世界の人形館からの夢メッセージ

夢と寛ぎを紡ぐワールドスクエア
世界で最も新型コロナウイルス感染死亡率が高いベルギーの想い出
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 世界では今もなお、新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらない。ついに本日(6月29日)、感染者数は大台の1000万人を超え、死者数も50万人に達した。特に人口100万人あたりの死者数は、ヨーロッパ諸国やアメリカなどの先進国が上位を占め、中南米がこれに続く。一方、日本をはじめアジア諸国の死者数は欧米に比べ、約100倍の差、つまり2桁ほども少ない。斯様に欧米に比べて非常に少ないのは、彼の地では驚きを持たれ、一種のミステリーとして不思議がられているようだ。

 その原因などに就いては、生活慣習や文化の違いが挙げられる。例えば、我が日本では元々マスクを着用する習慣があったし、室内では靴を脱ぐ文化がある。またハグやキスという体を接触させることが少ないのも、飛沫感染や接触感染を抑えているようである。だが、これらの要因以外として、遺伝子の違い、BCG接種、交差免疫(過去に似たウイルスに感染して得た免疫)などが囁かれている。

 

 さて、本題に戻り人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染死亡率が最も高い国はどこか、ご存じであろうか?それはアメリカではなく、イタリアやスペインでもない。実はベルギーで、100万人感染すれば837人も死亡している。一方、我が国はわずか7.5人で、ベルギーの実に100分の1以下である。そんな新型コロナ感染大国のベルギーを筆者は1975年8月の初訪以降3度も訪れており、うち2度は故人になった妻・長男・次男を引率した懐かしい家族旅行であった。その旅の模様は2016年3月23日付幣ブログ『連続テロがあったベルギーの旅』で紹介済み。一部重複するが、同国への旅を再び回想しよう。

 

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 国土面積は日本の約12分の1、人口は約1140万人の小国だが、3つの公用語が使われる多様性たっぷりのが溢れる国である。先ず、首都ブリュッセルだが、1000年以上の歴史を持つ古都には見所が多い。ハイライトは古色蒼然たる石畳の大広場、縦110m、横65mもあるグラン・プラス一帯に集中している。文豪ジャン・コクトーに「絢爛たる劇場」と言わしめるほど、この広場ゆかりの形容詞は多い。その中心が広場の南側に建つ、高さ96mの市庁舎。ゴシック・フランボワイヤン様式の壮麗な建物は15世紀に建てられ、内部ではマクシミリエンヌの間のタペストリーが見ものだ。
 ほかに目ぼしい建物として、市庁舎の対面に建つ王の家は市立博物館になっており、実際には王様が住んだことが無い。広場の東側にあるブラバン公爵の館、その西側にあるスペイン王が庇護したギルドハウス(同業組合)であったビール博物館も見逃せない。現在ではこれら建物の大部分は、レストラン・カフェ・チョコレート屋・銀行・事務所になっている。因みに、市庁舎の東脇の道を250mほど歩くと、左角にジュリアン君という別名を持つ小便小僧 が立っているが、意外に小さいので少々驚かされる。郊外では、13km南東にあるナポレオンゆかりの古戦場ワーテルローが必見だ。


    
  ブリュッセル:市庁舎    ワーテルローの丘    ブリュッセル:小便小僧前
(妻とのツーショット)                   1975年妻・長男・次男と


 ブリュッセルに次ぎ絶対見逃せないのが、88km西北郊外にある「フランドルの水の都」と呼ばれるブルージュである。カリヨンが鳴り響き観光馬車が行き交う古都は、ハンザ同盟の町として「北のベニス」とも称えられる。この水郷に足を踏み入れると、時の流れを止めてしまったようなタイムスリップを覚える。「橋」を意味するブルージュはその名の通り、縦横に巡らされた運河に50以上の美しい橋が架かる。水都の中心にあるマルクト広場はヨーロッパでも美しい広場として5指に入り、その周りには47個のカリヨンがヨーロッパ随一の音色を響かせる市庁舎、町のシンボルになっている高さ88mの鐘楼を切妻屋根の建物が囲むようにして建つ。
 運河の写真を撮るなら、市庁舎裏の運河付近が一押しだ。町の南外れのベギン会修道院は、1245年フランドル伯夫人によって設立され、15世紀当時の修道服を身にまとったベネディクト派の修道女がひっそりと質素に暮らしている。この修道院のすぐ近くにロマンチックな愛の湖公園が広がり、豊かな緑に包まれた湖に白鳥が戯れる光景はまさに一幅の絵を観るよう。他界した妻と一緒の散策が忘れ難い。


 ブリュッセルの北西55kmほどに位置するゲントは、「青い鳥」の作者メーテルリンクの故郷として知られる。ブルージュのライバルとして張り合っただけに、多少似たところがある。20の島に70もの橋が架かるほど運河も多い古い町だが、東フランドル地方の中心都市として市街地規模は大きく現代的だ。最大の見どころは、16世紀に完成した旧市街にある聖バーフ寺院。数々の有名なフランドル絵画が収蔵されており、特にファン・アイクの祭壇画「神秘の子羊」が有名だ。町のほぼ真ん中を南北に流れるレイエ川の川岸沿いの通りには、中世の栄華を伝える壮麗なギルドハウスなどが建ち並び壮観である。


   
  ブルージュ:運河の畔    ゲント:ギルドハウス   ディナン:ムーズ河畔


 ブリュッセルの南東約82kmに位置するディナンは、北海に注ぐムーズ川沿いの町である。この川が造った絶壁の下に細長く開けた町は、断崖の下から見ても上から見ても美しい絵葉書のように風光明媚だ。ロープウェイで高さ100mの切り立つような断崖を上ると、1050年に築かれた城砦シタデルに着く。17世紀以降波乱に富んだ血なまぐさい歴史がとても信じがたいほど、ディナンの平穏な町並みと悠々と流れるムーズ川の大パノラマが広がる。それは息を呑むほど絶景である。断崖を下りてムーズ川の左岸(西側)を歩くと、対岸に建つノートルダム教会 がひときわ人目を引き、タマネギ型の尖塔が美しい。その背後に堅固なシタデルが堂々とそびえる。

 

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 1830年にオランダから独立したベルギーはフラマンとワロンの両民族が言語対立を繰り返しながら、現在の「ヨーロッパの心臓」とも呼ばれる地位を得た。27カ国が加盟し、総人口が約4億4700万人の欧州連合(EU)は、ブリュッセルに本部を置いている。ベルギーを抜きにしてヨーロッパの魅力は語れない。

 

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| 世界の旅−ヨーロッパ(西欧・中欧) | 17:57 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
中印衝突の地・ラダックの想い出
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 米国との貿易摩擦や新型コロナウイルス感染の震源地になった中国が、ひょっとすれば戦争を起こすかもしれないとの懸念が世界中にかなり広がっている様だ。最も懸念されるのは米中の偶発的な衝突だが、それよりも意外に風雲急を告げそうなのが中国とインドの国境紛争問題かも知れない。

 両国間の緊張は5月から続いていたが、ついに一昨日(6月15日)に起きた衝突では、中国とインド両軍合わせ60人以上の死傷者が出た。国境付近での両国紛争で死者が出たのは、1975年以来の45年ぶりのこと。新型コロナのパンデミックなど不安定な世界情勢下、このままでは1962年の中印国境紛争のような危機になるのではないかと憂慮される。

 

 今回の両国衝突は、インドが支配するジャンムー・カシミール州東部のラダック地区のギャルワン渓谷あたりで勃発した。現地はヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に囲まれた標高4300メートルの険しい高地だ。15日夜に衝突が起こり、インド軍側に大佐を含む3人の即死者が出たほか、負傷者17人が翌日夜までに亡くなった。さらに数十人が行方不明で、中国側の捕虜となっている模様。

 両国は共に核兵器保有国であるだけに、斯様な緊張が今後どのような軍事力行使に進展するかどうか予断を許さない。15日の衝突では双方は火器銃器を使用せず殴り合いや投石などによる戦闘があったよう。インドのテレビ報道によれば、中国兵士もかなり殺害されたようだが中国側からは発表はない。

 

 

 

 インドは中国のほかに、パキスタンとも対峙するジャンムー・カシミールに就いては、筆者は2008年7月に訪れている。その旅の模様は、2019年3月12日付け幣ブログ『インドとパキスタンが領有権を争うカシミールの桃源紀行』で紹介済みだ。今回は中印両軍が衝突したラダック地方を、一部重複するが詳述しよう。

 

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 イスラム文化が息づくスリナガルから空路で東へ飛び、約45分後に行政的には同じジャム・カシミール州に属するが、チベット的な風土を持つラダック地方の中心都市レーに到着した。飛行中に機内から眺める風景も、緑豊かなスリナガル盆地から厳しく荒涼たるラダック山地に変わる。チベットが源流でインダス河の上流に位置するラダック地方は、「小チベット」とも呼ばれるほどチベット仏教(ラマ教)の世界が広がる。その中心的な役割を担うのがラマ教の僧院ゴンパで、その規模や豪華さは本場チベットの寺院を凌ぐものもあるほどだ。

 

 レーは本国インドの首都デリーの北およそ1040km、シュリナガルの西約430kmに位置し、パキスタンや中国との国境に近い。標高は3505mで、人口は約10万人。旧ラダック王国の都として栄え、僧院ゴンパなどがチベット仏教文化の影響を今も残す辺境の町である。今も中世の面影を残す市内では、旧レー王宮が必見である。

 

 

      旧レー王宮               レ―郊外で少年僧と共に

 

 町の北背後の岩山に聳える威風堂々の建物で、ラダック王国が繁栄した16世紀に築かれた。この王宮を眺める絶好ポイントのひとつは、旧市街の中心にあるメイン・バザール付近をお勧めだ。ほかにツェモ・ゴンパ、眺望抜群の丘の上に建つシャンカル・ゴンパ、目抜き通りのフォート通り、ソマ・ゴンパ、ジャミア・マスジッドなどを訪ねた。 

 

 レーを拠点にしてインダス河沿いの各地のゴンパを巡ったが、南東郊外43kmにあるヘミス・ゴンパが最も有名だ。17世紀前半に創建されたラダック最大のゴンパで、僧が神々の仮面をつけて豪壮に踊るヘミスの大祭で知られる。レーとヘミス・ゴンパの中間にあるティクセ・ゴンパは15世紀に険しい岩山に砦のように築かれ、チベット・ラサのポタラ宮を彷彿させる。

 

 

       ヘミス・ゴンパ                      ティクセ・ゴンパ

 

 ほかに、西郊外約60kmのリキール・ゴンパ、町の北外れの丘にそびえ建つ白亜のシャンティ・シャンカル・ゴンパも見逃せない。また、殺伐として不毛の感のあるラダック地方に潤いを与えるのがインダス河だ。レーの西郊外のゴンパ巡りは雄大で険しい渓谷を育むインダス河沿いに進み、特にザンスカル川がインダスに合流するポイントが絶景だ。

 

 

シャンティ・シャンカル・ゴンパ      インダス河

 

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 中国外務省によれば、本日に両国の外相は中印両軍間で15日発生した衝突を巡り電話会談し、国境付近の安定を維持することで一致したよう。だが、両軍は度々衝突を繰り返しており、直ぐに緊張緩和するかは不透明である。中米摩擦に加え、中印衝突の今後も注視する要があろう。

 

                ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 

 カシミール問題を詳述した筆者(ペンネーム:高やすはる)の著書がありますのでご案内します。

272の国と地域を制覇した77歳のワールド・トラベラーはたった1人で紛争地を旅した!

      

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| 世界の旅−アジア | 10:49 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
全米に拡大した暴動の震源地ミネアポリスの想い出
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 また起きてしまったのが、アメリカで社会問題になっている黒人市民に対する白人警官の暴行致死事件である。5月25日アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、白人警官が黒人男性の首を膝で8分間にわたって押さえつけ、後に死亡させた。黒人が警官に押さえられた時に「息ができない」と訴え、殺害されるまでを撮影した動画が拡散した。同国では警官の暴行事件が、以前から問題視されていた。特に白人警官による黒人への暴行事件は人種差別問題もはらみ、事件が起きる度に大きな関心と波紋を呼んできた。

 例えば、2014年7月17日にはニューヨーク州のスタッテン・アイランドで、黒人男性が白人警官から絞め技を使われて逮捕され、死亡する事件が発生した。また、同年8月9日にミズーリ州ファーガソンでは、18歳の黒人青年が白人警官から射殺される事件も起きた。

 5月25日の事件翌日から警官の暴行に憤ったミネアポリス市民が抗議デモを続け、28日にはそのデモが大暴動に発展した。市民は警察署に火をつけ、同署は火の海と化した。この死に至らしめた非道極まりない事

警察の人種差別的な

暴行への抗議デモ

件は、今や全米の30ヵ所以上で警察に対する抗議デモや暴動へと発展し、死傷者も出るほどだ。

 

 今回の「ミネアポリス暴動」ですっかり有名になった街を、筆者は2004年7月に訪れている。その旅と忘れ難いトラブルの模様を紹介しよう。

 

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 ミネアポリスはアメリカ中西部の北、シカゴの北西約670kmに位置し、古くから製粉業が盛んなミネソタ州最大の都市だ。ミシシッピー川を挟んで、人口が約38万人のミネアポリスと、州都で人口約29万人のセントポールは「ツイン・シティズ(双子の都市)」を形成する。無数の湖と豊かな緑に囲まれた双子都市は町の規模などは似ているが、両都市の個性は正反対である。前衛的な建築の町ミネアポリスが開放的に対し、行政の町セントポールは保守的である。双子の両者に共通するのはミシシッピー川沿いにあり、観光の方もミシシッピー河畔に焦点を定めた。

 ミネアポリスのダウンタウンの北にミシシッピー川が滔々と流れ、ヘネピン橋の少し下流にセント・アンソニー滝という人工の滝が流れ落ちている。落差はあまりないが水量が豊富で、滝の幅も138mもあってなり迫力がある。橋を渡るとセントポール側に入り、しばらく東方向に進むとワバシャ橋付近のミシシッピー河畔に出る。河畔からリバークルーズの船着場があり、早速遊覧船に乗った。川岸にそびえ建つ高層ビル群のスカイラインがなかなか調和が取れ優美だ。製粉業が盛んなため製粉工場なども見られ、牧歌的な田園風景が広がり時計が止まったような、ノンビリとしたクルーズを満喫した。

 

         −−−ミネアポリスの市街地を俯瞰−−

 

 

 

 ミシシッピー川に架かる  セントポールのリバークルーズ

  ヘネピン橋付近    船着場(対岸はミネアポリス)  

 

 ミネアポリス側で絶対見逃せない見どころがもう1つある。ミネアポリス彫刻庭園は40以上の彫刻彫像が点在する庭園で、全米でも最大規模を誇る。奇抜な作品が多い中で抜きん出るのが、大きなスプーンにサクランボがのった噴水のオブジェ、スプーンブリッジとチェリー。スプーンは長さ15m、高さ6mもあるジャンボサイズ。訪れた時は暑かったので、サクランボの茎の先から流れる水がとても涼しげに感じた。

 

     −−− ミネアポリスの彫刻公園 −−−

  

 

 ところで、ツイン・シティズの観光も霞んでしまうようなトラブルがあった。ラピッドシティからミネアポリスに向かうフライトの機内で、それまでに蓄積された疲労か或いは厳しい保安検査のストレスか、吐いた上に下痢をした。ホテルに着いて数時間休息したが、体調回復しないため急きょ近くの病院に駆け込んだ。受付に病状を説明し、待っている患者が、ほとんどいないのですぐ検査・治療してもらえるものと思っていた。しかしその後、医者・看護婦・検査技師など5〜6人からまったく同様の質問を受け、検査が始まったのは1時間後。さらに心臓病でもないのに念入りな心電図をとられたり、超スローな対応にイライラしっ放し。

 近代的でスピーディと思っていたアメリカの病院は、意外に官僚的なタテ社会の体質にガッカリ。トラブルの余波は帰国後も続き、現地病院から突然治療費1500ドルほどを払うようにとの請求

 書が届いた。出発前に海外旅行保険に入り、病院には保険手続きを告げて相手も了承したはず。どうも先に病院は保険会社に請求したが、高額過ぎるとして支払いを拒否され、筆者に請求して来たらしい。最終的に保険会社と病院との話合いで決着したらしいが、いずれにせよ僅か数時間病院にいただけで治療費が1500ドルとは驚きである。改めてアメリカは怖い国と想った。

 

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 キング牧師が1963年に行った「私には夢がある」という演説の中で、平等という夢を実現させようと訴えたように、息子マーティン・ルーサー・キング3世も声をあげ続ける。中国の急速な台頭があるとは言え、依然として超大国と自認するアメリカだが、人種差別問題を未だに解決できない「アメリカの闇」垣間見ることができる。強気のトランプ大統領は暴動の収束を図るどころか、来る11月の大統領選挙を見据えて暴動をむしろ煽るような言動も見受けられ遺憾である。

 

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| 世界の旅−北米 | 10:44 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
コロナ倒産
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 新型コロナウイルス感染拡大対策の緊急事態宣言が全面解除された。およそ1ヵ月半ぶりのことだが、この間かつて経験したことの無い外出自粛や休業などを強いられた。当初は休業と補償がセットは当然と思われていたのだが、政府の対応が曖昧であったためか戸惑った事業者も多かった。評判が悪かった30万円給付は急遽10万円一律給付になったが、さて給付となると時間がかかっているよう。また全国民に配布予定のいわゆるアベノマスクも、不良品が混じるトラブルもあったのであろうか、未だに筆者のところには届けられていない。どうも賞味期限切れの、あまり有難くないマスクになりそうだ。

 中国・武漢から発生した新型コロナウイルス感染は拡大の一途をたどり、世界の感染者は550万人、死者は35万人に迫ろうとしている。実に196の国と地域で感染が確認され、文字通りのパンデミック(世界的大流行)になってしまった。とくに経済などへの影響は甚大で、1929年の株価大暴落により引き起こされた世界恐慌以来のコロナ恐慌が世界を席巻している。倒産や休廃業・解散も、最終的には2008年のリーマン・ショックを上回るであろう。

 

         (帝国データバンク資料を引用・加工)

 

 例えば、かつてレンタカーの代名詞にもなった、あのハーツが倒産した。1918年にアメリカで創業し、長い歴史を持つ海外レンタカーのリーディングブランドであった。半世紀以上も前から世界を旅して来た私ことワールド・トラベラーが現地の空港に着き、ターミナル内を見回して目立ったのがイエローとブラックのハーツ看板。もちろん、同社のレンタカーを利用し、各地をドライブしながら観光を堪能したものだ。ほかに、アメリカの老舗百貨店・JCペニーも倒産した。

 

 

             ハーツのカウンター

 

 一方、国内では、「うどんすき」が名物の東京美々卯が閉店した。40年以上も前の現役時代に時折通ったお店だ。創業地が筆者の故郷・大阪だけに、想い出深いものがある。因みに、先日倒産したアパレル企業のレナウンは、筆者にとり大学を出て商社に就職した当時(1960年代)は、憧れた有名な優良会社であった。あれから約60年、今更ながら時の移ろいを感じて切なくなる。

 

        東京美々卯

 

 都内でカフェを営む知人の情報によれば、倒産や閉店が増えている由。タイムラグを考えると、今後さらに増えるであろう。政府は1次補正予算も含め230兆円規模の、世界最大級の経済対策をすると言っている。しかし、実際の実効的な真水金額はおそらくその何分の1であろうし、また手続きが煩雑で給付は大幅に遅れるであろう。中小や零細事業者はそれまで耐えられず、破綻するのではと懸念する。また、新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬が無い現実を踏まえると、第二波、第三波の感染拡大も想定される。緊急事態宣言が全面解除されたと言っても決して安心できまいし、感染のヤマ場はこれからかも知れない。

 

                   ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 

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 ワールド・トラベラーが館長を務める世界の人形館では、275カ国・地域の民俗人形、紙幣とコイン、仮面、壷、置物、絵画、木彫り、地球儀、時計、照明ランプ、絵皿、万華鏡などを多数展示しています。ご興味ある方はご遠慮なく、お気軽にご来館下さい。社会貢献活動につき、入館料は無料です。セキュリティなどのため、下記要領で必ず予約をお願いします。
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          −−−世界の人形館の館内−−−

 

 

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| 病気 | 22:48 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
新型コロナウィルス は感染症に慣れっこのアフリカを脅かすか?
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 その後の新型コロナウイルス感染は、発生した中国では終息したようだが、アメリカやヨーロッパ諸国などでは依然として感染拡大が続く。今や世界の感染者は360万人を超え、死者は25万人以上になった(5月5日現在)。我が日本も毎日の感染者数が減少傾向とは言え、依然として3桁を記録している。このため、5月6日までの緊急事態宣言が5月31日まで延長された。一方、海外ではロックダウン(都市封鎖)を延長する国や段階的に解除し始める国など、出口戦略につき対応に差が出てきている。

 今後注目すべきは、13億人の人口を抱えるアフリカでの感染拡大であろう。5月3日時点では、アフリカにおける感染者数は42,713人、死亡者数は1,754人とそれほど多くない。最も感染者が多い国は南アフリカの6,336人に対し、南部アフリカのレソトは未だ感染者ゼロである。また、死者数が多いのはアルジェリアの459人だが、感染者は存在しても1人も死亡者を出していない国も、ルワンダ・ウガンダ・マダガスカルなど10ヵ国ある。脆弱な医療基盤を考えると、良く頑張っていると言えよう。

 

   アフリカを旅する筆者ことワールド・トラベラー

 

南アフリカ:ヨハネスブルグ  レソト:マセル郊外の

黒人専用居住区ソウェト    要塞タバ・ボシウ

 

 しかし、世界で最も貧しい地域であるアフリカでは、特にサハラ砂漠以南のアフリカでは、新型コロナ以外の感染症で年間270万人が命を落としている。その内訳は、特に5歳未満の子供への影響は深刻で、死亡者の30%弱の77万8千人を占める。その内訳は、マラリアの罹患者は約2億人で、死亡者は40万8千人のうち27万8千人が5歳未満の子供たちだ。HIV/ エイズによる死亡者は72万人、5歳未満は5万7千人。結核は40万5千人が死亡し、5歳未満は1万7千人。さらに下痢症でも65万3千人が死亡、そのうち25万5千人は5歳未満の子供が占める。

 総人口が約13憶人のうち、6億人以上が20歳未満の若いアフリカだが、年間174万人に及ぶ子供の命が消えている。これに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な流行)が本格的にアフリカまで拡大すれば、その数をさらに増やしてしまう可能性が高い。また、アフリカ特有の問題も懸念される。例えば、ロックダウンで高まる食料危機とステイホームがむしろ危険なことであろう。

 

   食料危機に就いては、西部アフリカ、特にナイジェリア北東部は危機的とか。同地域は元々イスラム過激派組織ボコ・ハラムの活動により治安が悪化し、多数の人が国内避難民として国際機関な

ナイジェリア最大都市ラゴス

どの支援物資に頼っていた。ナイジェリアは3月30日にロックダウンを始めたため国境が閉鎖され、支援団体の動きが制限されてしまったのだ。近隣諸国のブルキナファソ・ニジェール・マリ・カメルーンの一部地域も危機的状況とされ、世界食料計画(WFP)も500万人以上が食料危機に陥る可能性があると警鐘を鳴らしている。

 

 

ブルキナファソ:バニのモスク ニジェール:ブボン村

 

 

マリ:ドゴン族の仮面踊り  カメルーン:ルムシキの

                マンダラ山系

 

 また、新型コロナ対策でホームステイを厳しく徹底すると、人とモノが動かなくなり、路上販売や日雇いなどで生計を立てる貧困層は、十分な食料を得ることも病院にかかることも出来ない。因みに、2014年から2016年に西アフリカでエボラ出血熱が流行した際、現在と同様に人の移動を制限した結果、日常的な医療サービスが中断された。そのためエボラ以外の疾病で死亡する人が増えたとの調査結果もある。

 

 新型コロナウイルス感染は今まで北半球で拡大してきた訳だが、グローバル化時代の今後で懸念されるのは南半球、特にアフリカ諸国での感染拡大である。また、過去の感染症の歴史を振り返ると、第二波、第三波の襲来であり、そのカギを握るのはアフリカであろう。そんなアフリカを275ヵ国・地域を旅した私こそワールド・トラベラーは、54ヵ国すべての国を訪れている。種々問題を抱えているが、意外に懐の深い大好きな国々が多い。

 即効的なワクチン開発には時間を要するため、新型コロナウイルス感染の終息にはあと2〜3年はかかる見方もある。そうなれば1年延長した東京オリパラ開催も危うくなり、中止という最悪のシナリオも捨てきれない。故に、早期終息の鍵を握るのは、アフリカ諸国かも知れない。世界保健機関(WHO)は、「アフリカで感染防止に失敗すれば、数千万人が感染し、流行は数年間続く」との声明を出している。

 

(後記)

 ガーナの首都アクラ郊外の港町にある水産加工場で、1人の従業員から何と533人に新型コロナウイルスの集中感染が広がった由。実効再生産数は何と533とは驚きである。信じがたい同様のことが今後アフリカ各地で発生すれば、爆発的な感染拡大、つまり文字通りのパンデミックになる恐れが懸念される(5月12日)。 

 

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| 病気 | 12:01 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
新型コロナとイスラム教の断食月(ラマダン)
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 新型コロナウイルス感染拡大が衰える気配がないため、容易に外出できない鬱陶しい毎日が続く。その気晴らしにと、拙宅(世界の人形館)の玄関ポーチに置いている花の手入れに精を出した。今年は特にツツジの咲きっぷりが良く、この花を愛好した故人の

妻をふと想起した。

 

 今年のイスラム教の断食月(ラマダン)が世界各地で始まった。5月23日まで続くが、イスラム諸国は過去無かった異例の新型コロナウイルス対策に苦慮している。この期間中は日の出から日没まで、イスラム教徒(ムスリム)の重要な義務である断食(サウム)のため飲み食いを一切絶たなければならない。私ことワールド・トラベラーは現役時代の1970年代〜1980年代の約9年間、クウェートとインドネシアのイスラム圏に駐在員として住んだことがあり、ムスリムではないが断食を半分ほど経験している。
 宗教上の義務であると同時に、日没後の食事や礼拝を共にすることで信者同士の連帯が強まるのがラマダン。しかし、新型コロナが猛威を振るう本年は、感染拡大の防止とどう両立させるかでイスラム諸国を悩ませているよう。ムスリムが多数を占めるマレーシアではムヒディン首相が、ラマダン期間中の礼拝について国民に「モスク(イスラム礼拝所)に行かず、家族と一緒に家で礼拝してほしい」と呼びかけた。世界の総人口の4分の1を占めるイスラム圏と、アフリカ諸国で感染拡大すれば、文字通りのパンデミックになるばかりか、深刻な世界恐慌にもなろう。

 

  

アラブ首長国連邦のアブダビ: 1975年クウェート

シェイク・ザイード・ビン・  駐在員時代の筆者

スルタン・ナヒヤン・モスク


 実際に、1か月のラマダン期間中は様々なリスクが懸念される。例えば、(1)モスクでの集団礼拝は3密の典型となり、大規模なクラスター(集団感染)になりかねない。(2)断食すると体力低下は不可避で、感染リスクが高まる。アルジェリアの政治家は、空腹で体力が落ちるため断食を中止すべきだと主張するほどだ。(3)断食を一時的に中断する夜間〜早朝は大勢が集まり食って飲んでの大騒ぎをし、濃厚接触するなど危険この上ない。(4)ラマダン明け後の連休(インドネシアはレバランと言う)は人の移動が活発で、都市部から地方へ大量(インドネシアでは約2000万人)帰省するので3密になりやすい。

 

 

インドネシアのジャカルタ: マレーシアのクアラルン

モスクで礼拝する女性たち  プール:ラマダン明け後

 

 感染リスクが高くなるほかに、経済などでもマイナス面が多い。ラマダンは宗教心が強まると同時に、1年で最も消費が高まる時期でもある。しかし、中東最大の人口を誇るエジプトでは、集団行動の自粛や夜間の外出禁止といった措置が取られており、市民が楽しみとする断食後の買い物が冷え込むのは必至だ。他国も同様の影響は避けられそうになく、景気後退は明々白々である。

 

 因みに、断食とは、欲望から身を清め、すべての欲望を断つことを意味する。貧しくて食べることが出来ない貧者を理解し、健康的にも良いとされる。また、禁欲にはセックス、禁煙、投薬なども含まれる。ただし、重病人や妊婦、乳幼児、重労働者、兵士などは免除され、基本的に異教徒は強制されない。筆者はクウェート&インドネシア駐在時代に断食そのものはしなかったが、断食をしている信者の近くでは飲食を控えた。当然のエチケットである。詳細は幣著書『ワールド・トラベラーだけが知る素顔のイスラム(新潮社)』をご愛読下さい。

 

 

  『・・・素顔のイスラム』1,500円+税

 

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| イスラム | 11:02 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
嘉納治五郎の銅像建立に尽力して
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 もし、新型コロナウイルス感染拡大が無ければ、またもし、2020東京オリパラ開催の1年延期が無ければ、新聞やテレビなどで大々的に報じられたであろう事がある。それは「柔道の創始者」or「日本オリンピックの父」と呼ばれる嘉納治五郎の銅像が、手賀沼畔の高台にある旧嘉納治五郎別荘跡(天神山緑地)に建立されたのだ。昨年放送されたNHKの大河ドラマ『いだてん』でお馴染みの偉人像は、一昨日は晴れやかな除幕式を迎える予定だった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のため中止になり、序幕だけが行われた。訪れる人も少なく寂しげな銅像だが、手賀沼を望む景勝地に堂々と立つ。

 

  旧嘉納治五郎別荘跡(天神山緑地)に立つ銅像

 

 

  

 

 因みに、嘉納治五郎(1860年〜1938年)にとり、我孫子は別荘を構えた所縁の地だ。1912年(大正元年)にこの地を手に入れて別荘を建て、晩年は一年の半分を過ごしたとか。治五郎の死後は1969年(昭和44年)まで子孫が居宅として住み、嘉納家と我孫子市とは約60年の縁がある。生誕160年と東京五輪2020開催を記念し、我孫子の文化を守る会が発起人になって銅像が建立された。筆者は当会の会員でもあり、その募金集めに微力ながら尽力した経緯がある。


 政府が要望する極力8割接触削減に従い、この1週間の外出は1時間半のスーパーへの食料品買い出しと散髪だけ。ほぼ10割の接触削減であろうか。だが、運動不足を懸念し、また嘉納治五郎像を見たさに小1時間出かけた。銅像の台座にはめ込まれた銘板に刻まれた約500名の寄付者名には、最上段の最も目立つ処に筆者とプライベートミュージアム・世界の人形館の名前がある。僭越にも大口寄付者として扱われたのであろう。像の近くでは遅咲きの八重桜が咲き誇り、遠くを見やると手賀沼が霞む春慕情が広がっていた。

 

   −−− 寄付者名などを刻んだ銘板 −−−

 

 

      八重桜が満開   天神山緑地より手賀沼を眺望 

 


 ところで、写真を撮っていると2人の10歳ぐらいの可愛い女の子たちがやって来たが、2人ともマスクを着用しておらず、1人は咳き込んでいた。同様のことは筆者が住んでいるマンション内でも見られ、若いママさんの無神経さが些か気懸りだ。マンション内での外出自粛は、クラスターになる恐れがあるのではと思うと心配である。

 投稿中に、嘉納治五郎ゆかりの人の訃報に接した。治五郎研究の第一人者として知られる講道館図書資料部長の村田直樹氏が、去る9日に心不全のため埼玉県内の自宅で逝去されたのだ。享年70歳は、83歳の筆者よりも一回り以上若い。実は昨年2月に我孫子市のアビイホールで、村田氏の講演『嘉納治五郎から「精神」を学ぶ』を聴いたことがある。元柔道家として、ガッシリとした体躯で熱っぽく語っていたのが忘れ難い。合掌。

 

          ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 

 筆者(癲々治、ペンネーム:高やすはる)の著書は次の通りです。ご関心ある方は是非ご愛読下さい。

 

書名 出版社 定価
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イスラム国(IS)やシリア内戦も詳述

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知られざる少数民族の世界から

現代世界の縮図と課題が見えてくる

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楽でない旅こそ最高だ!!

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| 地域社会 | 17:24 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
国会議員などの給与の一部自主返納と上州四万温泉へ
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 無風と初夏のような天下泰平の陽気に誘われ、今日は朝からルーフバルコニーに置いている花の手入れに精を出した。当家の遅咲きの桜がやっと満開を迎え、それに付き合うようにしてツツジも咲き誇る。鬱陶しいことばかりの昨今だが、純情無垢な花を愛でると、ついウキウキした気分になる。だが、その最中にふと思ったのが、国会議員などの高給公務員の給与だ。先日新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が出たが、結論として国民に犠牲を強いる一方のようだ。なぜ国会議員や知事などの高給公務員は、給与の一部を自主返納しないのであろうか?

 

       

            遅咲きの桜にツツジが花を添える

 

 元々我が日本の国会議員給与は欧米の2倍前後と高いだけに、従来から批判が多い。世間から催促を受ける前に、我々国民と等しく痛みをシェアするためにも自主返上が望まれる。因みに、我が国の国会議員の給与は約2200万円に対し、高い米国でも約1700万円、イギリス・フランス・ドイツなどの欧州諸国は1000万円前後で日本の議員の半分に過ぎない。また、フィリピンのドゥテルテ大統領は給与1ヵ月分を全額、閣僚らは2020年4月から12月までの月給の75%を寄付するとか。今回のような国難に鑑み、給与の一部の自主返納を申し出る国会議員などがいないのも不思議でならない。


 先月から県内や都内に住む知り合いの中小企業やフリーランスなどの人たちや、他県の行楽地などを訪れて景況感を訊き出したが、聞こえて来るのは彼らの切羽詰まった悲鳴や嘆きだ。外出自粛や休業要請と見返りの補償につきスピード感が欠け、手続きも煩雑のよう。1世帯30万円や中小・小規模者への100〜200万円の給付など、一見大きな風呂敷を広げた感じだが、営業自粛に対して政府は個別補償せず逃げ腰だ。お役所へ相談に行った知人によれば、申請手続きのハードルが高過ぎるため下げて欲しいとの由。

 一方、間もなく83歳になる小生だが、国より頂戴している年金の一部カットを求められれば喜んで甘受するつもりである。しかし、受給している年金だけでは足りない人たちのことを考えれば、軽はずみなことは出来ない。安倍政権はコロナ終息後のV字型回復を目論むが、現在の厳しい不況の後遺症は容易に快癒出来そうもない。いずれにせよ、痛み分けの精神で国民一丸、ワンチームとなってこの難局を克服せねばなるまい。

 

 ところで、世間ではマスク不足が声高に叫ばれているが、新型コロナウイルス感染が問題化して以降、筆者はマスクを1枚も購入していない。とは言え、もちろん外出の際はマスクを着用する。実は2か月前に自宅内をよく調べたところ、昨年暮れ故人になった妻の分も含め、何と20数枚のマスクが出たきたのだ。しかも、その大部分は新品で、洗濯すれば何度も使える布製。その一部を今使っている次第だ。皆さん、今一度お家の中を探して下さい。きっとアレッと驚くほど、沢山のマスクが出てくるのでは・・・。わざわざ新規購入の必要も無かろう。

 

     

       筆者宅にある様々なマスク


 そんなマスクを着用して外出自粛ムードを気にしながら、一昨日〜昨日は群馬県の四万温泉へ出かけた。電車も、ホテルも、お店もガラガラで、人影もまばらだ。インドネシア語が話せる筆者にとり唯一の救いとなったのが、偶然インドネシア人に出会ったこと。泊まったホテル近くの奥四万湖を観に出かけたが、トボトボと歩く山道が急峻で息切れしていた処へ車がやって来た。これ幸いと得意のヒッチハイクで乗せてもらったが、どうも日本人でない男女4人のグループ。彼らの会話からインドネシア人(うち1人は混血)と知り、インドネシア語で切り出すと相手は驚くことしきり。日本で働く研修生たちで、仲良く記念写真を撮った。

 

          −−− 奥四万湖 −−−

  

 インドネシア人と仲良く

 

 

    四万川ダム    泊まった伊東園ホテル四万

 

 四万川上流の三方を山に囲まれた渓流沿いの四万温泉は標高が700mもあるためか、翌朝は小雪が舞い旅情を慰めてくれた。


追記

 筆者が持っている余分なマスクをご希望の方は差し上げますので、ご希望の方はご遠慮なくお申し出下さい。遠隔地の方は郵送します。下記要領でコンタクトして下さい。

 

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| 国内旅行 | 20:12 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
新型コロナの憂さ晴らしに伊豆下田へ一泊旅行
12

  寝ても覚めても、或いはテレビのどのチャンネルを回しても、いつも新型コロナウィルス感染拡大が話題の鬱陶しい世の中。かりそめにも気晴らしになればと、昨25日正午すぎ特急踊り子号に乗車し、ふらっと出かけたのが伊豆下田。黒船来航と開国の町として有名な下田だが、実は当地を訪れたのは初めてだ。275ヵ国・地域を旅した私ことワールド・トラベラーとしては、誠にお恥ずかしいお話である。

 

    

             下田を俯瞰               伊豆急下田駅前に立つ筆者    


 こじんまりとした町をトボトボと歩き、訪れたスポットは次の通り:1853年6月に黒船でやって来て開国を迫ったペリー艦隊上陸記念碑、1854年5月に日米下田条約が締結された場所として知られる了仙寺と近くの黒船ミュージアム、上陸記念碑から了仙寺まで続くペリーロード、唐人お吉の墓がある宝福寺、下田開国博物館など。特に印象深かったのは、石造りの蔵や古民家が建ち並ぶペリーロード。今も当時の面影が残るノスタルジックな香りがし、時が一瞬止まったかのような佇まいだ。

 

  

  ペリー艦隊上陸記念碑             ペリーロード

 

 また、偶然に上陸記念碑付近では、モスクワから観光で来たロシア人の女性たち3人と出会った。英語ができる彼女らと仲良く記念写真を撮ったが、非常に背の高い女性はさっと前列で屈んだので驚いた。その気配りが古風な日本女性のように優しく、素晴らしくて正にオーチン・ハラショー  ! 因みに、日本とロシアの関係だが、1855年2月に下田で日露和親条約が締結された歴史がある。彼女らもそのことを知って訪ねて来たようだ。
 ところで、漁港界隈を散策中に気付いたのだが、停泊船が非常に多いこと。出漁していないようなので、出会った漁師にズバリ尋ねてみた。案の定だ。新型コロナウィルスの影響で魚価が安く、漁に出る気にならない由。また、町にはシャッターを閉めているお店が目立ち、降りた伊豆急下田駅前には客待ちのタクシーが多数待ち受けていた。現実味を増しつつあるコロナ恐慌がこの町にも忍び寄っているのだ。

 

 

 ロシアの女性たちと仲良く 美しいが活気のない漁港


 一泊して帰路は直帰するつもりだったが、都知事の外出自粛要請が気になり、種々援助している月島のカフェRainbowに立ち寄ってみた。しかし、自粛ムードをあまり意に介さない、常連のお客さんなどが多数来店したと聞いて安堵した。緊急事態宣言が出ない限り、ショップマネージャーの星野真弓さんには頑張って頂きたい。ただし、体調管理はくれぐれも留意が肝要だ。

 

 

               了仙寺       カフェRainbowで

 

 ごく最近になって我が日本も、新型コロナウィルス感染のパンデミック(世界的大流行)に対し、ようやく緊急事態宣言=ロックダウン(都市封鎖)の準備に入ったようだ。しかし、中国、韓国、台湾、アメリカなどと比べると、2〜3ヵ月ほど初動が出遅れているようである。感染者や死者の数が諸外国に比べて多くないのは、見方を変えれば問題の先送りをしているとも言えよう。

 37.5度以上の発熱を規定するなど、我が国の検査基準にも首をかしげたくなる。PCR検査の数が圧倒的に、一桁ぐらい少なすぎる。もっと他国並みに検査数を増やせば、感染者数は急増するであろう。その数を少なく見せるために検査をしていないとの陰謀論も囁かれるが、いずれにせよ1年程度延期になったオリパラ開催の中止を懸念してのことだろう。だが、これを意識しすぎると、本当に取り返しのつかない最悪のシナリオになるのでは

 

              ◇◇◇  ご案内  ◇◇◇

 

無料公開中

 ワールド・トラベラーが館長を務める世界の人形館では、275カ国・地域の民俗人形、紙幣とコイン、仮面、壷、置物、絵画、木彫り、地球儀、時計、照明ランプ、絵皿、万華鏡などを多数展示しています。ご興味ある方はご遠慮なく、お気軽にご来館下さい。社会貢献活動につき、入館料は無料です。但し、(1)感染拡大防止のため体調が良くない方はご遠慮下さい。(2)セキュリティなどのため、下記要領で必ず予約をお願いします。
  TEL:04−7184−4745 又は Eメール:ko-yasu@maple.ocn.ne.jp

 

          −−−世界の人形館の館内−−−

 

 

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| 国内旅行 | 23:30 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
新型コロナウイルスの感染者が急増するイタリア北部を想う
13

 新型コロナウィルス感染症が各国に広がり、今や南極を除く全大陸で感染者が出ている。感染者数は19万人近く、死者は7800人超だ。中国に遠慮していた!?世界保健機関(WHO)も重い腰を上げ、先日やっとパンデミック(世界的大流行)を宣言した。感染者数は多い順に、中国が80881人、イタリアが31506人、イランが16169人、スペインが11178人、韓国が8320人。死者数は、中国が3226人、イタリアが2503人、イランが988人、スペインが491人などとなっている。

 

 中国・武漢に端を発した新型コロナウィルス感染の中心は、中国からヨーロッパに移った。特にイタリアは急増し、同国政府は4月3日まで全土で外出を控えるよう求める措置を打ち出した。ヨーロッ

  散としたミラノのガレリア

パではスペインやフランスなどでも日本以上に感染が拡大中で、陸続き国家が多いのがコロナウィルスの絶好の餌食になっているようだ。その昔ペストやスペイン風邪がパンデミックになった歴史があり、危機感を煽っているよう。


 イタリアで集団感染が多いロンバルディア州は北部にあり、イタリア第2の都市ミラノをはじめ、北にはマッジョーレ湖やコモ湖などの美しい湖水地帯、南へ行くと丘上の芸術都市ベルガモや北イタリア・ルネッサンスの中心になったマントヴァ、ポー河流域では長閑な農村地帯が広がる。都会と田舎の両方の魅力がミックスした州だ。ミラノは1974年の初訪以降5度も旅しており、文化・芸術の香りが高いファッションの街だ。魅力的な見どころも多い。

 

                     −−− ミラノ −−−

 

大聖堂(ドゥオーモ)広場 ヴィットリオ・エマヌエーレ

             2世のガレリアを背にして

 

マントヴァの中心を俯瞰 ベルガモのヴェッキオ広場

 

 なぜイタリアで感染が拡大するのか?同国は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に昨年参加し、民間レベルでも人の往来が頻繁で、中国との関係を指摘する向きもある。アドリア海に臨むトリエステ港は一帯一路のヨーロッパの玄関口になっており、2005年に訪れている。詳細については、2019年4月2日付け幣ブログ『イタリアが参画する中国の一帯一路とトリエステ慕情』で紹介済みだ。

 

 

  マッジョーレ湖畔     トリエステ港で

 

 人類の歴史は感染症との闘いの歴史とも言われる。感染症のパンデミックとしては、多数の死者が出た14世紀や17世紀のペスト、1918年〜19年のスペインかぜなどがある。今世紀のグローバル化が進む社会では、感染症が流行ると一気に世界で猛威を振るいかねない。近年は様々な病原体の発見とワクチン開発により、対策はそれなりに追いついているようだが、新型コロナウィルスがきっかけでグローバル不況にならないよう祈念したい。

 一方、我が安倍晋三首相はイベントの自粛を度々求めるが、真意はオリパラ開催を意識したものと推量する。株価は暴落しており、このままズルズル行けば倒産が急増し、自粛要請は毒薬にもなりかねない。この点に関する担保を十分斟酌した上なのであろうか?一方、新型コロナウィルスの感染拡大につれ、SNSやネットから広がったデマなどの誤情報が社会混乱を引き起こしているのではなかろうか?要は、パンデミックを正しく、冷静に恐れることであろう。換気を良くし気分転換を図るためにも、時々外出もしたいものである。

 

後記

 イタリアの感染拡大は中国を上回り、感染者数は9万人超、死者数は1万人を超えて共に世界で最多国になった(3月28日)。
 

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| 世界の旅−ヨーロッパ(西欧・中欧) | 11:52 | comments(0) | - | - | - | ↑TOP
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