふれあいホール
  常磐線・千代田線 我孫子駅南口徒歩1分
    入場料:大人 1500円 子供(小・中学生) 1000円   
    演奏者:アンナさんをはじめ11人全員が女性奏者という異色の顔ぶれ。
  また、そのうち2人が小学生。
    お問い合わせ:TEL: 0297−68−9517 ジョイ・ファミリーコンサーツ


ワールド・トラベラーが館長を務める世界の人形館
では、257カ国・地域
  民俗人形、紙幣とコイン、仮面、壷、置物、絵画、木彫り、地球儀、時計、
  照明ランプ、絵皿、万華鏡などを多数展示しています。
  ご興味ある方はご遠慮なく、お気軽にご来館下さい。お待ちします。
  但し、セキュリティなどのため、下記要領で予約をお願いします。
  TEL:04−7184−4745又は
Eメール:
ko-yasu@maple.ocn.ne.jp


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オバマ大統領、野田首相の共通点と功罪
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 共に齢(50代前半と半ば)の割には演説が上手いなと感心する日米の首脳、バラク・オバマ米大統領と野田佳彦首相につき、私見をお話してみたい。

 過日再選されたオバマ大統領ゆかりのいくつかの地を、私ことワールド・トラベラー
は訪れたり、商社の海外駐在員として住んだことがある。後期高齢者の筆者から見れば、大統領(51歳)は親子ほど年が違い、長男(47歳)とはわずか4つ違いだ。故に、ここではオバマ又は彼と呼ばせて頂くので、ご容赦願いたい。

 アフリカ系としては初めてアメリカの大統領になった彼の正式名はバラク・フセイン・オバマ・ジュニアといい、1961年8月4日にハワイ州ホノルルで生まれた。父はケニア西部にあるアフリカ最大の湖・ヴィクトリア湖に近いニャンゴマ・コゲロ出身のルオ族、母はアメリカ・カンザス州出身の白人女性。
 彼は自身の幼年期を、「僕の父は僕の周りの人たちとは全然違う人に見えた。父は真っ黒で、母はミルクのように白く、そのことが心の中ではわずかに抵抗があった。」と赤裸々に回想しているのが印象的である。
 
 プロテスタントのキリスト教徒である彼のミドルネームはフセインと言うモスレム(イスラム教徒)の名前だが、これは父親がモスレムであったからだ。
 因みに、モスレムは自分の名前、父の名前、祖父の名前、そして家族の名前と4つの名前を持つ。従い、父は誰か、祖父は誰かまで分かる。また、国によってはモスレムの男性は4人までの妻を持つことを許される。しかし、4人の奥さんを平等に愛さなければならないので、経済的にも肉体的にも傍が羨むほど楽ではないらしい。

 ニャンゴマ・コゲロはケニアの首都ナイロビの北西およそ400km、ウガンダとの国境近い農村である。筆者は1994年7月に初訪問以降、昨年11月までケニアは3回訪れているが、この村付近を旅したことは無い。
 しかし、ウガンダとの国境に近く、2000年8月に訪れたウガンダの首都カンパラからは約150kmしか離れていない。従い、白ナイル川の源流に近い大統領の父の出身地がどの程度貧しいか、おおよその見当は付く。


  
ケニア:近代的なナイロビ  ケニア:ルオ族の村  ウガンダ:白ナイル川
 市街地の中心を俯瞰               源流に立つ世界の旅人


 さて、オバマが2歳の時にケニア人の夫と離婚した母親は今度はインドネシア人と再婚したため、1967年に彼はインドネシアの首都ジャカルタに移住した。筆者が1979年から商社マンとしてジャカルタに駐在する12年前のことで、彼が通学したメンテンの第一小学校が勤務先(三井物産ジャカルタ事務所)の近くにあった。もちろんその学校は憶えているし、これも何かの縁かも知れない。
 1971年にまたホノルルに戻った彼は、その後白人の母親と母方の祖父母(共に白人)によって育てられた。再選後に表明したアジア・太平洋地域重視の背景は、上述のようにユニークな彼の育ち方に起因するのであろう。

 因みに、筆者は妻と一緒に1990年6月と1994年1月の2度ハワイ旅行しており、常夏のバカンスを楽しみ、若き新婚時代のハネームーンを懐かしく想い出した。ホノルルがある主島のオアフ島のほかに、カウアイ島、ハワイ島、マウイ島とアイランド・ホッピングしたが、ダイナミックな火山地形が広がるハワイ島とマウイ島が気に入った。

 本土のコロンビア大学やハーバード大学法科大学院を卒業した彼は、その後ニューヨークやシカゴで働いた。弁護士、イリノ
イ州議会議員、上院議員を経て2008年11月には第44代の米国大統領まで上り詰めた。さらに、2009年にはノーベル平和賞を受賞、彼ほどとんとん拍子の人生を歩んできた黒人系の指導者はいないであろう。
 ワールド・トラベラーは1983年5月の初訪米を皮切りに、14回もアメリカを訪れた。ニューヨークやシカゴを含む広大な全米をほぼ一周し、同国の底力と多様性を痛感。中でもミシガン湖畔のシカゴは大好きな街で、その昔ギャングの顔役アル・カポネが根城にした怖い暗黒街の雰囲気は消え失せて無い。


  
インドネシア:1970年代 ハワイ:1990年ホノルルの アメリカ:ミシガン
ジャカルタ右端がメンテン ワイキキビーチを妻と散策  湖畔のシカゴ俯瞰


 一方、我が野田佳彦総理(55歳)に就いては、2011年9月5日のブログ
駅頭王がドジョウ首相にで若かりし頃を紹介済みである。僭越ながら、ここでは総理をドジョウ首相又は野田青年と呼ばせて頂きたい。
 今から25年ほど前に大学を出て間もないと思われる若い青年が、船橋の駅前でぽつんと突っ立っていた。当時の彼は現在のように太っておらず、むしろ細身であった。足元には自分の名前を書いた小さな看板を置き、何もしゃべらず仏頂面の無口であるのが不気味であった。この青年は都内へ働きにも出かけず、一体何を考えているのであろうかと不審に思い、年齢的に我が息子に近い彼の将来を案じたことを後期高齢者になった現在も鮮明に憶えている。
 当時の無口な印象からすれば、今の能弁な野田首相があの時の野田青年とは想像し難い。様々な課題を残したまま過日衆議院を解散して再出発するが、無名で裕福でもなかった駅頭時代を知る筆者から見れば大変な大出世であり、見事な変身である。

 野田首相或いは民主党の功罪については種々見方がある。先ず、昨今の雨後のタケノコのような新党乱立のきっかけを作ったのは、紛れも無くドジョウ首相である。
 最近の政界はまさに異常事態だ。地方の首長が本業そっちのけで乱入し、与党も野党も結託して国民のためと言うよりも、選挙目当ての政治家としてのご利益を守りたい保身や生き残りゲームだ。また、甘い蜜のような政党交付金に群がろうとする蟻の如く、まるで陣取り合戦の様相を呈しているのでなかろうか? 斯様なことはかって無かったもので、神聖な国政の王道から逸脱した嘆かわしい国難としか言いようが無い。
 
 また、政権党の唯一の実績(?)と言っても良いマニフェスト反古に関し、思い当たるフシがある。個人的で些細な話で恐縮だが、昨春ドジョウ首相に招待された赤坂御苑の観桜会が、北朝鮮のミサイル発射を理由にドタキャンされた嫌な思い出がある。
 詳細は2012年4月15日のブログ「
4分の3世紀を生きて ― 幻の観桜会などもあった節目をご覧頂きたい。後刻得た情報では、ドタキャンした頃に輿石幹事長が中心にして身内では観桜会をちゃっかり楽しんだとか。また、観桜会の代わりに園遊会招待に振り替えるアイディアもあっただろうが、斯様なお話も無いまま解散したので遺憾と言う他ない。どうも木目の細かさと情緒、人間味に欠ける党のようである。
 
 外交面でも尖閣諸島、竹島、北方四島の領土問題で無知でど素人の対応をし、お粗末な三流外交を露呈した。この日本にも世界を駆け巡り、世界を知り尽くしている国際人が実在するにも拘わらず、なぜ彼らの貴重な英知や経験を有効活用しないのであろうか?国際通は外交官だけではないし、外務省や外交官以上に外国に精通している民間人はいくらでもいる筈である。もし、どうしても見付からない場合、老兵ながら気力と愛国心十分、世界
255ヵ国・地域を巡ったワールド・トラベラーを想起して頂きたい。
 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題でも反対する政治家が多いようだが、ノーと言う前に海外視察をするなど必須の予習をしたであろうか?江戸幕府による鎖国時代から綿々と受け継いだDNAは、時代が変っても容易に払拭出来ないようだ。

 筆者の限られた余生を思うと、真の国際化、グローバル化は遅々として進展しないのが、実のところ腹立たしくてならない。この後進性が日本の外交を弱体化し、結局は日本の国力や国際的地位を低下させていることをお互いに気付かないでいる。
 また、他国から馬鹿にされ尊敬されないコロコロと代わる首相と粗製乱造の大臣、新党が多数乱立するなど政局の不安定etc−−−。国民にとっては真に不幸な悪循環が今後も続きそうだが、なんとか早く断ち切りたいものだ。そろそろこの辺りで、斯様なことが断行できる真の救世主の出現を渇望したい。

 ただ、唯一高く評価したいのは、来るべき衆院選における世襲立候補禁止のために毅然として貫き通したドジョウ首相の姿勢である。この点に関しては、一般的に苦労知らずで甘い考えの世襲議員が多いと言われる自民党は謙虚に見習うべきであろう。
               
   
   
   4年前「変革」を訴えた頃の旬な  人並みに中年太りになったが  
   オバマ大統領も今はその面影薄い 駅頭青年時代の面影が少し残る
        (インターネットより転用・加工した画像)


 他方、3年前に早すぎると言われたノーベル平和賞を受賞したオバマは、自国の核軍縮をいっこうに実行しようとしない。その傍ら、北朝鮮やイランに対し核開発を牽制するのは、両国にとっては理不尽、不平等と受け取るのは当然かも知れない。
 また、被爆国の我が国もアメリカに対して安全保障のためにと核戦力の維持を求めて加担するのは、ナンセンスと言えよう。

 さらに、アメリカ国内では、「財政の崖」と言う経済危機を迎えようとしている。これは2013年から減税が切れ、「実質的増税」と「強制的な歳出削減」のダブルパンチにより崖から落下するような急激なショックが起こる可能性があることである。もしそうなれば、欧州の不景気、中国経済の減速などの上塗りになり、最悪の場合下手をすれば世界恐慌にもなりかねない。
               
 結論として、外見や雰囲気は似ていないが、オバマ大統領と野田首相のご両人は共に雄弁であり、また敢然とした実行力に乏しく優柔不断な共通項を持つ御仁のようだ。
  過日、中国では第五世代の習近平総書記の新しい指導体制がスタートした。習総書記は温厚そうな風貌に似ず、硬派な面もあると聞く。日中米の3首脳は今後どのようにしてアジア・太平洋地域で指導力を発揮するのであろうか、興味津々なものがある。

 最後に、オバマ大統領と野田首相の決定的な相違点を述べて締めくくりたい。前者はよほどのアクシデントが無い限り、8年という長期の任期を全うするであろう。然るに、後者はこのままでは1年余の短命政権に終わりそうである。我が国が世界有数の長命(長寿)国だけに残念でもある。

(後記)
 本日第46回衆院総選挙が告示され、驚いたことがある。千葉4区の野田佳彦首相が比例南関東ブロックに重複立候補したことで、現職首相としては異例である。「決断」の文字が躍る同首相のポスターが白々しく、見方によっては度胸の無い敵前逃亡にも受け取られかねない。大恥さらしにならないよう祈念する。(12月4日)


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私のプライベート・ミュージアム界の人形館では、255ヵ国・地域の民俗人形、紙幣とコイン、万華鏡、仮面、壷、置物、絵画、巻物、木彫り、地球儀、時計、絵皿、照明ランプ、螺鈿、タペストリー、モデルシップ、ドールハウス、剥製など、世界の珍品や何でもを展示しています。ご興味ある方は、ご遠慮なくお気軽にご来館下さい。お待ちします。
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